第1章 文型と語順

英語の語順と5文型の基本
─ 「配置のことば」英語を理解する第一歩

日本語は「は・が・を・に」などの助詞で意味を伝えますが、英語には助詞がありません。
英語は「どの位置に置くか」で意味が決まる「配置のことば」です。
その配置パターンはたった5種類。この5文型を理解すれば、あらゆる英文の骨格が見えてきます。

1英語は「配置のことば」─ 語順がすべてを決める

まず次の英文を見てください。

📝 語順が意味を決める
John gave Mary a present.
ジョンがメアリーにプレゼントをあげた。

日本語なら「プレゼントをジョンはメアリーにあげた」と語順を変えても意味は通じます。「は・を・に」という助詞が意味を支えているからです。

しかし英語で語順を変えると、意味が崩壊します。"Mary John gave a present." では何が何だかわかりません。英語には助詞がないため、「文中のどの位置に置くか」が意味を決定するのです。

🧠 ネイティブの感覚:英語は「配置」で意味を伝える

英語ネイティブにとって、John gave Mary a present. の John が主語だとわかるのは、「は」がついているからではなく、「主語の位置」にあるからです。

Mary が受け手だとわかるのは、「に」がついているからではなく、「受け手を表す位置」にあるからです。

正しい位置に表現を置くことで意味を伝える ── それが英語という言語の本質です。

💡 ここが本質:英語 = 語順のことば

日本語:助詞(は・が・を・に)が意味を支える → 語順の自由度が高い

英語:語順(配置)が意味を決定する → 語順を変えると意味が壊れる

英語の学習で最も重要なのは、正しい語順で語句を並べること。基本文型はその設計図です。

英語と日本語は語順が逆転する

英語と日本語では、主語が文頭に来ることを除けば、多くの場合語順が反転します。

📝 語順の反転
I met her at a cafe in Tokyo.
私は 東京の カフェで 彼女に 会った

英語は「会った → 彼女に → カフェで → 東京の」、日本語は「東京の → カフェで → 彼女に → 会った」。ほぼ逆順になっています。

⚠️ 落とし穴:日本語の語順で英語を組み立てる

日本語の語順をそのまま英語に置き換えようとすると、ほぼ確実に不自然な英語になります。

✕ 誤:I in Tokyo at a cafe her met.(日本語の語順をそのまま英訳)

○ 正:I met her at a cafe in Tokyo.(英語の語順で配置)

英語は「メインの内容を先に言い、説明を後ろに足していく」ことばです。この感覚を身につけましょう。

25文型の全体像 ─ SV / SVC / SVO / SVOO / SVOC

英語の述語(動詞を中心とするフレーズ)には、わずか5種類の型しかありません。この5つの型を基本文型と呼びます。基本文型は英文の設計図であり、あらゆる英文はこの設計図に従って組み立てられています。

📏 文法ルール:5文型の一覧

第1文型(SV):主語 + 動詞 ── 「自動型」

第2文型(SVC):主語 + 動詞 + 補語 ── 「説明型」

第3文型(SVO):主語 + 動詞 + 目的語 ── 「他動型」

第4文型(SVOO):主語 + 動詞 + 目的語 + 目的語 ── 「授与型」

第5文型(SVOC):主語 + 動詞 + 目的語 + 補語 ── 「目的語説明型」

※ S = Subject(主語)、V = Verb(動詞)、O = Object(目的語)、C = Complement(補語)
※ 各文型には特徴的な意味が結びついています。型と意味のつながりを理解することが重要です。
文型 構造 意味のイメージ 例文
SV 主語 + 動詞 単なる動作 The baby cried.
SVC 主語 + 動詞 + 補語 S = C の関係 She is a teacher.
SVO 主語 + 動詞 + 目的語 対象への働きかけ I love music.
SVOO 主語 + 動詞 + O + O 授与(あげる・くれる) He gave me a book.
SVOC 主語 + 動詞 + O + C O = C の関係を作る We call him Jimmy.
🧠 ネイティブの感覚:文の意味は「文型」で決まる

動詞の意味は日本語訳だけでは捉えきれません。同じ動詞でも、どの文型で使われるかによって意味が変わります。

run(自動型):He runs fast.「速く走る」── 単なる動作

run(他動型):My dad runs a restaurant.「レストランを経営する」── 対象への働きかけ

文型という設計図が、動詞の意味を方向づけているのです。

3第1文型(SV)と第2文型(SVC)─ 自動型と説明型

第1文型(SV):自動型

文の主要素が「主語 + 動詞」だけの型が自動型です。目的語(動作の対象)を伴わないこの型は、働きかける対象を含まない行為(単なる動作)を表します。

📝 第1文型(SV)の例文
The lake froze.
湖が凍った。(単なる動作・変化)
My father swims really well.
父は泳ぐのがとても上手だ。(really well は修飾語で、文型には関わらない)

