英語には not や no を使わずに否定の意味を表す表現が数多くあります。
"She is the last person to betray you." は「彼女に限って裏切ることは絶対ない」。
また、否定語が2つ重なる二重否定は結果的に肯定を強調する表現です。入試頻出の表現を総まとめしましょう。
the last + 名詞 + 関係詞節 / to do は、直訳すると「...する可能性の順位が最後の(名詞)」。 そこから「最も...しそうにない(名詞)」「まず...しない(名詞)」という否定を強調する意味になります。
「...する順番の最後」ということは、つまり実質的に「...することはまずない」ということ。last が持つ「最後」の意味が否定的なニュアンスを生んでいます。
anything but A と far from A はどちらも「決してAではない」を表します。 not / no を含まないのに否定の意味をもつ重要表現です。
anything but A:「決してAではない」(= not A at all)
nothing but A:「Aだけ / Aにすぎない」(= only A)
far from A:「決してAではない / Aからほど遠い」(= anything but A)
この2つは意味が正反対です。混同しないように注意しましょう。
anything but A = 「決してAではない」(否定)
nothing but A = 「Aだけ / Aにすぎない」(限定)
He is anything but a fool. = 「彼は決して愚か者ではない」
He is nothing but a fool. = 「彼はただの愚か者にすぎない」
from を使った否定表現には free from A(Aがない)もあります。
I want to live in a place free from crime.「犯罪のない場所で暮らしたい」
have yet to do と be yet to do は「まだ...していない」という否定の意味を表します。 yet が「まだ(...ない)」を意味し、to do が「これから...する」を表しています。
have yet to do:「まだ...していない」
be yet to do / be yet to be done:「まだ...していない / まだ...されていない」
remain to be done:「まだ...されていない」
more ... than S can do は「Sが...できるよりも多い」が直訳。 そこから「Sが...できないほど」という否定的な意味になります。than 以下は肯定文ですが、日本語訳では否定的に訳すのがポイントです。
否定語や否定表現が1つの文に2つ重なると、否定同士が打ち消し合い、結果的に肯定の意味を強調します。 これが二重否定です。
二重否定は単なる肯定ではなく、肯定を強調する表現です。
It's not impossible.(不可能ではない = 十分可能だ)
He never comes without bringing a present.(プレゼントを持たずに来ることはない = 必ず持ってくる)
not + 否定の接頭辞(im- / un- / in- など):not impossible = 可能だ
never ... without doing:「...すると必ず~する」
cannot ... without doing:「...すると必ず~する」
never ... but SV:「...すれば必ず~する」(but = ~しないで)
not ... without ...:「...なしで...しない = 必ず...する」
二重否定は「...しないで...することはない」という直訳をまず作り、そこから「...すると必ず~する」と肯定的に言い換えるとスムーズに訳せます。
never ... without doing → 「~しないで...することは決してない」→「...すると必ず~する」
Q1. "She is the last person to betray you." を日本語に訳してください。
Q2. anything but A と nothing but A の意味の違いを説明してください。
Q3. "I never read this book without finding a new meaning." を肯定的な日本語に訳してください。
Q4. have yet to do はどのような意味を表しますか。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
"I saw Penny at the lecture this afternoon."
"Yeah. I was very surprised to see her. She was the ( ) person I expected to see there."
① last
判断のポイント:「そこで会うとはまったく思っていなかった」という否定的な意味を表す表現。
the last person I expected to see で「最も会うと思っていなかった人」。very surprised(とても驚いた)という文脈にも合います。
「今日の午後の講義でペニーを見かけたよ」「ああ。彼女を見てすごく驚いたよ。そこで会うとはまったく思っていなかったからね」
The new film proved to be ( ) but a failure. It was an instant success the world over.
① anything
判断のポイント:後続の文「世界中で瞬く間に成功を収めた」から、失敗ではなかったことがわかる。
anything but a failure で「決して失敗作ではない」。③ nothing but a failure だと「ただの失敗作にすぎない」となり文脈に矛盾します。
次の日本語の意味になるように、( ) 内の語を並べ替えなさい(1語不要)。
「私はこの本を読むたびに新しい意味を発見します。」
I (always / book / finding / meaning / never / new / read / this / without / a) in it.
I never read this book without finding a new meaning in it.(always が不要)
判断のポイント:「...するたびに~する」は二重否定の never ... without doing で表す。
never read this book without finding a new meaning =「新しい意味を発見しないでこの本を読むことは決してない」= 「読むたびに新しい意味を発見する」。always は不要語。