第8章 比較

原級を用いた比較表現
─ as ... as で広がる「同じくらい」の世界

as ... as は「同じくらい」を表す基本表現ですが、倍数表現や慣用表現まで含めると、驚くほど幅広い使い方ができます。
否定形の not as ... as、感情を込めた as many as など、入試頻出の表現を一気にマスターしましょう。

1as ... as の基本 ─ 「同じくらい」の仕組み

as ... as は「...と同じくらい〜」を表す原級比較の基本表現です。 1つめの as は副詞で「同じくらい」を指定し、2つめの as は接続詞で比較対象をつなぎます。

🧠 ネイティブの感覚:as = 「イコール」のマーク

as ... as を使うとき、ネイティブの頭の中には「A = B」のイメージがあります。Tom is as tall as Mary. は「トムの背の高さ = メアリーの背の高さ」。

重要なのは、この文は「トムは背が高い」とは言っていないこと。2人の背の高さが同じレベルだということだけを述べています。どちらも背が低いこともありえます。

📏 文法ルール:as ... as の基本形

A + as + 原級 + as + B 「AはBと同じくらい〜」

※ 2つめの as の後ろが代名詞の場合、日常会話では目的格(me, him, her)が普通。
※ as I am のように節で受けることもできる(やや強調的)。
📝 例文で確認
Tom is as tall as me.
トムは私と同じくらい背が高い。(目的格 me が一般的)
She is not as good at tennis as me.
彼女は私ほどテニスが得意ではない。
I have as many CDs as Ken.
私はケンと同じくらいの数のCDを持っている。
⚠️ 落とし穴:比較対象のバランスを崩さない

比較は常にバランスよく行うことが重要です。同じ種類のもの同士を比較しましょう。

✕ 誤:Gary's car isn't as expensive as Mary.(車と人を比較してしまっている)

○ 正:Gary's car isn't as expensive as Mary's.(車同士を比較)

🔬 ワンポイント:as + 形容詞 + a / an + 名詞 + as の語順

as で形容詞 + 名詞をくくるとき、語順に注意が必要です。

Tom is as good a player as Ken.(トムはケンと同じくらい優れた選手だ)

as good が比較の内容であることを明確にするため、as のすぐ後ろに good が来ます。as a good player as とはしません。

2not as / so ... as ─ 「ほど〜ない」

as ... as を否定にすると「...ほど〜ない」という意味になります。同じレベルではない、つまりそれ以下のレベルであることを示します。

📏 文法ルール:否定形の原級比較

A + not as [so] + 原級 + as + B 「AはBほど〜ない」(A < B)

※ not as ... as と not so ... as はほぼ同じ意味。not as ... as のほうが一般的。
※ not as ... as = less ... than とほぼ同義。
📝 例文で確認
I'm not as tall as him.
私は彼ほど背が高くない。(= He is taller than me.)
His new movie is not as exciting as we expected.
彼の新作映画は、期待していたほどおもしろくない。

3倍数表現 ─ 「〜倍」の表し方

as ... as の前に倍数を置くと、「...の何倍〜」を表すことができます。 2倍はtwice、3倍以上は数字 + times を使います。

📏 文法ルール:倍数表現

A + twice as + 原級 + as + B 「AはBの2倍〜」

A + three times as + 原級 + as + B 「AはBの3倍〜」

A + half as + 原級 + as + B 「AはBの半分〜」

※ almost as ... as(ほとんど同じくらい)、just as ... as(まったく同じくらい)のように、程度を表す語を前置することもできます。
📝 例文で確認
This room is twice as large as that one.
この部屋はあの部屋の2倍の広さだ。
Her sports car was ten times as expensive as mine.
彼女のスポーツカーは私の車の10倍の値段だった。
This air conditioner uses half as much electricity as that one.
このエアコンの消費電力はあのエアコンの2分の1だ。
🔬 ワンポイント:名詞を使った倍数表現

「倍数 + the + 名詞 + of ...」という形でも倍数を表現できます。

This coat is twice the length of that one.(このコートはあのコートの2倍の長さだ)

size(大きさ), weight(重さ), height(高さ), speed(速さ)などの名詞が使われます。

4原級の慣用表現 ─ 入試で狙われるパターン

as ... as を使った慣用表現は入試で頻繁に出題されます。以下のパターンは確実に覚えておきましょう。

慣用表現 意味
as ... as possible
= as ... as S can
できるだけ〜
as ... as any + 名詞(単数) どの...にも劣らず〜(=一番〜)
as ... as ever 相変わらず〜
as many as A / as much as A Aも(数・量の多さを強調)
as few as A / as little as A わずかAしか(数・量の少なさを強調)
as early as A 早くもA(時期)に
not so much A as B AというよりはむしろB
not so much as do 〜さえしない
without so much as doing 〜さえしないで
📝 例文で確認:重要慣用表現
I'll get there as fast as I can.
できるだけ早くそこに行くよ。
Charlie is as hardworking as any student in our class.
チャーリーはクラスで一番勤勉だ。(どの生徒にも劣らず勤勉)
We were surprised to hear that as many as 200 people attended the lecture.
200人もの人がその講義に出席したと聞いて驚いた。
Photography is not so much a job as a hobby for me.
写真撮影は私にとって仕事というよりはむしろ趣味だ。
🧠 ネイティブの感覚:as many as = 「そんなにも!」