第2文型(SVC):説明型

説明型は be 動詞に代表される、主語を説明する型です。動詞の後ろに説明語句(補語)が置かれ、「主語 = 補語」の関係を表します。

📝 第2文型(SVC)の例文
My cousin is an engineer.
いとこはエンジニアだ。(my cousin = an engineer)
You look happy.
幸せそうに見えるね。(you = happy に見える)
All the food went bad.
食べ物がみんな傷んでしまった。(go は「変化」を表す)
🔬 ワンポイント:SVC型で使われる一般動詞

be 動詞以外にも、印象・変化・持続を表す一般動詞がSVC型を取ります。

印象:look(に見える)、sound(に聞こえる)、taste(味がする)、feel(に感じる)、seem / appear(に思える)

変化:become / get / go / come / turn / fall(になる)

持続:remain / stay / keep(のままでいる)

いずれも「S = C(に見える / になる / のままだ)」の意味です。

4第3文型(SVO)と第4文型(SVOO)─ 他動型と授与型

第3文型(SVO):他動型

他動型は動詞の直後に目的語(名詞)を1つ置く型です。動詞による働きかけが、その対象である目的語に及ぶことを意味します。

📝 第3文型(SVO)の例文
My father painted the kitchen.
父はキッチンをペンキで塗った。(paint という行為が the kitchen に及ぶ)
Ellie has beautiful eyes.
エリーは美しい目をしている。(have は「状態」を表す他動詞)
⚠️ 落とし穴:他動詞に余計な前置詞をつける

他動詞は目的語を直後に取ります。日本語訳に引きずられて前置詞をつけてしまうミスに注意しましょう。

✕ 誤:We discussed about the matter.

○ 正:We discussed the matter.(discuss は他動詞)

✕ 誤:I married with Catherine.

○ 正:I married Catherine.(marry は他動詞)

第4文型(SVOO):授与型

授与型は動詞の後ろに目的語を2つ従えた型です。「目的語aに 目的語bを 授与する(あげる・くれる)」を意味します。

📏 文法ルール:SVOOの語順

S + V + Oa(受け手) + Ob(授与されるモノ)

目的語の順序に注意。1つ目が「誰に」、2つ目が「何を」です。

※ 前置詞 to / for を使って書き換えることもできます:give this book to me / buy a cake for me
📝 第4文型(SVOO)の例文
Can you give me your phone number?
電話番号を教えてくれませんか。
My grandma taught me French.
祖母が私にフランス語を教えてくれた。

5第5文型(SVOC)─ 目的語説明型

目的語説明型は、目的語の後ろにその説明(補語)が加えられた形です。「目的語 = 補語」の関係が成り立ちます。

📝 第5文型(SVOC)の例文
We call him Jimmy.
私たちは彼をジミーと呼ぶ。(him = Jimmy)
I'll make you happy.
君を幸せにするよ。(you = happy の状態を作る)
I'd like my coffee black, please.
コーヒーはブラックでお願いします。(my coffee = black)
🧠 ネイティブの感覚:「目的語を説明する」だけ

SVOC型は一見難しそうに見えますが、やっていることはシンプルです。目的語について、「それがどういう状態か」を後ろから説明しているだけです。

I'll make you happy. なら、you の説明として happy を並べ、「you = happy の状態を作り上げる」と理解すればOKです。

SVOOとSVOCの見分け方

SVOO(授与型)とSVOC(目的語説明型)は、表面上同じ「S + V + 名詞 + 名詞」の形になることがあります。見分けるポイントは、後ろの2つの名詞の間に「=」の関係があるかどうかです。

SVOO(授与型) SVOC(目的語説明型)
例文 I'll make you a frog. I'll make you a frog.
意味 君にカエルを作ってあげる お前をカエルにしてやる
O = C ? you ≠ a frog you = a frog
🔬 ワンポイント:SVOCの説明語句は多彩

SVOC型の補語(C)には名詞・形容詞だけでなく、さまざまな語句が使われます。

動詞の原形:I saw Mary cross the street.(知覚構文 → G-1-2で詳しく学習)

現在分詞:I saw Mary crossing the street.(知覚構文)

過去分詞:I had my purse stolen.(使役構文 → G-1-2で詳しく学習)

前置詞句:I saw a cat in the kitchen.

