will は単なる「未来」の記号ではありません。「こうするぞ」という意志、「きっとそうだろう」という予測、そして習性まで ── will の世界は広い。
過去形 would になると、丁寧さや仮定の「距離感」まで加わります。
would rather と had better も含め、will / would の全体像を掴みましょう。
will と聞いて最初に思い浮かぶのは「未来」でしょう。しかし will は「未来専用」の単語ではありません。 will の本質は、主語の内側から湧き出る「意志の力」にあります。 「こうなるだろう」と見通す力、「こうするぞ」と決断する力 ── それが will のコアイメージです。
will のイメージは「見通す」。まだ見ぬできごとを見通す意識がこの単語の中心です。
これからを見通せば予測(〜だろう)、これからを見通して何かを実現しようとすれば意志(〜するよ)、そして「必ずそうなる」と見通せば法則・習性(〜するものだ)となります。
すべての用法が「主語が『そうなる』方向に向かう力」という1つのイメージでつながっています。
「明日は雨だろう」と言うとき、日本語では単なる天気予報のように聞こえます。しかし英語の It will rain tomorrow. には、話し手が「きっとそうなる」としっかり見通している感覚があります。
will が未来によく使われるのは、未来について「〜だろう」と予測したり「〜するよ」と意志を示す場面が多いから。ただそれだけのことです。
will は「未来形を作る記号」ではなく、話し手の確信や意志を表す助動詞なのです。
1. 意志:「〜するつもりだ / 〜するよ」── その場で決断して行動する意志を表す
2. 予測:「〜だろう / 〜でしょう」── 確信をもった予測・推量を表す
3. 習性・法則:「〜するものだ」── 必ずそうなる性質・傾向を表す
意志の will は、「その場でカチッと決断する」感覚で使います。 相手が困っているのを見て「手伝ってあげるよ」、「財布を忘れた」と言われて「お金を貸すよ」── そうした即座の意志決定がポイントです。
will の「意志」は、モノにも擬人的に使えます。
This door won't open.(このドア、開かないんですよ)── ドアに「開こうとしない」という強固な意志があるかのような表現。
My car won't start.(車のエンジンがかかりません)── 何度やっても動こうとしない、というニュアンスです。
予測の will は、話し手が「きっとそうなる」と確信しているときに使います。 「〜だろう」「〜でしょう」と訳しますが、日本語の訳語よりもはるかに強い確信を示す点に注意してください。
「必ずそうなる」と見通せるもの ── それは法則です。 「事故は起こるものだ」「彼女はよく何時間もピアノを弾く」のように、一般的な法則や人の習慣的な傾向を表すのにも will が使われます。
| 用法 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 意志 | 〜するよ / 〜するつもりだ | I'll help you. |
| 予測 | 〜だろう / 〜でしょう | It will rain tomorrow. |
| 習性・法則 | 〜するものだ | Accidents will happen. |
would は will の過去形です。したがって、まず過去の意志・習慣を表すのは自然な流れです。
しかし、英語の過去形には「時間的距離」だけでなく「心理的距離」を表す力があります。will を would にずらすことで、断言の強さから離れ、控え目で丁寧な表現になるのです。
would の用法は大きく2系統:1. 過去のこと(意志・習慣) / 2. 距離感(丁寧・仮定法・控え目な推量)
1. 過去の習慣:「よく〜したものだ」── 過去に繰り返し行った動作を懐かしむニュアンス
2. 丁寧な依頼:「〜していただけますか」── Will you ...? より距離をとった丁寧表現
3. 控え目な推量:「〜だろうなあ」── will の断言を弱めた控え目な表現
4. 仮定法:「〜するだろうに」── 現実との距離を表す(仮定法過去の主節)
「過去の習慣」を表す表現には used to と would の2つがありますが、使い分けに注意が必要です。
○ My sister used to live in Chicago.(姉はかつてシカゴに住んでいた ── 状態)
✕ My sister would live in Chicago.(状態動詞 live に would は不自然)
○ He would often visit us.(彼はよく私たちを訪ねてくれたものだ ── 動作)
used to は「過去の状態」にも「過去の動作の繰り返し」にも使えますが、would は動作動詞にしか使えません。また used to には「今はもう違う」という現在との対比がありますが、would にはその意識はありません。
| used to | would | |
|---|---|---|
| 過去の動作の繰り返し | ○ 使える | ○ 使える |
| 過去の状態 | ○ 使える | ✕ 使えない |
| 「今はもう違う」の含み | ○ ある | ✕ ない |
would rather と had better はどちらも助動詞のカタマリとして使われ、直後に動詞の原形が続きます。 似ているようで意味は大きく異なるので、しっかり区別しましょう。
would rather + 原形:「(むしろ)〜したい / 〜する方がいい」── 話し手の好み・希望
would rather do ... than do ~:「〜するよりも(むしろ)…したい」
had better + 原形:「〜した方がよい」── 忠告・警告のニュアンス
had better は日本語では「〜した方がいい」と穏やかに訳されますが、英語では「さもなければ問題や危険を招くだろう」という切迫したニュアンスがあります。
✕ 不適切:先生に向かって You had better check the report.(失礼に聞こえる)
○ 適切:控えめに忠告するなら (I think) you should check the report.
You had better ... は「〜しなさい、さもないと…」に近い、上から下への忠告です。目上の人や丁寧な場面では should を使いましょう。
would rather のあとに主語の異なる節が続く場合、仮定法が使われます。入試で狙われるポイントです。
S would rather S' did ...(仮定法過去):「S は S' に〜してほしいのだが」
S would rather S' had done ...(仮定法過去完了):「S は S' に〜してほしかったのだが」
例:I would rather you didn't tell anyone.(誰にも言わないでほしいのですが)
will / would を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. 次の文の will はどの用法(意志・予測・習性)ですか。
Accidents will happen.
Q2. used to と would の違いを説明してください。
Q3. had better が目上の人に使いにくい理由を説明してください。
Q4. 次の英文の誤りを正してください。
I would rather not to go there.
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
You had better ( ) a doctor as soon as possible.
① see
判断のポイント:had better は1つの助動詞のカタマリとして扱い、直後に動詞の原形を続けます。
to不定詞(② to see)や動名詞(③ seeing)ではなく、原形の ① see が正解です。
「できるだけ早く医者に診てもらった方がいいですよ(さもないと悪化する)」
Peter would rather stay home than ( ) to the movies.
② go
判断のポイント:would rather do ... than do ~ の形に注目します。
would rather の後に原形 stay が来ているので、than の後にも動詞の原形が来ます。② go が正解です。
「ピーターは映画に行くよりも家にいたい」
You ( ) tell anyone about this. It's confidential.
② had better not
判断のポイント:had better の否定形は had better not + 原形 です。
had better を1つの助動詞のカタマリと考え、否定語 not をその直後(better の直後)に置きます。① had not better のように had と better の間に not を入れるのは誤りです。
「このことは誰にも言わない方がいいですよ。機密事項ですから(言ったら問題になる)」