第1章 文型と語順

SVOC:知覚構文と使役構文
─ 「見る・聞く・感じる」と「させる」の文型

SVOC(第5文型)の中でも、入試で最も問われるのが知覚構文使役構文です。
知覚動詞(see / hear / feel)や使役動詞(make / have / let)のあとに来る補語の形は何か。
「原形」「-ing形」「過去分詞」の3つの選択肢を、ネイティブの感覚から使い分けましょう。

1知覚構文の基本 ─ 「見える・聞こえる・感じる」+ O + C

G-1-1で学んだSVOC(目的語説明型)の応用として、まず知覚構文を学びましょう。知覚動詞(見る・聞く・感じるなどを表す動詞)が、目的語の説明として動詞の原形現在分詞を取る形です。

📏 文法ルール:知覚構文

知覚動詞 + O + 動詞の原形 / 現在分詞(-ing)/ 過去分詞

「Oが〜するのを見る / 聞く / 感じる」

※ 主な知覚動詞:see, hear, feel, watch, listen to, notice, observe
※ 作りはSVOC型とまったく同じ。目的語に「何をしているか」の説明を後ろから加えているだけです。
📝 知覚構文の基本例文
I saw Mary cross the street.
メアリーが通りを渡るのを見た。(一部始終を見た)
Didn't you hear the phone ring?
電話が鳴るのが聞こえなかった?
I felt the building shake.
ビルが揺れるのを感じた。
🧠 ネイティブの感覚:知覚動詞の違い

see:意識せずとも「目に入る」(視覚が向こうからやってくる)

watch:じっと集中して「見る」(動いているものを注視する)

look at:目線を向ける動作(自動型なので知覚構文は取らない)

hear:意識せずとも「聞こえる」(音が向こうからやってくる)

listen to:意識して「耳を傾ける」(listen to + O + 原形/-ing の形を取る)

2知覚構文の補語:原形 vs. -ing形 vs. 過去分詞

知覚構文の補語(C)には3つの形が使えます。それぞれニュアンスが異なり、入試でもこの違いが問われます。

補語の形 ニュアンス 例文
動詞の原形 一部始終(全体を見た/聞いた) I saw her cross the street.
現在分詞(-ing) 途中の一瞬(している最中を見た) I saw her crossing the street.
過去分詞 受動関係(〜されるのを見た) I saw a boy scolded by his father.
💡 ここが本質:原形 = 全体、-ing = 途中の瞬間

原形を使うと、動作の始まりから終わりまでの全過程を知覚したことになります。

-ing形を使うと、動作の途中のワンシーンを写真のように切り取った感覚になります。

I saw her cross the street. → 渡り始めてから渡り終わるまで全部見た

I saw her crossing the street. → 渡っている最中を見かけた

📝 過去分詞を使った知覚構文
I saw a boy scolded by his father.
少年が父親に叱られるのを見た。(a boy と scolded は受動関係)
I heard my name called from behind.
後ろから自分の名前が呼ばれるのが聞こえた。

3使役構文の基本 ─ make / have / let のニュアンス

使役構文は、make / have / let などの使役動詞が、目的語 + 動詞の原形を取るSVOC型の文です。いずれも「〜させる」と訳されますが、それぞれのニュアンスは大きく異なります。

make + O + 原形:強制的に「させる」

🧠 ネイティブの感覚:make = 「力を加えて作り上げる」

make のイメージは「力を加えて作り上げる」。この動詞が使われると、有無を言わさず強制的にそうさせるニュアンスが生まれます。

The movie made me cry. → 映画の力が加わって泣いてしまった(泣かされた)

