動名詞のみをとる動詞、不定詞のみをとる動詞、そして意味が変わる動詞。
丸暗記に頼らず、ネイティブの「リアリティ」vs「これから」の感覚で整理すれば、自然に使い分けられるようになります。
動名詞と to不定詞はどちらも「〜すること」と訳せますが、ネイティブの頭の中では明確に異なるイメージが働いています。
動名詞(-ing)= リアリティ:具体的にその行為が起きている(起きた)ことを生き生きと描写する形。
to不定詞(to do)= これから:まだ実現していない、これから起こることに目を向ける形。
この感覚さえ掴めば、どの動詞がどちらをとるかは丸暗記ではなく理屈で理解できます。
(It's) nice to meet you. ── 初対面の最初の挨拶。「これから」お会いできてうれしい。
(It was) nice meeting you. ── 別れ際の挨拶。「実際に」お会いできてうれしかった。
to不定詞は「これからの出会い」に目を向け、動名詞は「具体的に交流した経験」を振り返っています。この違いが、すべての動名詞 vs 不定詞の使い分けの根底にあります。
以下の動詞は動名詞(-ing)のみを目的語にとります。to不定詞は使えません。
admit(認める)/ avoid(避ける)/ consider(よく考える)/ deny(否認する)/ enjoy(楽しむ)/ escape(逃れる)/ finish(終える)/ give up(あきらめる)/ imagine(想像する)/ mind(嫌がる)/ miss(しそこなう)/ postpone(延期する)/ practice(練習する)/ resist(抵抗する)/ stop(やめる)/ suggest(提案する)
「楽しむ(enjoy)」── 実際にやっている行為があるから楽しめる。
「終える(finish)」── 実際にやっていた行為があるから終えられる。
「やめる(stop)」── 実際にやっている行為があるからやめられる。
「避ける(avoid)」── 具体的な行為が想定されているから避けられる。
どの動詞も「行為がリアルに存在していること」を前提にしているのです。まだ起きていない「これから」の行為は、楽しむことも終えることもやめることもできません。
以下の動詞はto不定詞のみを目的語にとります。動名詞は使えません。
agree(同意する)/ afford(余裕がある)/ decide(決める)/ demand(要求する)/ expect(予期する)/ fail(しそこなう)/ hope(望む)/ learn(身につける)/ manage(なんとかする)/ mean(本気でするつもり)/ offer(申し出る)/ plan(計画する)/ prepare(準備する)/ pretend(ふりをする)/ promise(約束する)/ refuse(拒む)/ want(したい)/ wish(したい)
「(これから〜することに)同意する」「(これから〜することを)約束する」「(これから〜することを)望む」「(これから〜することを)決める」── どれも「まだ実現していない未来の行為」に目を向けています。
「これから」のイメージをもつ to不定詞が、これらの動詞にぴったりなのです。
like / love / hate / start / begin / continue などの動詞は、動名詞でも to不定詞でも目的語にとることができ、大きな意味の違いはありません。
大きな意味の違いはありませんが、厳密には動名詞のほうが「実際にやっている感覚」、to不定詞のほうが「一般論・習慣」のニュアンスが漂います。
I like playing tennis.(テニスをしている実感がある)
I like to play tennis.(テニスをするということが好きだ ── やや一般的)
試験ではどちらを選んでも正解になることがほとんどです。
以下の動詞は、動名詞と to不定詞のどちらを目的語にするかで意味が大きく変わります。 入試で最も問われるポイントです。
| 動詞 | 動名詞(-ing)= 過去・現実 | to不定詞(to do)= これから |
|---|---|---|
| remember | (過去に)〜したことを覚えている | 忘れずに(これから)〜する |
| forget | (過去に)〜したことを忘れる | (これから)〜するのを忘れる |
| regret | (過去に)〜したことを後悔する | 残念ながら(これから)〜する |
| try | (実際に)〜してみる | (これから)〜しようとする |
| stop | 〜することをやめる | 〜するために立ち止まる * |
| mean | 〜することを意味する | 〜するつもりである |
| go on | 〜し続ける | 続けて(次に)〜する |
| need | 〜される必要がある(受動) | 〜する必要がある |
* stop to do の to不定詞は目的語ではなく副詞的用法(目的)。
stop doing の doing は stop の目的語(〜することをやめる)ですが、stop to do の to do は目的語ではなく、副詞的用法の不定詞(〜するために)です。
stop は動名詞のみを目的語にとる動詞です。to不定詞が続くときは「目的(〜するために)」を表しています。
動名詞と不定詞の使い分けを学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. 動名詞のみを目的語にとる動詞と to不定詞のみを目的語にとる動詞、それぞれの共通するイメージを説明してください。
Q2. 次の2文の意味の違いを説明してください。
A) I remembered locking the door.
B) I remembered to lock the door.
Q3. 次の2文の意味の違いを説明してください。
A) He stopped smoking.
B) He stopped to smoke.
Q4. need doing はどういう意味になりますか。to不定詞で書きかえてください。
例:This room needs cleaning.
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
The doctor has advised me not to eat eggs anymore, so I've stopped ( ) them.
② buying
判断のポイント:文意は「卵を買うのをやめた」。stop doing は「〜することをやめる」。
stop は動名詞のみを目的語にとるので ② buying が正解です。④ to buy を選ぶと「買うために立ち止まった」となり文意が通りません。
「医者がこれ以上卵を食べないようにと忠告したので、私は卵を買うのをやめた」
I forgot ( ) by the supermarket and so have nothing to eat now.
① to stop
判断のポイント:「スーパーに立ち寄るべきだったのに忘れた」→ やるべきことをやり忘れた → forget to do。
forget doing は「過去にしたことの記憶を忘れる」。② stopping を選ぶと「スーパーに立ち寄ったのにその記憶を忘れた」となり、and以下の「食べるものが何もない」とつじつまが合いません。
「スーパーに立ち寄るのを忘れたので、今は食べるものが何もない」
I'm sorry. I didn't mean ( ) on your foot.
④ to step
判断のポイント:文意は「足を踏むつもりはなかった」。mean to do =「〜するつもりである」。
mean doing は「〜することを意味する」。② stepping を選ぶと「足を踏むことを意味しなかった」という意味になり不自然です。
「ごめんなさい。あなたの足を踏むつもりはなかったんです」