日本語は「は・が・を・に」などの助詞で意味を伝えますが、英語には助詞がありません。
英語は「どの位置に置くか」で意味が決まる「配置のことば」です。
その配置パターンはたった5種類。この5文型を理解すれば、あらゆる英文の骨格が見えてきます。
まず次の英文を見てください。
日本語なら「プレゼントをジョンはメアリーにあげた」と語順を変えても意味は通じます。「は・を・に」という助詞が意味を支えているからです。
しかし英語で語順を変えると、意味が崩壊します。"Mary John gave a present." では何が何だかわかりません。英語には助詞がないため、「文中のどの位置に置くか」が意味を決定するのです。
英語ネイティブにとって、John gave Mary a present. の John が主語だとわかるのは、「は」がついているからではなく、「主語の位置」にあるからです。
Mary が受け手だとわかるのは、「に」がついているからではなく、「受け手を表す位置」にあるからです。
正しい位置に表現を置くことで意味を伝える ── それが英語という言語の本質です。
日本語:助詞(は・が・を・に)が意味を支える → 語順の自由度が高い
英語:語順(配置)が意味を決定する → 語順を変えると意味が壊れる
英語の学習で最も重要なのは、正しい語順で語句を並べること。基本文型はその設計図です。
英語と日本語では、主語が文頭に来ることを除けば、多くの場合語順が反転します。
英語は「会った → 彼女に → カフェで → 東京の」、日本語は「東京の → カフェで → 彼女に → 会った」。ほぼ逆順になっています。
日本語の語順をそのまま英語に置き換えようとすると、ほぼ確実に不自然な英語になります。
✕ 誤:I in Tokyo at a cafe her met.(日本語の語順をそのまま英訳)
○ 正:I met her at a cafe in Tokyo.(英語の語順で配置)
英語は「メインの内容を先に言い、説明を後ろに足していく」ことばです。この感覚を身につけましょう。
英語の述語(動詞を中心とするフレーズ)には、わずか5種類の型しかありません。この5つの型を基本文型と呼びます。基本文型は英文の設計図であり、あらゆる英文はこの設計図に従って組み立てられています。
第1文型(SV):主語 + 動詞 ── 「自動型」
第2文型(SVC):主語 + 動詞 + 補語 ── 「説明型」
第3文型(SVO):主語 + 動詞 + 目的語 ── 「他動型」
第4文型(SVOO):主語 + 動詞 + 目的語 + 目的語 ── 「授与型」
第5文型(SVOC):主語 + 動詞 + 目的語 + 補語 ── 「目的語説明型」
| 文型 | 構造 | 意味のイメージ | 例文 |
|---|---|---|---|
| SV | 主語 + 動詞 | 単なる動作 | The baby cried. |
| SVC | 主語 + 動詞 + 補語 | S = C の関係 | She is a teacher. |
| SVO | 主語 + 動詞 + 目的語 | 対象への働きかけ | I love music. |
| SVOO | 主語 + 動詞 + O + O | 授与(あげる・くれる) | He gave me a book. |
| SVOC | 主語 + 動詞 + O + C | O = C の関係を作る | We call him Jimmy. |
動詞の意味は日本語訳だけでは捉えきれません。同じ動詞でも、どの文型で使われるかによって意味が変わります。
run(自動型):He runs fast.「速く走る」── 単なる動作
run(他動型):My dad runs a restaurant.「レストランを経営する」── 対象への働きかけ
文型という設計図が、動詞の意味を方向づけているのです。
文の主要素が「主語 + 動詞」だけの型が自動型です。目的語(動作の対象)を伴わないこの型は、働きかける対象を含まない行為(単なる動作)を表します。
説明型は be 動詞に代表される、主語を説明する型です。動詞の後ろに説明語句(補語)が置かれ、「主語 = 補語」の関係を表します。
be 動詞以外にも、印象・変化・持続を表す一般動詞がSVC型を取ります。
印象:look(に見える)、sound(に聞こえる)、taste(味がする)、feel(に感じる)、seem / appear(に思える)
変化:become / get / go / come / turn / fall(になる)
持続:remain / stay / keep(のままでいる)
いずれも「S = C(に見える / になる / のままだ)」の意味です。
他動型は動詞の直後に目的語(名詞)を1つ置く型です。動詞による働きかけが、その対象である目的語に及ぶことを意味します。
他動詞は目的語を直後に取ります。日本語訳に引きずられて前置詞をつけてしまうミスに注意しましょう。
✕ 誤:We discussed about the matter.
