「誰が?」「いつ?」「どこで?」── 相手から情報を引き出すには、疑問詞が不可欠です。
疑問詞は「知りたい情報の種類」を指定するマーカー。この仕組みを理解すれば、
どんな疑問文も自在に組み立てられるようになります。
英語の疑問文は、助動詞(または be動詞)を主語の前に送ることで作られます。 つまり本来の語順が崩され、「倒置」した形になっているのです。
英語は「語順のことば」です。配置を変えるときには、必ず話者の意図があります。
主語と助動詞を入れ替える倒置は、感情の動きに伴って現れる形です。「教えて・知りたい」と気持ちが動く疑問文がこの形をとるのは、ごく自然なことなのです。
この基本を踏まえた上で、疑問詞を加えると、Yes / No では答えられない、具体的な情報を引き出す疑問文が作れます。 「誰が?」「何を?」「いつ?」── 疑問詞は、求めている情報の種類を相手に知らせるマーカーです。
疑問代名詞は、名詞の代わりに使われる疑問詞です。 文中の「主語」「目的語」「補語」の位置にある情報を尋ねます。
| 疑問詞 | 意味 | 引き出す情報 |
|---|---|---|
| who | 誰 | 人 |
| what | 何 | モノ・コト |
| which | どちら・どれ | 選択(限られた範囲から) |
| whose | 誰の | 所有 |
疑問詞 + 疑問文の語順(助動詞 + S + V ...)+ 空所
1. 尋ねたい情報の種類を疑問詞で指定
2. 疑問文の形(倒置)を続ける
3. 尋ねたい箇所は空所にする
whom は who の目的格ですが、21世紀の英語では日常的にはほぼ使われなくなっています。目的格であっても圧倒的に who が使われます。
ただし、前置詞の直後では whom を避けられません:To whom did you send the email?
このような形は非常にフォーマルであり、会話ではほとんど使われません。
疑問副詞は、文中の修飾語句(時・場所・理由・方法)の部分を尋ねます。 疑問代名詞が「主語・目的語・補語」を尋ねたのに対し、疑問副詞は「副詞的な情報」を引き出します。
| 疑問詞 | 意味 | 引き出す情報 |
|---|---|---|
| when | いつ | 時 |
| where | どこ | 場所 |
| why | なぜ | 理由 |
| how | どのように | 方法・程度・様子 |
前置詞の目的語を尋ねるときは、前置詞が文末に残るのが一般的です。 フォーマルな場面では前置詞を疑問詞の前に繰り上げることもできます。
疑問詞を使った疑問文の基本イントネーションは文末を下げる(下降調)です。
Yes/No 疑問文のように文末を上げるのではないので注意しましょう。
ただし、相手の発言を聞き返す場合は文末が上がります:What? What did you say?
疑問詞で主語を尋ねる場合は、特別な注意が必要です。 この場合、倒置は起こりません。疑問詞をそのまま主語の位置に置くだけで疑問文が完成します。
疑問詞(= 主語)+ 動詞 + ...
疑問詞が主語の位置に入るため、入れ替える相手(主語)がなく、倒置が起こらない。
倒置とは「主語と助動詞を入れ替える」操作です。ところが、主語を尋ねる文では、主語の位置がまさに空所になっています。
入れ替える主語がなければ、倒置のしようがありません。だから Who told you that? のように、平叙文と同じ語順になるのです。
次の2つの文の違いを区別できますか?
Who called Mary? ─ 「誰がメアリーに電話したの?」(主語を尋ねる → 倒置なし)
Who did Mary call? ─ 「メアリーは誰に電話したの?」(目的語を尋ねる → 倒置あり)
疑問詞が尋ねているのが主語か目的語かで、語順がまったく異なります。
疑問詞は、ほかの語と自由に組み合わせて「大きな疑問詞」を作ることができます。 まとめて文頭に置き、通常の疑問詞と同じように使います。
| 大きな疑問詞 | 意味 | 引き出す情報 |
|---|---|---|
| How old | 何歳 | 年齢 |
| How tall | どのくらいの身長 | 身長 |
| How much | いくら / どのくらい | 量・金額 |
| How many + 名詞 | いくつの〜 | 数 |
| How often | どのくらいの頻度で | 頻度 |
| How far | どのくらいの距離 | 距離 |
| How long | どのくらいの長さ・時間 | 時間の長さ・物の長さ |
| How soon | あとどのくらいで | 残り時間 |
| What kind of + 名詞 | どんな種類の〜 | 種類 |
この2つは非常に紛らわしいので、答え方で区別しましょう。
How long will it take? ─ An hour.(1時間。= 長さ)
How soon will it start? ─ In an hour.(1時間後に。= 残り時間)
How long は「どのくらいの時間」(長さ)、How soon は「あとどのくらいで」(残り時間)です。
疑問詞の基本を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. 疑問代名詞と疑問副詞の違いを簡潔に説明してください。
Q2. 主語を尋ねる疑問文で倒置が起こらないのはなぜですか。
Q3. How long と How soon の違いを、それぞれの答え方の例とともに説明してください。
Q4. 次の2文の意味の違いを説明してください。
(a) Who did you call? / (b) Who called you?
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
( ) did you spend your summer vacation?
② How
判断のポイント:文の要素がそろっているかを確認します。
you(S) spend(V) your summer vacation(O) という文構造で、主語・動詞・目的語はすべてそろっています。欠けているのは「どのように」という修飾語句です。
疑問代名詞(Who / What / Which)は名詞の位置を尋ねるものですが、本問では名詞は欠けていません。「方法・様子」を尋ねる疑問副詞 How が正解です。
「夏休みをどのように過ごしましたか?」
( ) does it take to go from this hotel to the airport?
③ How long
判断のポイント:it takes ... to do の構文に注目します。
How long does it take (A) to do ...? は「(Aが)...するのにどのくらいの時間がかかりますか」という定番表現です。It takes + 時間 + to do ... の「時間」を尋ねています。
① How far は「距離」、② How soon は「残り時間(あとどのくらいで)」、④ How often は「頻度」を尋ねるので不適切です。
「このホテルから空港に行くのにどのくらい時間がかかりますか?」
( ) makes you think so?
③ What
判断のポイント:makes が三人称単数形であることに注目します。
空所に入る疑問詞が主語を尋ねている場合、倒置は起こりません。What makes you think so? は「何があなたにそう思わせるのですか?」という意味で、What が主語です。
主語を尋ねる疑問詞は単数扱いなので、動詞に三単現の -s がつき makes となっています。② What does とすると does makes と助動詞が重複してしまうので不可です。