who や which には必ず先行詞がありました。しかし what だけは違います。
what は「先行詞 + 関係代名詞」を1語に凝縮した特殊な存在。
この what を使いこなせると、英語の表現力が一気に広がります。
G-9-1 で学んだ who / which / that には必ず先行詞がありました。 しかし関係代名詞 what は、先行詞なしで使います。 なぜなら、what は「先行詞 the thing(s)」と「関係代名詞 which」を1語に凝縮した存在だからです。
what = the thing(s) which(...するもの・こと)
what は先行詞を内蔵しているため、単独で名詞節(名詞のかたまり)を作ることができます。
what 節は文の中で主語・目的語・補語・前置詞の目的語として使われます。
who は「人」、which は「モノ」と指定しますが、what はもっとぼんやりと「何か」を指します。
具体的に何なのかは、後続する節が教えてくれます。"This is exactly what I wanted." と言うとき、ネイティブは「これはまさに、ほら、私が欲しかったやつだ」という意識で what を使っています。
先行詞が不要なのは、what 自身がすでに「モノ・コト」の意味を含んでいるからです。
what はすでに先行詞を含んでいるので、前に名詞(先行詞)を置くことはできません。
✕ 誤:I don't know the thing what he wants.
○ 正:I don't know what he wants.
○ 正:I don't know the thing which he wants.
「the thing + which」か「what」のどちらか一方を使いましょう。両方同時に使うことはできません。
what 節は名詞節を作ります。名詞と同じように、文の中で4つの位置に置くことができます。 what 自体も節の中で主語・目的語・補語のいずれかの働きをしている点に注目しましょう。
| what 節の位置 | 例文 |
|---|---|
| 主語 | What matters most is your health.(一番大切なのは健康だ) |
| 目的語 | He spends what he earns on his son.(稼いだ分を息子に使う) |
| 補語 | This town is not what it was twenty years ago.(20年前とは違う) |
| 前置詞の目的語 | I'm interested in what she said.(彼女の言ったことに興味がある) |
what 節は「文的」に解釈する場合と「名詞的」に解釈する場合があります。
文的:I don't know where she lives.「彼女がどこに住んでいるのか」
名詞的:It's far from where I live.「私が住んでいる場所」
どちらの解釈でも本質的な意味は同じなので、文脈に応じて柔軟に解釈すればOKです。
what には、後ろに名詞を伴う使い方があります。 「what + 名詞 (+S) + V」で「...するすべての(名詞)」という意味になり、= all the + 名詞 + that ... と同じ意味です。 この what は名詞を修飾しているので関係形容詞と呼ばれます。
what + 名詞 (+S) + V = all the + 名詞 + that (+S) + V
「...するすべての(名詞)」
what little money は「少ないお金」ではなく、「少ないながらも持っている全部のお金」です。
little は「少ない」という意味を添えますが、what が「すべて」を意味するので、ニュアンスは「なけなしの全額」となります。
what を使った慣用表現は入試で非常によく問われます。 すべて what の「...するもの・こと」という基本の意味から派生しているので、丸暗記ではなく意味を理解して覚えましょう。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| what S is | 今の S(の姿) |
| what S was / used to be | 昔の S(の姿) |
| what S will be | 将来の S(の姿) |
| what S should be | S のあるべき姿 |
| A is to B what C is to D | AとBの関係はCとDの関係と同じ |
| what is called A | いわゆる A |
| what is more | その上、さらに |
| what is worse | さらに悪いことには |
what と that はどちらも名詞節を作りますが、まったく異なる働きをしています。 入試ではこの見分けがよく問われます。判断の基準は明快です。
接続詞 that:後ろに完全な文が続く(名詞が欠けていない)
関係代名詞 what:後ろの節に名詞が1つ欠けている(空所がある)
迷ったら、空所の後ろの文を取り出してそれだけで文が完成するかチェックしましょう。
"I want this book." → 完全な文 → that
"I want ___." → 目的語が欠けている → what
関係代名詞 what を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. 関係代名詞 what が先行詞なしで使える理由を説明してください。
Q2. 次の空所に入るのは that と what のどちらですか。 ─ "A large portion of ( ) the Japanese eat every day is imported."
Q3. "what little money" はどういう意味ですか。
Q4. "what S is" と "what S was" の意味の違いを説明してください。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
( ) matters most to him is where he works after graduation.
③ What
判断のポイント:空所を含む節が文全体の主語になっています。空所の後ろの matters の主語が欠けているので、節内で主語として働ける関係代名詞 what を入れます。
What matters most to him は「彼にとって一番大事なこと」という名詞節で、文全体の主語です。
「彼にとって一番大事なのは、卒業後どこで働くかということだ」
Without American influences, Japanese culture would not be ( ) it is today.
② what
判断のポイント:be 動詞の補語の位置に名詞節が必要です。空所の後ろ "it is today" では is の補語が欠けているので、節内で補語として働ける what を選びます。
what it is today は「今日の日本文化の姿」という意味の慣用表現(what S is = 今のS)です。
「アメリカの影響がなければ、日本文化は今日のようにはなっていないだろう」
次の日本語を英語にしなさい。語句を正しく並べ替えること。
「私たちは紙の裏に、注文したいものの絵を描いた。」
On the back of the paper we ( wanted / of / order / pictures / we / drew / what / to ).
drew pictures of what we wanted to order
判断のポイント:"pictures of A"(Aの絵)のAの位置に what 節をまとめます。
what we wanted to order は「私たちが注文したかったもの」という名詞節で、前置詞 of の目的語になっています。what は節内では order の目的語です。