○ 正:We discussed the matter.(discuss は他動詞)
✕ 誤:I married with Catherine.
○ 正:I married Catherine.(marry は他動詞)
授与型は動詞の後ろに目的語を2つ従えた型です。「目的語aに 目的語bを 授与する(あげる・くれる)」を意味します。
S + V + Oa(受け手) + Ob(授与されるモノ)
目的語の順序に注意。1つ目が「誰に」、2つ目が「何を」です。
目的語説明型は、目的語の後ろにその説明(補語)が加えられた形です。「目的語 = 補語」の関係が成り立ちます。
SVOC型は一見難しそうに見えますが、やっていることはシンプルです。目的語について、「それがどういう状態か」を後ろから説明しているだけです。
I'll make you happy. なら、you の説明として happy を並べ、「you = happy の状態を作り上げる」と理解すればOKです。
SVOO(授与型)とSVOC(目的語説明型)は、表面上同じ「S + V + 名詞 + 名詞」の形になることがあります。見分けるポイントは、後ろの2つの名詞の間に「=」の関係があるかどうかです。
| SVOO(授与型) | SVOC(目的語説明型) | |
|---|---|---|
| 例文 | I'll make you a frog. | I'll make you a frog. |
| 意味 | 君にカエルを作ってあげる | お前をカエルにしてやる |
| O = C ? | you ≠ a frog | you = a frog |
SVOC型の補語(C)には名詞・形容詞だけでなく、さまざまな語句が使われます。
動詞の原形:I saw Mary cross the street.(知覚構文 → G-1-2で詳しく学習)
現在分詞:I saw Mary crossing the street.(知覚構文)
過去分詞:I had my purse stolen.(使役構文 → G-1-2で詳しく学習)
前置詞句:I saw a cat in the kitchen.
語順と5文型の基本を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. 英語が「配置のことば」と呼ばれる理由を簡潔に説明してください。
Q2. 次の英文の文型を答えてください。
You look happy.
Q3. SVOOとSVOCの見分け方を説明してください。
Q4. 次の英文の誤りを正してください。
We discussed about the problem.
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
The flowers in the garden smell ( ).
② sweet
判断のポイント:smell は知覚動詞で、SVC(説明型)を取ります。
SVC型の補語には形容詞が入ります。flowers = sweet(甘い)の関係が成り立つので、形容詞 ② sweet が正解です。副詞 sweetly は補語になれません。
「庭の花は甘い香りがする」
次の英文の下線部のうち、誤りを含むものを1つ選びなさい。
We ①arrived ②to the hotel ③just ④in time for dinner.
② to → at
判断のポイント:arrive は自動詞であり、場所を示すには前置詞 at / in が必要です。
arrive は「足を踏み入れる」という単なる動作(SV型)なので、目的語を直接取ることはできません。reach(他動詞)との違いに注意しましょう。arrive at the hotel / reach the hotel。
「私たちは夕食にちょうど間に合うようにホテルに到着した」
The news made ( ).
② her cry
判断のポイント:make は使役動詞で、SVOC型を取ります。
make + O + C の形で、Cには動詞の原形が来ます(make は「力を加えて作り上げる」イメージなので、to 不定詞ではなく原形を取る)。her(O) + cry(C) で「彼女が泣く状態を作り上げた」の意味です。
「そのニュースは彼女を泣かせた」