May I ...? は丁寧に許可を求める表現。It may rain. は推量を表す表現。
一見バラバラに見える2つの用法ですが、根っこは同じ「自由に開かれた可能性」という感覚です。
mayのコアイメージを掴めば、許可も推量も may well も、すべてが一本の線でつながります。
助動詞 may には「許可」と「推量」という2つの主要な意味があります。 日本語の参考書ではこれらを別々に暗記させがちですが、 ネイティブの頭の中ではひとつの感覚から自然に生まれています。
may の核心にあるのは「道が開いている」「制限されていない」というイメージです。
この「開かれた状態」が、場面に応じて2つの意味を生みます。
許可:「あなたがそうする道は開いていますよ」→ 〜してもよい
推量:「その可能性への道は開いている」→ 〜かもしれない
根っこはどちらも同じ──「可能性が開かれている」という一点です。
英語のネイティブスピーカーが may を使うとき、許可と推量を「別物」とは意識していません。
許可の場面:話し手が相手に対して「その方向に進んでいいよ」と道を開く。You may go. = 「行く道を開いてあげる」
推量の場面:話し手が状況を見て「その方向もありうる」と可能性が開いていることを述べる。It may rain. = 「雨が降る可能性は開いている」
may は can のような「能力・実力」ではなく、must のような「圧力・強制」でもありません。ただ静かに「開いている」だけ── それが may の感覚です。
この「開かれた可能性」のイメージを持っておけば、以降のセクションで登場する 許可・推量・慣用表現のすべてを、ひとつの感覚から理解することができます。
may の「許可」用法は、話し手が相手に対して行為への道を開いてあげる感覚です。 「〜してもよい」「〜してもよろしいですか」という意味で使われます。
May I + 動詞の原形 ...?(〜してもよろしいですか)── 許可を求める
You may + 動詞の原形 ...(〜してもよい)── 許可を与える
may not + 動詞の原形(〜してはいけない)── 不許可
どちらも許可を求める表現ですが、ニュアンスが異なります。
May I ...?:フォーマル。目上の人、初対面、公式な場面向き。「〜してもよろしいでしょうか」
Can I ...?:カジュアル。友人、家族、くだけた場面向き。「〜していい?」
入試の英作文や面接では May I ...? を使うのが無難です。
なお、厳密な文法書では「can は能力だから許可には使えない」と書かれることがありますが、現代英語では口語での Can I ...? は完全に定着しています。
may not と don't have to はまったく意味が違います。
✕ 混同注意:You may not leave. = 「出て行ってはいけない」(禁止)
○ 区別:You don't have to leave. = 「出て行かなくてもよい」(不必要)
may not は「道を閉じる」= 禁止です。一方、don't have to は「義務がない」だけで、道は開いています。
may の推量用法は、「〜かもしれない」「〜という可能性がある」という意味です。 may のコアイメージ「開かれた可能性」がそのまま現れた用法で、 「そうなる道が開いている(= ありうる)」という話し手の判断を表します。
S + may + 動詞の原形(〜かもしれない)── 現在・未来の推量
S + may have + 過去分詞(〜だったかもしれない)── 過去の推量
| 助動詞 | 確信度 | イメージ | 例 |
|---|---|---|---|
| must | 約90% | 「〜に違いない」 | He must be tired. |
| may | 約50% | 「〜かもしれない」 | He may be tired. |
| might | 約30% | 「ひょっとすると〜」 | He might be tired. |
| can | 理論的可能性 | 「〜ということもありうる」 | Anyone can make mistakes. |
推量の may not と must not は否定の仕方がまったく異なります。
may not = 「〜ではないかもしれない」(可能性の否定 → 部分否定的)
must not(推量) = 「〜ではないに違いない」(強い否定の推量) ※ただし must not は「禁止」の意味で使われることが多い
cannot = 「〜のはずがない」(可能性の全否定)
He may not be at home. = 「家にいないかもしれない」(いない可能性もある)
He cannot be at home. = 「家にいるはずがない」(いる可能性を全否定)
推量の否定を強めたいときは cannot を使います。may not は「あくまで可能性のひとつ」にすぎません。
might は may の過去形ですが、推量の用法では時制の違いではなく確信度の違いを表します。
may:「〜かもしれない」── 可能性がそこそこある
might:「ひょっとすると〜かもしれない」── mayより可能性が低い・控え目
might は may を「過去方向にずらす」ことで「距離感」を出した形です。仮定法と同じ原理(G-10参照)で、距離をとることにより、確信度が下がった控え目な表現になります。
may を使った慣用表現のうち、入試で特に重要なのが may well と may (just) as well です。 見た目は似ていますが、意味はまったく異なるので注意しましょう。
may well + 動詞の原形 ──(2つの意味あり)
① 「〜するのももっともだ」(当然の判断)
② 「おそらく〜だろう」(推量の強調)
may (just) as well + 動詞の原形
「〜した方がいい」「〜するのと同じだ」(消極的な提案・比較)
may well:may(開かれた可能性)+ well(十分に)= 「可能性が十分にある」→ 「もっともだ / おそらくそうだろう」
may as well:may(してもよい)+ as well(同様に)= 「〜しても同じだ」→ 「(どうせなら)〜した方がいい」
may well は肯定的な強調、may as well は消極的な提案。ここが最大の違いです。
入試では well と as well を読み間違えるミスが頻発します。
✕ 誤:may well = 「〜した方がいい」
○ 正:may well = 「〜するのはもっともだ / おそらく〜だろう」
○ 正:may as well = 「〜した方がいい」(消極的)
as の有無で意味が変わることに注意。問題文を慎重に読みましょう。
mayの用法を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. mayの核心イメージを一言で言うと何ですか。
Q2. 次の2文の意味の違いを説明してください。
(a) He may not come. / (b) He cannot come.
Q3. may well と may as well の違いを説明してください。
Q4. 次の英文を日本語に訳してください。
She may have forgotten about the meeting.
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
It ( ) rain this afternoon, so you should take an umbrella.
② may
判断のポイント:後半の so you should take an umbrella(だから傘を持っていくべきだ)から、「雨が降る可能性がある」という推量の意味が求められています。
「〜かもしれない」という推量には may を使います。must だと「降るに違いない」と確信度が高すぎ、will だと「降るだろう」と断定的すぎます。
「今日の午後は雨が降るかもしれないので、傘を持っていくべきだ。」
You ( ) be surprised at the news. It was really shocking.
① may well
判断のポイント:後半の It was really shocking.(本当に衝撃的だった)から、「驚くのは当然だ / もっともだ」という文脈です。
may well = 「〜するのももっともだ」が適切。may as well は「〜した方がいい」(消極的提案)で文脈に合いません。
「そのニュースに驚くのももっともだ。本当に衝撃的だったのだから。」
次の英文の下線部に誤りがある場合、正しく直しなさい。誤りがなければ「正しい」と答えなさい。
She may have not finished her homework yet.
may have not finished → may not have finished
判断のポイント:助動詞 + have + 過去分詞の否定形では、not は助動詞の直後に置きます。
✕ 誤:may have not finished(have と過去分詞の間に not を置いてしまっている)
○ 正:may not have finished(助動詞 may の直後に not)
「彼女はまだ宿題を終えていないかもしれない。」
助動詞の否定は常に「助動詞 + not」の語順。これは may / must / should / could すべてに共通するルールです。