動名詞とは、動詞に -ing をつけて「〜すること」という名詞の働きをさせたもの。
主語・目的語・補語・前置詞の目的語として、文のあらゆる位置で活躍します。
ネイティブが動名詞に感じる「躍動感・リアリティ」の感覚を掴みましょう。
英語には、動詞に -ing をつけるだけで名詞の働きをさせる便利なしくみがあります。 これが動名詞です。
動詞だけでなく、動詞を中心とするフレーズがひとまとまりの「パッケージ」として名詞の役割を果たします。
動名詞は文中で主語・目的語・補語・前置詞の目的語として使われます。 to不定詞の名詞的用法と似た働きですが、ニュアンスには大きな違いがあります。
動詞 -ing 形のイメージは「躍動感」。生き生きとした行為をありありと描写する形です。
同じ「〜すること」でも、to不定詞が「これから」の一般論を指すのに対し、動名詞は具体的にその行為が起きている(起きた)リアルな感覚を伴います。
この「動き」の感覚こそが、動名詞と to不定詞を分けている核心です。
1. 主語:Swimming is good exercise.(泳ぐことはよい運動だ)
2. 目的語:I enjoy swimming.(泳ぐことを楽しむ)
3. 補語:My hobby is swimming.(趣味は泳ぐことだ)
4. 前置詞の目的語:I'm good at swimming.(泳ぐことが得意だ)
動名詞を主語の位置に置くと、「〜することは」という意味になります。 to不定詞の名詞的用法と同じ使い方ですが、ニュアンスが異なります。
動名詞(Making new friends is ...):転校先で実際に友だちを作ろうとしている場面が思い浮かぶ。具体的なできごとを想起させる。
to不定詞(To make new friends is ...):「新しい友だちを作るということは一般的に」という、抽象的・一般論的なニュアンス。
日本語訳ではどちらも「〜すること」で十分ですが、ネイティブはこの違いを感じ取っています。
動名詞(句)が主語になるとき、三人称単数扱いになります。述語動詞に -s をつけ忘れないようにしましょう。
✕ 誤:Missing the bus mean waiting for half an hour.
✓ 正:Missing the bus means waiting for half an hour.
動名詞は動詞の目的語としてもよく使われます。 ただし、動名詞しか目的語にとれない動詞がある点に注意が必要です。
enjoy(楽しむ)/ finish(終える)/ stop(やめる)/ mind(嫌がる)/ avoid(避ける)/ deny(否定する)/ admit(認める)/ consider(よく考える)/ imagine(想像する)/ suggest(提案する)/ practice(練習する)/ postpone(延期する)/ give up(あきらめる)
これらの動詞に共通するのは、「具体的な行為がリアルに存在している」ことを前提にしている点です。
「楽しむ」「終える」「やめる」「避ける」── どれもすでに行われている(行われた)行為があって初めて成り立つ動詞です。
だからこそ、「躍動感・リアリティ」のイメージをもつ -ing 形がピッタリなのです。
一方、to不定詞がとる動詞(hope, decide, promise など)は「これからすること」に目が向いています。詳しくは次の記事(G-6-2)で扱います。
Would you mind doing ...? の直訳は「〜することを嫌だと思いますか?」。そこから「〜していただけますか」という丁寧な依頼になります。
Would you mind my doing ...? は「私が〜してもよいですか」と許可を求める表現。my は動名詞の意味上の主語です。
be動詞の後ろに動名詞を置くと、「〜することだ」という補語になります。
「be動詞 + -ing」は進行形にも見えるので、文脈で判断する必要があります。
My hobby is collecting stamps.(動名詞 = 補語:趣味は集めること)
I am collecting stamps.(現在分詞 = 進行形:集めているところ)
前置詞の後ろには名詞がきます。動名詞は名詞の働きをするので、前置詞の後ろに置くことができます。 to不定詞は前置詞の目的語にはなれません。これは入試で非常に重要なポイントです。
前置詞の目的語に使えるのは名詞か動名詞のみ。to不定詞は使えません。
✕ 誤:He is fond of to play soccer.
✓ 正:He is fond of playing soccer.
「誰がその行為をするのか」を明示したいとき、動名詞の前に所有格または目的格を置きます。 これを動名詞の意味上の主語と呼びます。
所有格(my / his / the student's など)または目的格(me / him / the student など)を動名詞の前に置く。
所有格はフォーマル、目的格はカジュアルな場面で好まれる。
一般的な内容:Making cookies is a lot of fun.(クッキーを作るのはとても楽しい)→ 誰がやっても同じ内容なので不要。
動作主が明確:Would you mind turning the TV off?(テレビを消してくれますか)→ 消すのは当然 you なので省略可。
一方、Would you mind my turning the TV off? は「私が消してよいか」と動作主を強調。ここでは省略できない。
動名詞を否定するときは、動名詞の直前に not を置きます。
述語動詞が表す時点よりも前のことを動名詞で表すとき、having + 過去分詞(完了動名詞)を使います。
完了動名詞:having + 過去分詞(「〜したこと」= 述語動詞より前の出来事)
否定の完了動名詞:not having + 過去分詞(「〜しなかったこと」)
「〜されること」を表すには、being + 過去分詞を使います。
need / want に動名詞が続くと、「〜される必要がある」という受動の意味になります。
My computer needs fixing. = My computer needs to be fixed.(修理される必要がある)
✕ 誤:My computer needs being fixed.(being は不要)
動名詞の基本を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. 動名詞と to不定詞の「ニュアンスの違い」を一言で説明してください。
Q2. 次の英文の誤りを正してください。
He is fond of to play soccer.
Q3. 完了動名詞の否定形の正しい語順はどれですか。
A) having not done B) not having done
Q4. 次の英文を和訳してください。
Would you mind my sitting here?
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
He is fond of ( ) soccer.
③ playing
判断のポイント:前置詞 of の後ろには名詞の働きをする語句が来ます。
to不定詞(① to play)は前置詞の目的語にはなれません。動名詞 ③ playing が正解です。
「彼はサッカーをするのが好きだ」
When I had dinner with Tom, I got angry at ( ) on his cell phone throughout the meal.
③ his talking
判断のポイント:前置詞 at の後ろには文(SV)を直接続けることはできません。
前置詞の目的語として動名詞 talking を使い、その意味上の主語を所有格 his で示した ③ his talking が正解です。①② は文(SV)なので不可、④ は主格 he で意味上の主語を表すことはできないので不可。
「トムと食事をしたとき、その間ずっと彼が携帯電話で話していたことに腹を立てた」
I am ashamed ( ) kind to the old woman on the train.
④ of not having been
判断のポイント:2つの時間のずれと、否定語の語順がポイントです。
「恥じている(現在)」と「親切にしなかった(過去)」は時間がずれているので完了動名詞(having been)を使います。さらに否定語 not は動名詞の直前に置くので、前置詞 of の直後に not が来ます。
正しい語順は of not having been(④)です。
「電車の中で老婦人に親切にしなかったことを恥じている」