日本語の「好きではない」は文の最後に否定が来ますが、英語では not like と前に置きます。
この「否定は常に前置き」という英語の大原則を理解すれば、否定文は語順どおりに作れるようになります。
not の位置が変われば意味も変わる──その感覚をこの記事でしっかり身につけましょう。
日本語で「にんじんが好きではない」と言うとき、否定の「ない」は文の最後に来ます。 ところが英語では not like carrots のように、否定語は否定したい内容の前に置かれます。
ネイティブは否定文を作るとき、肯定文を頭に思い浮かべてから not をつけ加えるのではありません。
I don't ...(しないよ)とまず打ち消してしまい、何をしないのかは後からゆっくり付け加えるのです。
英語は「指定ルール」によって修飾語が前に来る言語。not も「そうではない」と後続を否定的に指定する要素なので、前に置かれるのは自然なことなのです。
日本語:「にんじんが好き」+「ではない」→ 否定が後ろ
英語:not +「like carrots」→ 否定が前
英語の否定は常に前置き。この語順感覚を体に染み込ませることが、否定文マスターの第一歩です。
文全体を否定する否定文の作り方は、大きく分けて3パターンあります。 いずれもnot を動詞の前に置くという原則は同じです。
1. 助動詞を含む文:助動詞 + not + 動詞の原形
2. 一般動詞の文:do/does/did + not + 動詞の原形
3. be動詞の文:be動詞 + not
will not → won't / must not → mustn't / should not → shouldn't
cannot → can't(短縮されない場合は cannot と1語で綴る)
may not → 短縮形はほぼ使われません。
助動詞を含まない一般動詞の文では、助動詞 do を補って do not(= don't)を動詞の前に置きます。 do が「時」を表すので、動詞は常に原形になります。
学習者にありがちなのが、まず肯定文を思い浮かべ、そこに not をつけ加えるという手順です。
✕ やりがち:I speak English. → I don't speak English.(2段階で考えている)
○ 理想:I don't ... speak English.(最初から「しない」と打ち出す)
ネイティブは語順どおりに否定文を組み立てます。まず否定を前に出す感覚を練習しましょう。
not は文全体を否定するだけでなく、文の一部(語句)を否定することもできます。 not の位置は常に否定したい語句の直前── これが鉄則です。
not は常にその後ろを否定します。位置が変われば否定の範囲が変わり、意味も大きく変わります。
(a) He didn't try to win the match.「試合に勝とうとはしなかった」
(b) He tried not to win the match.「試合に勝たないようにした」
not ... any は「まったく...ない」を表す頻出フレーズです。 any は「どれでもいい・なんでもいい」という選択の自由を表す語。それを not で否定して「どんなものも...ない」となります。
not ... any + 名詞 と no + 名詞 は同じ意味です。
ただし語順に注意:any ... not の語順は不可。not は常に前に来なければなりません。
✕ Anyone didn't believe him.
○ No one believed him. / Nobody believed him.
not は常に前から後ろを否定するため、any が not より前に来ると否定が成立しません。
✕ 誤:Anyone didn't believe him.
○ 正:No one believed him. または Nobody believed him.
「誰も...ない」と言いたいときは、no one / nobody / nothing / none など no 系の語を主語にします。
前の文との重複を避けるために、文の内容を省略して not だけを残すことがあります。 これは会話で非常によく使われるテクニックです。
前の文の内容を否定して受けるときは not、肯定してそのまま受けるときは so を使います。
Will they win? ── I hope so.(勝つといいなあ)
Will they win? ── I hope not.(勝たなければいいなあ)
否定文の基本を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. 英語と日本語の否定文で、否定語の位置にどのような違いがありますか。
Q2. 次の2文の意味の違いを説明してください。
(a) He didn't try to win. / (b) He tried not to win.
Q3. 「僕には友だちが誰もいない」を not ... any を使って英語にしてください。
Q4. "Do you think it will rain?" に対して「降らないといいなあ」と答えるときの表現は?
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
He ( ) speak English very well.
② doesn't
判断のポイント:speak は一般動詞で、主語 He は三人称単数。
一般動詞の否定文は do/does/did + not + 動詞の原形の形をとります。主語が三人称単数現在なので、② doesn't(= does not)が正解です。
「彼はあまり上手に英語を話せない」
I told him ( ) the door.
② not to open
判断のポイント:不定詞の否定形は not to do の語順。
tell O to do(Oに...するよう言う)の不定詞部分を否定するには、to の直前に not を置いて not to do とします。② not to open が正解です。
「私は彼にドアを開けないように言った」
次の(a)(b)がほぼ同じ意味になるように、空所に適語を入れなさい。
(a) They do not allow ( ) pets in the store.
(b) ( ) pets are allowed in the store.
(a) any (b) No
判断のポイント:not ... any = no の書き換え問題。
(a) は do not allow any pets(どんなペットも許可しない)。(b) は No pets are allowed(ペットは一切許可されない)。どちらも「その店ではすべてのペットの持ち込みを禁止している」という意味です。