It having rained the night before, the road was muddy. ── 「前の晩に雨が降ったので、道路はぬかるんでいた。」
G-7-4で学んだ分詞構文の基本を発展させます。受動態の分詞構文、主語が異なる独立分詞構文、入試頻出の慣用的な分詞構文、そしてwith + 名詞 + 分詞の付帯状況表現まで、応用パターンを一気に攻略しましょう。
分詞構文は基本的に現在分詞(doing)で表しますが、受動態の場合は being done の形になります。そして、この being はしばしば省略され、過去分詞(done)だけで文が始まることが多いのが特徴です。
基本形:Being done ..., S + V ...
being 省略形:Done ..., S + V ...(こちらが頻出)
完了形:Having been done ..., S + V ...
having been 省略形:Done ..., S + V ...(完了の意味でも省略可能)
文頭に過去分詞がいきなり来ると戸惑いやすいですが、「文の主語が〜される」という受動関係を確認しましょう。
Written in easy Japanese ← this textbook が「書かれている」(受動)→ OK
Writing in easy Japanese ← this textbook が「書いている」(能動)→ 不自然
文の主語との関係が能動なら doing、受動なら done。この判断が入試のカギです。
分詞構文では、分詞の意味上の主語は文の主語と一致するのが原則でした。しかし、両者が異なる場合は、分詞の前に意味上の主語を明示します。これを独立分詞構文と呼びます。
分詞構文では、分詞の主語を省略するのが基本です。省略できるのは「文の主語と同じだから」。逆に、主語が異なるときは省略せず、きちんと主語を置いてあげる必要があります。
"Today being my sister's birthday, I bought her some chocolates." ── 「チョコを買った」のは「私」、「誕生日」なのは「今日」。主語が違うので Today を明示しています。
名詞(意味上の主語)+ doing / done ..., S + V ...
Today being my sister's birthday, I bought her some chocolates.
(今日は妹の誕生日なので、彼女にチョコレートを買ってあげた。)
「雨が降った」のように天候を表す場合、主語は it です。文の主語と異なるので、it を明示した独立分詞構文になります。
there is ... の分詞構文では、there は省略せずに残します。there が分詞構文の意味上の主語の役割を担っていると考えましょう。
1. 名詞 + doing / done:一般的な独立分詞構文
2. It + doing / being ...:天候・時などの it が意味上の主語
3. There being ...:there is 構文の分詞構文化
分詞構文の中には、慣用表現として定着しているものが多くあります。これらは文の主語に関係なく使われ、文頭に置いて後続する内容を指定する「前置き表現」として機能します。入試では暗記項目として頻出なので、まとめて覚えましょう。
慣用的な分詞構文の多くは、後に続く内容への「前置き」として働きます。FACTBOOKの「指定ルール」に通じる考え方です。
"Judging from his accent, ..." ── 「彼のアクセントから判断した限りにおいてですが」と前置きして、後続の内容を指定しています。先に枠組みを示してから本題に入るリズムです。
| 慣用的な分詞構文 | 意味 |
|---|---|
| generally speaking | 一般的に言えば |
| strictly speaking | 厳密に言えば |
| frankly speaking | 率直に言えば |
| roughly speaking | おおまかに言えば |
| speaking [talking] of A | A と言えば |
| judging from A | A から判断すると |
| considering A | A を考慮すれば |
| given A | A を考慮すれば(= considering) |
| weather permitting | 天気がよければ |
| all things considered | すべてを考慮してみると |
weather permitting は独立分詞構文の一種です。weather(天気)が permit(許す)── 天気が許せば = 天気がよければ。
all things considered は受動態の独立分詞構文です。all things が consider される ── すべてのことが考慮されると = 総合的に考えてみると。being が省略された形です。
分詞構文の「2つのできごとを同時的に並べる」という本質を、前置詞 with で明示した形が付帯状況の withです。「〜しながら」「〜したまま」という同時進行の状況を表します。
with は「つながり」を表す前置詞です。ここでは「時のつながり = 同時」を表しています。
"She looked at me with a big smile on her face." ── 「彼女が私を見た」のと「満面の笑みが顔にあった」のが同時に起きていることを with が示しています。
with 以下に分詞を置けば、より動的な描写が可能になります。
能動関係(名詞が〜する)→ with + 名詞 + doing
受動関係(名詞が〜される)→ with + 名詞 + done
with の直後の名詞と分詞の関係に注目してください。文の主語との関係ではありません。
with his arms folded ← his arms が fold「される」→ 受動 → done
with his arms folding ← his arms が fold「する」→ 腕が自分で折りたたむ? → 不自然
「名詞が〜する」なら doing、「名詞が〜される」なら done。必ず名詞を主語にして判断しましょう。
付帯状況の with では、分詞の代わりに形容詞・前置詞句・副詞が来ることもあります。
with one's mouth full(口にものをほおばって)── 形容詞
with a pipe in one's mouth(パイプをくわえて)── 前置詞句
with one's hat on(帽子をかぶったまま)── 副詞
分詞構文で分詞を強調したいとき、現在分詞の直後に as S do の形を置くことがあります。この S は文の主語に一致します。
Doing as S do ..., S + V ...
Standing as it does on a hill, the restaurant commands a fine view.
(このとおり丘の上に立っているので、そのレストランは眺めがすばらしい。)
Q1. 受動態の分詞構文 being done の being は省略できますか。また、省略するとどんな形になりますか。
Q2. 独立分詞構文とは何ですか。どのような形をとりますか。
Q3. 「with + 名詞 + 分詞」で doing と done を使い分ける基準は何ですか。
Q4. 次の慣用的な分詞構文の意味を答えてください。(a) generally speaking (b) judging from A (c) weather permitting
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
( ) in easy Japanese, this textbook is good for school children.
(2) Written
判断のポイント:文の主語 this textbook と write の関係を確認します。
テキストは「書かれる」ものなので受動関係。受動態の分詞構文 Being written の being が省略された (2) Written が正解です。
(3) Writing は能動を表すので、「このテキストが(自分で)書いている」という不自然な意味になり不可。
「やさしい日本語で書かれているので、このテキストは児童にちょうどよい。」
( ) the night before, the road was muddy.
(1) It having rained
判断のポイント:the night before(前の晩に)から、述語動詞 was よりも前の時を表すので完了分詞構文が必要。また「雨が降る」の主語は天候の it で、文の主語 the road とは異なるため独立分詞構文にします。
天候の it を意味上の主語に置いた完了分詞構文 (1) It having rained が正解。
(2) Having rained では主語が the road になり「道路が雨を降らせた」で不可。(3) rain は自動詞なので受動態にできず不可。
「前の晩に雨が降ったので、道路はぬかるんでいた。」
He lay on the sofa with his ( ) and soon fell asleep.
(1) arms folded
判断のポイント:with + 名詞 + 分詞の形で、名詞と分詞の関係を判断します。
his arms と fold の関係は「腕が組まれる」という受動関係。よって過去分詞を用いた (1) arms folded が正解です。
(2) arms folding では「腕が(自分で)折りたたむ」という能動の意味になり不自然。(3)(4) は with + 名詞 + 分詞の語順になっていません。
「彼は腕を組んでソファーに横になり、すぐに眠りに落ちた。」