📝 make + O + 原形
The movie made me cry.
その映画で泣いてしまった。(映画の力で泣かされた)
You can't make him do that.
彼にそんなことを(無理に)させることはできない。

have + O + 原形 / 過去分詞:状況を「持つ」

🧠 ネイティブの感覚:have = 「そうした状況を持つ」

have は「持っている」という動きのない動詞。make のような強制力はまったくありません。単に「そうした状況を have する」だけです。

「〜させる」「〜してもらう」のどちらにも使えます。

📝 have + O + 原形 / 過去分詞
I'll have my sister call you back.
妹に折り返し電話させます。(原形 → 「させる・してもらう」)
I had my hair cut yesterday.
昨日、髪を切ってもらった。(過去分詞 → 受動「〜される状況を持つ」)
I had my purse stolen on the train.
電車で財布を盗まれた。(過去分詞 → 被害「〜される状況を持つ」)
⚠️ 落とし穴:have + O + 過去分詞 は「してもらう」だけではない

have + O + 過去分詞 は文脈によって意味が変わります。

○ 依頼:I had my hair cut.「髪を切ってもらった

○ 被害:I had my purse stolen.「財布を盗まれた

どちらも「O が〜される状況を have した」という構造は同じ。文脈(cut は依頼的、stolen は被害的)で判断します。

let + O + 原形:「許す」「させてあげる」

📝 let + O + 原形
I don't let her go to concerts.
娘をコンサートに行かせない。(行くのを許さない)
Let sleeping dogs lie.
寝た子を起こすな。(ことわざ:寝ている犬はそのままにしておけ)
📏 文法ルール:使役動詞3つの比較

make + O + 原形:強制(有無を言わさず)「〜させる」

have + O + 原形:手配・依頼(状況を持つ)「〜させる / してもらう」

let + O + 原形:許可(手を出さない)「〜させてあげる / するのを許す」

※ 3つとも補語に動詞の原形を取ることが共通点。to はつけません。

4get + O + to不定詞 ─ 第4の「させる」

make / have / let に加えて、get も「させる」の意味で使われます。ただし get は原形ではなくto不定詞を取る点が重要です。

📏 文法ルール:get + O + to不定詞

get + O + to + 動詞の原形:「(働きかけて)〜させる / してもらう」

※ get は「動き」を伴う動詞。お願いや説得によって、目的語を to 以下の行為に「向かわせる」ニュアンス。
※ get + O + 過去分詞(= have + O + 過去分詞 と同じ意味)の形もあります。
📝 get + O + to不定詞
I'll get my mom to pick us up.
お母さんに車で迎えに来てもらいます。
I got him to help me with my homework.
彼に宿題を手伝ってもらった。(お願いして助けてもらった)
🔬 ワンポイント:原形 vs. to不定詞 のまとめ

原形を取る:make / have / let + O + 原形、知覚動詞 + O + 原形

to不定詞を取る:get / tell / ask / want / allow / force + O + to do

入試では「make と get の補語の形の違い」が特に頻出です。make は原形、get は to不定詞と確実に覚えましょう。

5受動態での変化 ─ 原形が to不定詞に戻る

知覚構文・使役構文を受動態にすると、補語の原形不定詞がto不定詞に変わるという重要なルールがあります。

📏 文法ルール:受動態では原形 → to不定詞

能動態:I saw him cross the street.

受動態:He was seen to cross the street.

能動態:She made me do it.

受動態:I was made to do it.

※ let は受動態にする場合、be allowed to do の形に書き換えるのが普通です。
※ have は使役の意味では受動態にしません。
📝 受動態での変化
He was seen to cross the street.
彼が通りを渡るのが目撃された。
I was made to do it by my teacher.
先生にそれをさせられた。
⚠️ 落とし穴:受動態で to を忘れる

能動態では原形を使うため、受動態にしたときに to を入れ忘れるミスが頻出します。

✕ 誤:I was made do it.

○ 正:I was made to do it.

