英語には、suggest / insist / demand / propose / recommendなど、「提案する・要求する・主張する」という意味の動詞があります。これらの動詞がthat節を従えるとき、特別な形が使われます。
suggest, demand, insistなどの動詞は、すべて「まだ実現していないこと」について述べています。「提案する」「要求する」ということは、それがまだ現実になっていないからこそ言うわけです。
英語では「まだ現実ではない=事実と距離がある」ことを表すために、shouldや仮定法現在(動詞の原形)を使います。これは「こうであるべきだ」「こうなってほしい」という話し手の気持ちを反映した形です。
S + V + that + S + (should) + 動詞の原形
この構文をとる主な動詞:
| 動詞 | 意味 | 分類 |
|---|---|---|
| suggest | 提案する | 提案 |
| propose | 提案する | 提案 |
| recommend | 勧める | 提案 |
| demand | 要求する | 要求 |
| request | 要請する | 要求 |
| require | 要求する | 要求 |
| insist | 主張する・要求する | 主張・要求 |
| order | 命令する | 命令 |
suggest / insist / demand / propose / recommend は、すべて「話し手が、まだ実現していないことについて、こうするべきだ・こうしてほしいと働きかける」動詞です。that節の中身は「事実」ではなく「願望・要求の内容」なので、shouldや仮定法現在が使われます。
上のshouldは省略することができます。省略した場合、that節内の動詞は主語の人称・数に関係なく原形になります。これを仮定法現在と呼びます。
S + V + that + S + 動詞の原形 ...
主語が三人称単数でも-sをつけないのが最大のポイントです。
※ be動詞の場合は、主語に関係なくbeを使います。
He suggested that she goes home early. (×)
He suggested that she go home early. (○)
I demanded that the manager explains the situation. (×)
I demanded that the manager explain the situation. (○)
仮定法現在では、主語がhe / she / it / 三人称単数名詞であっても、動詞に-sをつけません。ここが最大のひっかけポイントです。
この構文は、イギリス英語とアメリカ英語で好まれる形が異なります。
| 好まれる形 | 例 | |
|---|---|---|
| イギリス英語 | should + 動詞の原形 | I suggest that he should go. |
| アメリカ英語 | 動詞の原形(仮定法現在) | I suggest that he go. |
※ 大学入試ではどちらの形も正解として扱われます。ただし、仮定法現在(shouldなし・動詞の原形)の形で出題されることが圧倒的に多いです。
現代英語では、アメリカ英語の影響もあり、イギリスでも仮定法現在が広まっています。フォーマルな文章やビジネス英語では特に仮定法現在が好まれます。
日常会話では、shouldをつける形も広く使われています。どちらも「間違い」ではありません。
動詞だけでなく、「提案・要求・必要」を表す形容詞のあとのthat節でも、同じようにshouldまたは仮定法現在が使われます。
It is + 形容詞 + that + S + (should) + 動詞の原形
この構文をとる主な形容詞:
It is important that everyone is on time. (×)
It is important that everyone be on time. (○)
It is necessary that he finishes the work today. (×)
It is necessary that he finish the work today. (○)
形容詞構文でも、that節内の動詞はshouldまたは原形です。直説法(is, finishesなど)は使いません。
1. 空欄補充で動詞の形を問う:三人称単数主語のあとに原形が来ることを見抜けるか
2. 誤り指摘問題:suggestやdemandのあとにV-s形があれば誤り
3. suggestの語法の使い分け:suggestは「提案」のときだけshouldを使い、「暗示する」の意味では直説法を使う
4. 形容詞構文:It is necessary/important that... の形も頻出
suggestには「提案する」と「暗示する・示唆する」の2つの意味があります。
「提案する」→ shouldまたは仮定法現在を使う
I suggested that he go to the hospital.(彼に病院に行くよう提案した)
「暗示する・示唆する」→ 直説法(普通の時制)を使う
His face suggested that he was angry.(彼の顔は怒っていることを示唆していた)
「暗示する」の意味のときは、事実について述べているのでshouldや仮定法現在は使いません。入試ではこの区別が問われることがあります。
「提案・要求・主張」→ まだ実現していない → should / 原形
「暗示・示唆」→ すでに起きた事実について → 普通の時制
suggest, insistは両方の意味を持ちます。insistも「主張する(事実)」のときは直説法を使います。
例: He insisted that he was innocent.(彼は自分が無実だと主張した=事実の主張)
次の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
The doctor recommended that she ( ) more exercise.
② take
recommendは「提案・勧告」を意味する動詞なので、that節内はshould + 動詞の原形または仮定法現在(動詞の原形)を使います。主語がsheでも三人称単数の-sはつけず、原形のtakeが正解です。
次の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
It is necessary that every member ( ) present at the annual meeting.
② be
It is necessary that ... の構文では、that節内に仮定法現在を使います。be動詞の場合は、主語に関係なく原形のbeを使います。every memberは単数扱いですが、isではなくbeが正解です。
次の2文について、that節内の動詞の形が異なる理由を説明し、それぞれ正しい形を選びなさい。
(a) The data suggests that the theory ( ) correct.
(b) The professor suggested that the student ( ) the experiment again.
(a) ② is (b) ③ conduct
(a) suggestが「暗示する・示唆する」の意味で使われています。主語がThe data(データ)なので、人が提案しているのではなく、データが事実を示しています。事実を述べているので直説法(is)を使います。
(b) suggestが「提案する」の意味で使われています。教授が学生に実験をやり直すよう提案しているので、まだ実現していない内容です。that節内は仮定法現在(原形conduct)を使います。
このように、suggestの意味が「提案」か「暗示」かで、that節の動詞の形が変わる点が応用問題のポイントです。