動詞の語法

SV that S (should) doの形をとる動詞

suggest / insist / demand / propose / recommend + that S (should) do

1「提案・要求・主張」の動詞とthat節

英語には、suggest / insist / demand / propose / recommendなど、「提案する・要求する・主張する」という意味の動詞があります。これらの動詞がthat節を従えるとき、特別な形が使われます。

ネイティブの感覚:なぜshouldが来るのか?

suggest, demand, insistなどの動詞は、すべて「まだ実現していないこと」について述べています。「提案する」「要求する」ということは、それがまだ現実になっていないからこそ言うわけです。

英語では「まだ現実ではない=事実と距離がある」ことを表すために、should仮定法現在(動詞の原形)を使います。これは「こうであるべきだ」「こうなってほしい」という話し手の気持ちを反映した形です。

基本構文

S + V + that + S + (should) + 動詞の原形

この構文をとる主な動詞:

動詞 意味 分類
suggest 提案する 提案
propose 提案する 提案
recommend 勧める 提案
demand 要求する 要求
request 要請する 要求
require 要求する 要求
insist 主張する・要求する 主張・要求
order 命令する 命令
基本例文
He suggested that we should start early.
彼は早く出発することを提案した。
They demanded that the company should pay compensation.
彼らは会社が補償金を支払うよう要求した。
The doctor recommended that she should take a rest.
医者は彼女に休息をとるよう勧めた。
She insisted that he should apologize.
彼女は彼が謝るべきだと主張した。
本質:これらの動詞に共通するもの

suggest / insist / demand / propose / recommend は、すべて「話し手が、まだ実現していないことについて、こうするべきだ・こうしてほしいと働きかける」動詞です。that節の中身は「事実」ではなく「願望・要求の内容」なので、shouldや仮定法現在が使われます。

2shouldの省略と仮定法現在

上のshouldは省略することができます。省略した場合、that節内の動詞は主語の人称・数に関係なく原形になります。これを仮定法現在と呼びます。

仮定法現在の形

S + V + that + S + 動詞の原形 ...

主語が三人称単数でも-sをつけないのが最大のポイントです。

※ be動詞の場合は、主語に関係なくbeを使います。

shouldを省略した例文(仮定法現在)
He suggested that we start early.
彼は早く出発することを提案した。(we startであってwe startsではない)
I insisted that she be present at the meeting.
私は彼女が会議に出席するよう主張した。(she beであってshe isではない)
The committee recommended that the plan be adopted.
委員会はその計画が採用されるよう勧告した。(受動態でもbe + 過去分詞)
They demanded that he resign immediately.
彼らは彼が直ちに辞任するよう要求した。(he resignsではなくhe resign)
最大の注意点:三人称単数でも原形!

He suggested that she goes home early. (×)

He suggested that she go home early. (○)

I demanded that the manager explains the situation. (×)

I demanded that the manager explain the situation. (○)

仮定法現在では、主語がhe / she / it / 三人称単数名詞であっても、動詞に-sをつけません。ここが最大のひっかけポイントです。

3イギリス英語 vs アメリカ英語

この構文は、イギリス英語とアメリカ英語で好まれる形が異なります。

英米の違い
好まれる形
イギリス英語 should + 動詞の原形 I suggest that he should go.
アメリカ英語 動詞の原形(仮定法現在) I suggest that he go.

※ 大学入試ではどちらの形も正解として扱われます。ただし、仮定法現在(shouldなし・動詞の原形)の形で出題されることが圧倒的に多いです。

ネイティブの使い分け

現代英語では、アメリカ英語の影響もあり、イギリスでも仮定法現在が広まっています。フォーマルな文章やビジネス英語では特に仮定法現在が好まれます。

日常会話では、shouldをつける形も広く使われています。どちらも「間違い」ではありません。

同じ意味の2つの形
I propose that the meeting should be postponed. [英]
会議を延期することを提案する。
I propose that the meeting be postponed. [米]
会議を延期することを提案する。

4It is + 形容詞 + that S (should) do

動詞だけでなく、「提案・要求・必要」を表す形容詞のあとのthat節でも、同じようにshouldまたは仮定法現在が使われます。

形容詞構文

It is + 形容詞 + that + S + (should) + 動詞の原形

この構文をとる主な形容詞:

  • necessary(必要な)
  • important(重要な)
  • essential(不可欠な)
  • desirable(望ましい)
  • natural(当然の)
  • urgent(緊急の)
  • advisable(勧められる)
形容詞構文の例文
It is necessary that every student attend the ceremony.
すべての学生が式典に出席することが必要だ。
It is important that he be honest.
彼が正直であることが重要だ。
It is essential that the report be submitted by Friday.
その報告書が金曜日までに提出されることが不可欠だ。
形容詞構文でも三人称単数に注意!