as many as 200 people は、単に「200人」と述べるのではなく、わざわざ as ... as を加えて「そんなに多く!」という驚きを込めています。

反対に as few as / as little as は「たったそれだけ?」という驚きです。金額・時間・距離・年齢などは「量」として扱うため、as little as を使います(as few as ではなく)。

⚠️ 落とし穴:as much time as のように名詞を離さない

as ... as で名詞を含む場合、形容詞と名詞を離してはいけません。

✕ 誤:We killed time as much as possible.

○ 正:We killed as much time as possible.

比較の基準は much time(多くの時間)なので、much と time はセットで as ... as の中に入れます。

5つながりマップ

原級比較をマスターしたら、次のステップへ。

  • → G-8-3 比較級を用いた表現:比較級 + than の応用表現を学びます。原級比較との書き換えも頻出です。
  • → G-8-4 no more than / no less than などの表現:原級の数量強調(as many as 等)とセットで覚えましょう。
  • → G-8-1 原級・比較級・最上級の基本:比較級・最上級の作り方を復習するならこちら。

📋まとめ

  • as + 原級 + as = 「同じくらい〜」。比較対象はバランスよく揃える
  • not as [so] + 原級 + as = 「ほど〜ない」。less ... than とほぼ同義
  • 倍数表現:twice / three times / half などを as ... as の前に置く
  • 慣用表現はas ... as possible / as ... as any / as many as が特に重要
  • not so much A as B(AよりむしろB)、not so much as do(〜さえしない)も頻出

確認テスト

Q1. 「できるだけ早く」を英語で2通り表してください。

▶ クリックして解答を表示as soon as possible / as soon as S can(主語に応じて can を変える)

Q2. as many as と as much as の使い分けを説明してください。

▶ クリックして解答を表示as many as は「数」の多さを強調(可算名詞)。as much as は「量」の多さを強調(不可算名詞)。金額・時間・距離・年齢などは「量」として扱うので as much as を使う。

Q3. 「この部屋はあの部屋の3倍の広さだ」を英語にしてください。

▶ クリックして解答を表示This room is three times as large as that one.

Q4. not so much A as B を使って「彼女は女優というよりも歌手だ」を英語にしてください。

▶ クリックして解答を表示She is not so much an actress as a singer.(= She is a singer rather than an actress.)

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

8-2-1 A 基礎 倍数表現 空所補充

Travelling by air costs (  ) taking the train.

  • ① as much as twice
  • ② as much twice as
  • ③ twice as much as
  • ④ as twice much as
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

③ twice as much as

解説

判断のポイント:「2倍の費用がかかる」という倍数表現を作ります。

倍数表現の語順は「倍数 + as + 原級 + as + 比較対象」です。twice(2倍)を as much as の前に置いて ③ twice as much as が正解です。

「飛行機での移動は、電車の2倍の費用がかかる」

B 発展レベル

8-2-2 B 発展 慣用表現 空所補充

Read this book (  ).

  • ① as carefully as you can
  • ② as carefully as you possible
  • ③ so carefully as possible
  • ④ so carefully as you can
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

① as carefully as you can

解説

判断のポイント:「できるだけ注意深く」は as ... as possible か as ... as S can で表します。

命令文なので、S には命令する相手である you を使います。① as carefully as you can が正解。② は you possible という形が不適切。③④ は so ... as の形では肯定文で使えません。

C 応用レベル

8-2-3 C 応用 数量強調 空所補充

In some parts of the world, people working six or seven days a week make (  ) four dollars.

  • ① little as
  • ② as few as
  • ③ many as
  • ④ as little as
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

④ as little as

解説

判断のポイント:four dollars(金額)の少なさを強調する表現を選びます。

金額は英語では「量」として扱われるため、数の少なさを表す as few as ではなく、量の少なさを表す ④ as little as が正解です。「わずか4ドルしか稼げない」という意味になります。

得点の差がつくポイント
  • ② as few as を選んでしまう受験生が多い(dollars が可算名詞のため数と判断するミス)
  • 英語では金額・時間・距離・年齢は「量」として扱うので as little as / as much as を使う