動詞の語法

say / tell / speak / talk の区別

日本語ではすべて「言う・話す」と訳せる4つの動詞ですが、英語ではそれぞれコアイメージが異なり、使える文型も違います。暗記に頼らず、各動詞の本質をつかんで正しく使い分けましょう。

14つの動詞のコアイメージ

say / tell / speak / talk はすべて「言う・話す」という意味をもちますが、それぞれの動詞が焦点を当てている部分が異なります。コアイメージをつかめば、どの場面でどの動詞を使うかが自然にわかるようになります。

コアイメージで理解する4つの動詞

say ― 焦点は「言葉の内容」そのもの。「何を言ったか」に注目する動詞。相手がいなくてもよい(独り言でも使える)。

tell ― 焦点は「相手に情報を届ける」こと。必ず「誰に」伝えたかが必要。情報の伝達がコア。

speak ― 焦点は「言語を発する行為」そのもの。声を出す・言語能力に注目。ややフォーマル。

talk ― 焦点は「双方向のやりとり」。おしゃべり・会話に注目。カジュアルなニュアンス。

4動詞の焦点の違い
動詞焦点キーワード日本語イメージ
say言葉の内容what(何を)「...と言う」
tell情報の伝達who(誰に)「人に伝える」
speak発話行為能力・行為「声を発する」
talk双方向の会話対話・議論「おしゃべりする」
コアイメージの違いがわかる例文
He said that he was tired.
彼は疲れたと言った。(内容に焦点)
He told me that he was tired.
彼は私に疲れたと伝えた。(相手への伝達に焦点)
She speaks three languages.
彼女は3か国語を話す。(言語能力に焦点)
We talked for hours.
私たちは何時間もおしゃべりした。(双方向の会話に焦点)

2say の語法

sayは「言葉の内容」に焦点を当てる動詞です。「何を言ったか」が大事なので、say の後にはthat節・引用文・具体的な内容が続きます。

say の主な文型

1. say + that節:「...と言う」

2. say + "引用文":直接引用

3. say to 人:「人に...と言う」(toが必要)

4. It is said that ...:「...と言われている」

5. S + be said to do:「Sは...すると言われている」

注意:say は「say + 人 + that節」の形にはできない。人を入れるなら say to 人 とする。

最頻出の誤り:say me は不可

sayは直接「人」を目的語に取れません。人に言う場合はsay to 人とします。

He said me that he was busy.

He said to me that he was busy.

He told me that he was busy.(tellなら人を直接目的語にできる)

例文
She said that she would come tomorrow.
彼女は明日来ると言った。
"I'm sorry," he said.
「ごめんなさい」と彼は言った。
It is said that he is a genius.
彼は天才だと言われている。
He is said to be the richest man in town.
彼は町で一番の金持ちだと言われている。

3tell の語法

tellは「相手に情報を届ける」ことに焦点を当てる動詞です。必ず「誰に」伝えたかを示す必要があり、tell の直後には人(間接目的語)が来ます。

tell の主な文型

1. tell + 人 + that節:「人に...と伝える」

2. tell + 人 + to do:「人に...するよう言う」

3. tell + 人 + 疑問詞節:「人に...かを教える」

4. tell A from B:「AとBを見分ける・区別する」

注意:tell は原則として「tell + 人」の形を取る。tell that... と人なしでは使えない(例外:tell a lie / tell the truth / tell a story など固定表現)。

tell のコア感覚

tellの本質は「情報を相手に届ける」こと。だからこそ常に「誰に」が必要です。この「伝達」のコアから、tell A from B(AとBを区別する=情報を整理して見分ける)という一見関係なさそうな意味も自然に理解できます。

例文
She told me that she had passed the exam.
彼女は試験に受かったと私に伝えた。
The teacher told us to open our textbooks.
先生は私たちに教科書を開くよう言った。
Can you tell me where the station is?
駅はどこか教えてくれますか。
Can you tell butter from margarine?
バターとマーガリンの区別がつきますか。
tell that... は不可

tellの後に人なしでthat節を続けることはできません。

He told that he was leaving.

He told me that he was leaving.

He said that he was leaving.(sayなら人なしでOK)

4speak / talk の語法

speaktalkはどちらも自動詞が基本ですが、speakは「声を発する行為・言語能力」に焦点を当て、talkは「双方向の会話・やりとり」に焦点を当てます。

speak の語法

speak の主な用法

1. speak + 言語:「...語を話す」(唯一の他動詞用法)

2. speak to 人:「人に話しかける」(ややフォーマル)

3. speak of / about ...:「...について話す」

4. speak up:「はっきり言う・声を上げる」

speakが他動詞として使えるのは「言語」を目的語にする場合だけ。speak English はOKだが speak the news はNG。

speak の例文
Do you speak Japanese?
日本語を話しますか。
May I speak to Mr. Tanaka, please?
田中さんとお話しできますか。(電話の定番表現)
He spoke of his childhood memories.
彼は子供時代の思い出について語った。

talk の語法

talk の主な用法

1. talk to / with 人:「人と話す・会話する」

2. talk about ...:「...について話す」

3. talk 人 into doing:「人を説得して...させる」

4. talk 人 out of doing:「人を説得して...をやめさせる」

talkは基本的に自動詞。talk to と talk with はほぼ同義だが、talk to のほうがやや一方向的なニュアンス。

talk の例文
I need to talk to you about something important.
大事な話があるんだけど。
They were talking about the new movie.
彼らは新しい映画の話をしていた。
She talked him into buying a new car.
彼女は彼を説得して新しい車を買わせた。
speak と talk の使い分け感覚

