動詞の語法

動名詞を目的語にとる動詞

enjoy/finish/mind/avoid/deny等、動名詞のみを目的語にとる動詞の使い方を学習します。「なぜ動名詞なのか」をネイティブの感覚から理解しましょう。

1動名詞を目的語にとる動詞の基本

本質
動名詞専用動詞は「すでに始まったこと・継続していること・体験したこと」を表現するときに使われます。これらの動詞は現実性・具体性の高い状況を扱うため、抽象的な不定詞ではなく、より具体的な動名詞と相性が良いのです。
ネイティブ感覚
ネイティブはenjoy(楽しむ)やfinish(終える)などの動詞を使うとき、「実際に行っている/行った具体的な行為」をイメージします。そのため、「まだやっていない未来の可能性」を表す不定詞よりも、「実際の行為・体験」を表す動名詞の方が自然に感じられるのです。
基本例文
I enjoy reading novels in my free time.
私は暇なときに小説を読むのを楽しんでいます。
She finished writing her report last night.
彼女は昨夜レポートを書き終えました。
Would you mind opening the window?
窓を開けてくださいませんか。

2主要な動名詞専用動詞

動名詞専用動詞一覧
動詞意味例文
enjoy~を楽しむI enjoy swimming.
finish~し終えるHe finished eating.
mind~を気にするDo you mind waiting?
avoid~を避けるAvoid driving at night.
deny~を否定するHe denied stealing it.
give up~をあきらめるI gave up smoking.
put off~を延期するWe put off meeting.
よくある間違い
× I enjoy to read books.
○ I enjoy reading books.

enjoyは必ず動名詞を目的語にとります。不定詞は使えません。

実用例文
He avoided making eye contact with his boss.
彼は上司と目を合わせることを避けた。
She denied taking the money from the safe.
彼女は金庫からお金を取ったことを否定した。
We had to put off holding the meeting due to the storm.
嵐のため、会議の開催を延期しなければならなかった。

3特殊な形の動名詞表現

受動態・完了・否定の動名詞
  • 受動態の動名詞: being done「~されること」
  • 完了動名詞: having done「~したこと」(述語動詞より前の時制)
  • 否定の動名詞: not doing「~しないこと」
時制感覚の理解
完了動名詞having doneは、述語動詞が表す時点よりも明らかに前の出来事を表現するときに使います。単なる過去ではなく、「時間のずれ」を明確に示したいときのネイティブの感覚です。
特殊形例文
She dislikes being treated like a child.
彼女は子供扱いされるのを嫌がる。
He is proud of having been a well-known actor 20 years ago.
彼は20年前に有名な俳優だったことを誇りに思っている。
I am ashamed of not having been kind to the old woman.
私はその老女に親切にしなかったことを恥じている。

4前置詞to + 動名詞の表現

不定詞のtoと前置詞のtoの区別
× I look forward to see you.
○ I look forward to seeing you.

look forward toのtoは前置詞なので、後ろには動名詞が続きます。

前置詞to + 動名詞の主要表現
表現意味
look forward to doing~することを楽しみにする
be used to doing~することに慣れている
be accustomed to doing~することに慣れている
object to doing~することに反対する
when it comes to doing~することになると
入試での判別法
toの後に動名詞か不定詞かで迷ったら、toの前の語句を確認しましょう。be used to、look forward to、object toなどの決まった表現では、toは前置詞なので必ず動名詞が続きます。
前置詞to + 動名詞の例文
I look forward to meeting you in Japan.
日本であなたにお会いできることを楽しみにしています。
She is not used to writing formal letters.
彼女は正式な手紙を書くことに慣れていない。
When it comes to running, John is the best in class.
走ることになると、ジョンはクラスで一番だ。
まとめ
  • 動名詞専用動詞は「具体的・現実的な行為」を扱う動詞
  • enjoy/finish/mind/avoid/denyなどは必ず動名詞を目的語にとる
  • being done(受動態)、having done(完了)、not doing(否定)の形もある
  • 前置詞toの後は動名詞(look forward to doing等)
  • 不定詞のtoと前置詞のtoを正しく区別することが重要

確認テスト

Q1 次の文の(  )に入る適切な形を選んでください。
I enjoyed ( ) with my friends yesterday.
① to talk ② talk ③ talking ④ talked
▶ クリックして解答を表示 ③ talking(enjoyは動名詞を目的語にとる)
Q2 次の文の誤りを訂正してください。
She avoided to make any noise.
▶ クリックして解答を表示 to make → making(avoidは動名詞専用動詞)
Q3 次の文を完成させてください。
He is ashamed of ( ) kind to his parents.
① not being ② not to be ③ don't being ④ not be
▶ クリックして解答を表示 ① not being(否定の動名詞はnot doing)
Q4 次の文の(  )に入る適切な語を選んでください。
I look forward ( ) you again soon.
① to see ② to seeing ③ for seeing ④ see
▶ クリックして解答を表示 ② to seeing(look forward toの前置詞toの後は動名詞)

入試問題演習

A 基礎
次の文の(  )に入る最も適切なものを選んでください。

It's no use ( ) about what happened yesterday.
① to worry
② worry
③ worrying
④ worried
▶ クリックして解答・解説を表示
正解:③
It's no use doing「~してもむだだ」は決まった表現で、動名詞を使います。「昨日起こったことを心配してもむだだ」という意味になります。
B 発展
次の文の(  )に入る最も適切なものを選んでください。

She denied ( ) the secret to anyone.
① to reveal
② reveal
③ having revealed
④ to have revealed
▶ クリックして解答・解説を表示
正解:③
denyは動名詞を目的語にとる動詞です。「秘密を明かした」のは「否定している」より前の時点なので、完了動名詞having revealedを使います。「彼女は誰かに秘密を明かしたことを否定した」という意味です。
C 応用
次の文の空欄に入る最も適切なものを選んでください。

I'm not accustomed ( ) in public, so I was very nervous during the presentation.
① to speak
② to speaking
③ for speaking
④ about speaking
▶ クリックして解答・解説を表示
正解:②
be accustomed to doing「~することに慣れている」のtoは前置詞なので、後ろには動名詞speakingが続きます。「私は人前で話すことに慣れていないので、プレゼンテーション中はとても緊張した」という意味になります。