"Not all students passed the exam." は「全員が合格したわけではない」であって「全員が不合格」ではありません。
全否定と部分否定の違いは入試最頻出テーマの1つ。
否定の範囲が「全体」なのか「一部」なのかを正確に見分ける力をつけましょう。
否定には、すべてを否定する全否定と、一部だけを否定する部分否定があります。 この2つの区別は、日本語の「すべて...ない」があいまいなため、特に日本人学習者がつまずきやすいポイントです。
全否定:「どれも/誰も...ない」── 例外なくすべてを否定
部分否定:「すべてが...というわけではない」── 一部は当てはまる
英語では全体を表す語(all, every, both など)と not の組み合わせが部分否定になります。全否定には no / none / neither などの専用語を使います。
G-11-1 で学んだとおり、not は常にその後ろを否定します。
Not all students passed. → all(全員)を否定 →「全員ではない」= 部分否定
No students passed. → students 自体を否定 →「生徒は0人」= 全否定
not が「強い意味の語」(all, every, both, always など)を否定すると、その「強さ」が打ち消されて「部分的に」となるのです。
全否定は「例外なくすべてを否定」するものです。対象が3つ以上の場合と2つの場合で使う語が異なります。
3つ以上の場合:
not ... any / no + 名詞 / none (of A) / nothing / nobody / no one
「すべて...ない / どれも...ない / 何も...ない / 誰も...ない」
2つの場合:
not ... either / neither (+ 単数名詞)
「どちらも...ない」
not A or B は「AもBも...ない」という全否定を表します。
I don't know or care what he said.「彼が何を言ったか知らないし、気にもならない」
= I neither know nor care what he said.
部分否定は、全体を表す語(all, every, both)と not を組み合わせた表現です。 「すべてが...というわけではない」── つまり例外がある、ということを意味します。
3つ以上の場合:
not ... all / not every + 単数名詞 → 「すべてが...というわけではない」
2つの場合:
not ... both → 「両方とも...というわけではない」(一方は当てはまる)
日本語の「すべて...ない」は、全否定にも部分否定にも解釈できてしまいます。英語ではこの2つが明確に区別されます。
全否定:None of the students passed.「生徒は誰も合格しなかった」
部分否定:Not all the students passed.「全員が合格したわけではない」
「not + all/every/both」を見たら部分否定、「no / none / neither」を見たら全否定と判断しましょう。
| 全否定 | 部分否定 | |
|---|---|---|
| 3つ以上 | no + 名詞 / none / nothing / nobody not ... any 「すべて...ない」 |
not ... all / not every + 単数名詞 「すべてが...とは限らない」 |
| 2つ | neither (+ 単数名詞) not ... either 「どちらも...ない」 |
not ... both (+ 複数名詞) 「両方とも...とは限らない」 |
all や every だけでなく、副詞(always, necessarily, completely など)と not を組み合わせても部分否定になります。 これらの副詞はいずれも「強い意味」をもつ語で、not がその強さを打ち消します。
not always:「いつも...とは限らない」
not necessarily:「必ずしも...とは限らない」
not completely [entirely / altogether / wholly / quite]:「完全に...とは限らない」
全否定と部分否定を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. 全否定と部分否定の違いを簡潔に説明してください。
Q2. "Not everyone agreed." を日本語に訳してください。
Q3. 「どちらの答えも正しくない」を英語にしてください。
Q4. not necessarily はどのような意味を表しますか。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
( ) wants to go to the beach in summer.
④ Not everyone
判断のポイント:「だれもが...するわけではない」は部分否定。
述語動詞が wants(三人称単数)なので、単数扱いの ④ Not everyone が正解です。③ Not all は複数扱い(Not all people want ...)なので動詞の形が合いません。
「夏にだれもが浜辺に行きたがるわけではない」
"You can get this sofa in two different colors, tomato red or lemon yellow."
"Well, I don't really like ( ) of the colors. They're too bright."
④ either
判断のポイント:2色の「どちらも好きではない」は2つの全否定。
2つの場合の全否定は not ... either または neither です。空所の前に don't(否定)があるので、④ either が正解。③ both だと「両方とも好きなわけではない=片方は好き」という部分否定になり、「明るすぎる」という後続文と矛盾します。
Watching TV is not ( ) wrong, but it is important for children to form the habit of thinking for themselves.
④ necessarily
判断のポイント:「必ずしも悪いことではない」という部分否定の文脈。
not necessarily で「必ずしも...とは限らない」という部分否定を表します。④ necessarily が正解。but 以下で「しかし子どもにとっては自分で考える習慣が重要」と続くことからも、完全否定ではなく部分否定が適切です。
「テレビを見ることは必ずしも悪いことではないが、子どもにとっては自分で考える習慣を形成することが重要だ」