受動態では必ず to が復活します。入試では「受動態 + to不定詞」の形が狙われます。

6つながりマップ

知覚構文・使役構文を学んだら、次のトピックへ進みましょう。

  • → G-1-3 主語と動詞の一致:主語が複雑な場合に動詞の形をどう合わせるか。文型の次に押さえるべき重要テーマです。
  • → G-4 受動態:知覚構文・使役構文の受動態は入試頻出。受動態の章でさらに詳しく学びましょう。
  • → G-5 不定詞:to不定詞を補語に取る構文(tell / ask / want + O + to do)は不定詞の章で掘り下げます。
  • → G-7 分詞:知覚構文の -ing / 過去分詞は分詞の知識と直結します。分詞の章も参照してください。

📋まとめ

  • 知覚構文:知覚動詞(see / hear / feel / watch)+ O + 原形 / -ing / 過去分詞
  • 原形 = 動作の全過程を知覚、-ing = 途中の瞬間を切り取り、過去分詞 = 受動関係
  • 使役構文:make(強制)/ have(手配)/ let(許可)+ O + 原形
  • get は to不定詞を取る:get + O + to do(お願いして〜させる)
  • have + O + 過去分詞 は「してもらう」と「被害」の2つの意味がある
  • 受動態にすると原形 → to不定詞に変わる(was seen to do / was made to do)

確認テスト

Q1. 知覚構文で「原形」と「-ing形」を使い分けるポイントを説明してください。

▶ クリックして解答を表示原形は動作の一部始終(全過程)を知覚したとき、-ing形は動作の途中の一瞬(進行中のワンシーン)を知覚したときに使う。例:I saw her cross the street.(渡り切るまで見た)/ I saw her crossing the street.(渡っている途中を見かけた)

Q2. make / have / let のニュアンスの違いを簡潔に説明してください。

▶ クリックして解答を表示make = 強制(有無を言わさず〜させる)。have = 手配・依頼(そうした状況を持つ)。let = 許可(〜するのを許す・させてあげる)。三者とも O + 原形 を取る。

Q3. get が make / have / let と異なる点は何ですか。

▶ クリックして解答を表示get は原形ではなく to不定詞を取る。get + O + to do の形。「お願いや説得によって〜させる / してもらう」というニュアンス。

Q4. 次の能動態を受動態にしてください。
They made him wait for two hours.

▶ クリックして解答を表示He was made to wait for two hours (by them). 受動態にすると、原形 wait が to不定詞 to wait に変わる。受動態で to を忘れないこと。

9入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

1-2-1 A 基礎 使役構文 空所補充

My mother made me (  ) my room before going out.

  • ① clean
  • ② to clean
  • ③ cleaning
  • ④ cleaned
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

① clean

解説

判断のポイント:使役動詞 make は「make + O + 動詞の原形」の形を取ります。

make は「力を加えて作り上げる」イメージで、強制的に「〜させる」の意味。me(O) + clean(C:原形) で「私に掃除させた」。to不定詞(② to clean)は不可です。

「母は外出前に私に部屋を掃除させた」

B 発展レベル

1-2-2 B 発展 知覚構文 空所補充

I heard my name (  ) from behind.

  • ① call
  • ② calling
  • ③ called
  • ④ to call
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

③ called

解説

判断のポイント:my name と call の関係に注目します。名前は「呼ぶ」のではなく「呼ばれる」ものです。

my name(O) と called(C) は受動関係にあるため、過去分詞 ③ called が正解です。「自分の名前が後ろから呼ばれるのが聞こえた」。

もし ① call(原形)を選ぶと、name が自分で呼ぶことになり、意味が成り立ちません。

C 応用レベル

1-2-3 C 応用 使役構文の受動態 空所補充

The students were made (  ) the classroom after school.

  • ① clean
  • ② to clean
  • ③ cleaning
  • ④ cleaned
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② to clean

解説

判断のポイント:were made に注目。make の受動態です。

能動態:The teacher made the students clean the classroom.(原形)

受動態:The students were made to clean the classroom.(to不定詞に変わる)

使役動詞 make の受動態では、原形が to不定詞に戻ります。② to clean が正解。

「生徒たちは放課後に教室を掃除させられた」

得点の差がつくポイント
  • 能動態では make + O + 原形 なので、① clean を選んでしまう受験生が多い
  • 「受動態では to が復活する」というルールを知っているかどうかで差がつく