It is important that everyone is on time. (×)

It is important that everyone be on time. (○)

It is necessary that he finishes the work today. (×)

It is necessary that he finish the work today. (○)

形容詞構文でも、that節内の動詞はshouldまたは原形です。直説法(is, finishesなど)は使いません。

5入試で狙われるポイント

入試頻出パターン

1. 空欄補充で動詞の形を問う:三人称単数主語のあとに原形が来ることを見抜けるか

2. 誤り指摘問題:suggestやdemandのあとにV-s形があれば誤り

3. suggestの語法の使い分け:suggestは「提案」のときだけshouldを使い、「暗示する」の意味では直説法を使う

4. 形容詞構文:It is necessary/important that... の形も頻出

超重要:suggestの2つの意味

suggestには「提案する」と「暗示する・示唆する」の2つの意味があります。

「提案する」→ shouldまたは仮定法現在を使う

I suggested that he go to the hospital.(彼に病院に行くよう提案した)

「暗示する・示唆する」→ 直説法(普通の時制)を使う

His face suggested that he was angry.(彼の顔は怒っていることを示唆していた)

「暗示する」の意味のときは、事実について述べているのでshouldや仮定法現在は使いません。入試ではこの区別が問われることがあります。

suggestの意味による使い分け
She suggested that we take a different route. [提案]
彼女は別の道を行くことを提案した。
The evidence suggests that the suspect was at the scene. [暗示]
その証拠は、容疑者が現場にいたことを示唆している。
His silence suggested that he knew the truth. [暗示]
彼の沈黙は、彼が真実を知っていることを暗示していた。
覚え方のコツ

「提案・要求・主張」→ まだ実現していない → should / 原形

「暗示・示唆」→ すでに起きた事実について → 普通の時制

suggest, insistは両方の意味を持ちます。insistも「主張する(事実)」のときは直説法を使います。

例: He insisted that he was innocent.(彼は自分が無実だと主張した=事実の主張)

つながりマップ

!まとめ

  • suggest / insist / demand / propose / recommend はthat S (should) + 動詞の原形の構文をとる
  • shouldを省略すると仮定法現在(三人称単数でも原形)になる
  • イギリス英語はshould付き、アメリカ英語はshouldなし(原形)を好む
  • It is necessary / important / essential + that ... でも同じルールが適用される
  • suggestが「暗示する」、insistが「事実を主張する」の意味のときは直説法(普通の時制)を使う

確認テスト

1. 次の空欄に入る動詞の形を答えなさい。
The teacher suggested that he ( ) the assignment again. [do]
▶ クリックして解答を表示 do(suggestのあとのthat節では仮定法現在=動詞の原形を使う。he doesではない)
2. 次の文の誤りを指摘し、正しく直しなさい。
I insisted that she comes to the party.
▶ クリックして解答を表示 comes → come(insistのあとのthat節では仮定法現在を使う。三人称単数でも原形)
3. 次の文を完成させなさい。
It is essential that the document ( ) submitted by tomorrow. [be]
▶ クリックして解答を表示 be(It is essential that ... の構文でも仮定法現在を使う。be動詞はisではなくbe)
4. 次の文で直説法(普通の時制)が使われる理由を説明しなさい。
His pale face suggested that he was sick.
▶ クリックして解答を表示 suggestが「暗示する・示唆する」の意味で使われているため。「提案する」ではなく「事実を示している」ので、直説法(was)を使う。
問1 A 基礎

次の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。

The doctor recommended that she ( ) more exercise.

  • ① takes
  • ② take
  • ③ took
  • ④ has taken
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② take

解説

recommendは「提案・勧告」を意味する動詞なので、that節内はshould + 動詞の原形または仮定法現在(動詞の原形)を使います。主語がsheでも三人称単数の-sはつけず、原形のtakeが正解です。

問2 B 発展

次の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。

It is necessary that every member ( ) present at the annual meeting.

  • ① is
  • ② be
  • ③ will be
  • ④ are
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② be

解説

It is necessary that ... の構文では、that節内に仮定法現在を使います。be動詞の場合は、主語に関係なく原形のbeを使います。every memberは単数扱いですが、isではなくbeが正解です。

問3 C 応用

次の2文について、that節内の動詞の形が異なる理由を説明し、それぞれ正しい形を選びなさい。

(a) The data suggests that the theory ( ) correct.

  • ① be
  • ② is
  • ③ should be
  • ④ were

(b) The professor suggested that the student ( ) the experiment again.

  • ① conducts
  • ② conducted
  • ③ conduct
  • ④ is conducting
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(a) ② is (b) ③ conduct

解説

(a) suggestが「暗示する・示唆する」の意味で使われています。主語がThe data(データ)なので、人が提案しているのではなく、データが事実を示しています。事実を述べているので直説法(is)を使います。

(b) suggestが「提案する」の意味で使われています。教授が学生に実験をやり直すよう提案しているので、まだ実現していない内容です。that節内は仮定法現在(原形conduct)を使います。

このように、suggestの意味が「提案」か「暗示」かで、that節の動詞の形が変わる点が応用問題のポイントです。