speakは「一方向に声を発する」イメージ。スピーチ、電話、言語能力など、フォーマルな場面で使われやすい。

talkは「互いにやりとりする」イメージ。おしゃべり、相談、議論など、カジュアルで双方向の場面で使われやすい。

同じ「話しかける」でも、speak to はやや改まった感じ、talk to は日常的な感じになります。

5入試頻出の使い分けポイント

入試では4つの動詞の語法の違いが問われます。以下のポイントを押さえておきましょう。

4動詞の文型一覧
文型・表現saytellspeaktalk
~ that節×(人が必要)××
~ 人 + that節×××
~ 人 + to do×××
~ to 人×
~ about ...×○(tell 人 about)
~ 言語×××
"引用文"×××
入試の急所:これだけは覚えよう

1. say me / tell that の誤り:say は人を直接目的語に取れない。tell は人なしでthat節を取れない。この2つは入試最頻出の引っかけです。

2. tell + 人 + to do:「人に...するよう言う」はtell でしか作れない。say to 人 to do は不可。

3. speak + 言語:「言語を話す」にはspeak を使う。say / tell / talk は不可。

4. talk 人 into doing:「説得して...させる」はtalk の特有表現。persuade 人 to do と同義。

5. It is said that ... / be said to do:say を使った受動態構文は頻出。tell にはこの構文はない。

入試で狙われる間違いパターン

He said me to wait here.(say + 人 + to do は不可)

He told me to wait here.

She told that it was raining.(tell + that節は人が必要)

She said that it was raining. / She told us that it was raining.

I can talk French.(talk + 言語は不可)

I can speak French.

使い分けの実践例
What did she say?(言葉の内容を尋ねる)
彼女は何と言いましたか。
What did she tell you?(あなたに何を伝えたか)
彼女はあなたに何と言いましたか。
Could you speak more slowly?(発話の仕方)
もう少しゆっくり話してもらえますか。
Let's talk about it later.(双方向の相談)
後でそのことについて話しましょう。

まとめ

  • sayは「言葉の内容」に焦点。say + that節 / say to 人。人を直接目的語にできない
  • tellは「相手への伝達」に焦点。tell + 人 + that節 / tell + 人 + to do。必ず人が必要
  • speakは「発話行為・言語能力」に焦点。speak + 言語 / speak to 人。フォーマル寄り
  • talkは「双方向の会話」に焦点。talk to 人 / talk about / talk 人 into doing。カジュアル寄り
  • 入試では say me・tell that の誤り、speak + 言語、tell + 人 + to do が最頻出

確認テスト

問題1 次の空欄に say / tell / speak / talk のうち適切なものを入れなさい。

He ( ) me to wait outside.

▶ クリックして解答を表示 told(「人に...するよう言う」は tell + 人 + to do の形。say + 人 + to do は不可)

問題2 次の空欄に say / tell / speak / talk のうち適切なものを入れなさい。

She can ( ) four languages fluently.

▶ クリックして解答を表示 speak(「言語を話す」には speak を使う。speak は言語を目的語に取る唯一の動詞)

問題3 次の空欄に say / tell / speak / talk のうち適切なものを入れなさい。

It is ( ) that the castle is haunted.

▶ クリックして解答を表示 said(It is said that ...「...と言われている」は say を使った受動態構文)

問題4 次の空欄に say / tell / speak / talk のうち適切なものを入れなさい。

She ( ) him into lending her the money.

▶ クリックして解答を表示 talked(talk 人 into doing「人を説得して...させる」は talk 特有の表現)

入試問題演習

A 基礎

問題1 次の文の空欄に最も適切な語を選びなさい。

My mother always ( ) me not to stay up late.

① says ② tells ③ speaks ④ talks

▶ クリックして解答・解説を表示

正解:② tells

「人に...するよう言う」はtell + 人 + to do(ここでは not to do)の文型。say + 人 + to do は不可。speak / talk にもこの文型はない。母親が「いつも私に」夜更かしするなと言う、という意味なので tell が適切。

B 発展

問題2 次の文の中から、文法的に誤りのあるものを1つ選びなさい。

① He said to me that he would be late.

② She told that she had already finished her homework.

③ Can you tell me how to get to the station?

④ It is said that this temple was built 500 years ago.

▶ クリックして解答・解説を表示

正解:②

tell は that節の前に必ず人(間接目的語)が必要です。正しくは She told us [me / him など] that she had already finished her homework. とするか、She said that ... とします。① は say to 人 で正しく、③ は tell + 人 + 疑問詞節で正しく、④ は It is said that ... の受動態構文で正しい。

C 応用

問題3 次の日本語を英語に直しなさい。

「彼女は彼を説得して、その計画をあきらめさせた。」

▶ クリックして解答・解説を表示

正解例:She talked him out of the plan. / She talked him out of carrying out the plan.

talk 人 out of doingは「人を説得して...をやめさせる」という意味の重要表現。反意表現は talk 人 into doing(人を説得して...させる)。persuade 人 not to do / persuade 人 to give up ... も同義の表現として使える。