6つながりマップ

語順と5文型の基本を学んだら、次のトピックへ進みましょう。

  • → G-1-2 SVOC:知覚構文と使役構文:第5文型のうち、特に重要な知覚動詞・使役動詞の構文を詳しく学びます。入試頻出のテーマです。
  • → G-1-3 主語と動詞の一致:主語が複雑な場合に、動詞の形をどう合わせるか。both A and B, either A or B などの重要パターンを学びます。
  • → G-2 時制:文型の「動詞」の部分を時間軸で展開します。現在形・過去形・未来表現などを学びましょう。
  • → G-4 受動態:SVO型の目的語を主語に据え直す「受動態」。文型の理解が前提となります。

📋まとめ

  • 英語は配置のことば。語順(文中の位置)が意味を決定する
  • 英語と日本語は多くの場合語順が逆転する。英語は「メインを先、説明を後ろ」の語順
  • 基本文型は5種類:SV(自動型)、SVC(説明型)、SVO(他動型)、SVOO(授与型)、SVOC(目的語説明型)
  • SVC型ではS = C の関係が成り立つ。SVOC型では O = C の関係が成り立つ
  • SVOO型とSVOC型の見分けは、後ろの2要素に「=」の関係があるかどうかが鍵
  • 文の意味は最終的に文型で決まる ── 同じ動詞でも文型が変われば意味が変わる

確認テスト

Q1. 英語が「配置のことば」と呼ばれる理由を簡潔に説明してください。

▶ クリックして解答を表示英語には日本語の「は・が・を・に」にあたる助詞がなく、文中のどの位置に語句を置くかによって意味が決まるため。語順を変えると意味が壊れてしまう。

Q2. 次の英文の文型を答えてください。
You look happy.

▶ クリックして解答を表示第2文型(SVC / 説明型)。You(S) look(V) happy(C) で、You = happy の関係。look は「に見える」の意味でSVC型を取る一般動詞。

Q3. SVOOとSVOCの見分け方を説明してください。

▶ クリックして解答を表示動詞の後ろに並ぶ2つの要素の間に「=」の関係があればSVOC(目的語説明型)、なければSVOO(授与型)。例:I made him a cake(him ≠ cake → SVOO)/ I made him happy(him = happy → SVOC)。

Q4. 次の英文の誤りを正してください。
We discussed about the problem.

▶ クリックして解答を表示about を削除。discuss は他動詞なので、目的語を直接取る。正しくは We discussed the problem. 日本語の「〜について議論する」に引きずられて about をつけてしまうのが典型的なミス。

9入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

1-1-1 A 基礎 文型判断 空所補充

The flowers in the garden smell (  ).

  • ① sweetly
  • ② sweet
  • ③ being sweet
  • ④ to sweet
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② sweet

解説

判断のポイント:smell は知覚動詞で、SVC(説明型)を取ります。

SVC型の補語には形容詞が入ります。flowers = sweet(甘い)の関係が成り立つので、形容詞 ② sweet が正解です。副詞 sweetly は補語になれません。

「庭の花は甘い香りがする」

B 発展レベル

1-1-2 B 発展 他動詞の語法 正誤判定

次の英文の下線部のうち、誤りを含むものを1つ選びなさい。

We ①arrived ②to the hotel ③just ④in time for dinner.

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② to → at

解説

判断のポイント:arrive は自動詞であり、場所を示すには前置詞 at / in が必要です。

arrive は「足を踏み入れる」という単なる動作(SV型)なので、目的語を直接取ることはできません。reach(他動詞)との違いに注意しましょう。arrive at the hotel / reach the hotel。

「私たちは夕食にちょうど間に合うようにホテルに到着した」

C 応用レベル

1-1-3 C 応用 文型の識別 空所補充

The news made (  ).

  • ① her to cry
  • ② her cry
  • ③ her crying
  • ④ her cried
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② her cry

解説

判断のポイント:make は使役動詞で、SVOC型を取ります。

make + O + C の形で、Cには動詞の原形が来ます(make は「力を加えて作り上げる」イメージなので、to 不定詞ではなく原形を取る)。her(O) + cry(C) で「彼女が泣く状態を作り上げた」の意味です。

「そのニュースは彼女を泣かせた」

得点の差がつくポイント
  • ① her to cry を選ぶミスが多い。make は原形不定詞を取る(to はつけない)
  • 使役動詞 make / have / let + O + 原形 のパターンは G-1-2 で詳しく学習