第7章 分詞

補語としての分詞
─ SVC と SVOC で「状態」を描写する

He came home disappointed. ── 「がっかりして帰ってきた」。
分詞は名詞を修飾するだけでなく、補語(C)として主語や目的語の状態を描写することができます。
SVC の主格補語と SVOC の目的格補語 ── 2つのパターンを整理すれば、分詞の使い方がさらに広がります。

1主格補語としての分詞(SVC)

分詞はSVC(S + V + C)の補語 C の位置に入り、主語の状態を説明することができます。これは進行形(be + doing)や受動態(be + done)と同じ原理です。

ネイティブの感覚:be動詞の補語と同じ仕組み

"We are happy." の happy が主語 We を説明するように、分詞も補語の位置に入って主語を説明します。

"I'm reading a novel." は、実は I = reading a novel(私 = 小説を読んでいる状態)という説明型。進行形も受動態も、分詞が補語として働いているだけなのです。

文法ルール:SVC の分詞

S + V + doing:主語が「〜している」(能動関係)

S + V + done:主語が「〜された」(受動関係)

※ V に来る動詞:be, remain, sit, stand, come, go, lie, keep など
※ 判断基準は名詞修飾と同じ ── S と分詞が能動なら doing、受動なら done。
例文で確認:主格補語の分詞
The baby kept crying for an hour.
赤ちゃんは1時間泣き続けた。(baby = crying → 能動)
She remained standing there.
彼女はそこに立ったままだった。(she = standing → 能動)
He came home disappointed.
彼はがっかりして帰ってきた。(he = disappointed → 受動)
Please remain seated for a couple of minutes.
数分間、座ったままでお願いします。(you = seated → 受動)
落とし穴:seat は「座らせる」という他動詞

remain seated の seated は、sit ではなく seat(〜を座らせる)の過去分詞です。

誤:Please remain seating.(seating だと「座らせている」になる)

正:Please remain seated.(seated =「座らされた」→ 座っている状態)

be seated =「座る / 座っている」は頻出表現。seat が他動詞であることを押さえましょう。

2目的格補語としての分詞(SVOC)

SVOC(S + V + O + C)の補語 C に分詞を置くと、目的語の状態を説明できます。「O が〜している / O が〜された」という意味になります。

文法ルール:SVOC の分詞

S + V + O + doing:O が「〜している」(O と doing は能動関係)

S + V + O + done:O が「〜された」(O と done は受動関係)

※ V に来る動詞:find, keep, leave, see, hear, feel, have, get, make など
例文で確認:目的格補語の分詞
I found him sleeping on the sofa.
彼がソファで眠っているのに気づいた。(him = sleeping → 能動)
I found him surrounded by kids.
彼が子どもたちに囲まれているのに気づいた。(him = surrounded → 受動)
My racket got broken during the game.
試合中にラケットが壊れた。(racket = broken → 受動、get の「不意に・突然」のニュアンス)
ネイティブの感覚:get + done は「突然の変化」

be + done が「〜されている」という静的な状態を表すのに対し、get + done は get のもつ「動き」のイメージから、「不意に・突然そうなった」というニュアンスを帯びます。

My racket got broken. は「壊れてしまった」という驚きや意外さを含んでいます。

3keep / leave + O + 分詞

keepleave は、SVOC で分詞を目的格補語にとる代表的な動詞です。「O を〜の状態にしておく」という意味で使います。

例文で確認:keep / leave + O + 分詞
I'm sorry to have kept you waiting.
お待たせしてすみません。(you = waiting → 能動:あなたが待っている状態に keep)
You should keep the door locked at all times.
常にドアに鍵をかけておくべきだ。(door = locked → 受動:ドアが施錠された状態に keep)
Don't leave the water running.
水を出しっぱなしにしないで。(water = running → 能動:水が流れている状態に leave)
She left the window broken.
彼女は窓を割れたままにした。(window = broken → 受動)
ワンポイント:keep A waiting は超頻出

keep A waiting(A を待たせる)は日常会話でも入試でも非常によく出る表現です。

"I'm sorry to have kept you waiting." は定番フレーズとして丸ごと覚えておきましょう。

4There is S doing / done

There is/are + S + 分詞 は、「S が〜している / S が〜されている」という存在と状態を同時に表す表現です。整序問題で頻出します。

文法ルール:There is S + 分詞

There is S doing ...「S が〜している」(S と doing は能動関係)

There is S done ...「S が〜されている」(S と done は受動関係)

※ S には the などで特定されていない名詞が来る。
※ 英語の「旧情報 → 新情報」の情報展開に沿った表現。
例文で確認
There is light coming from behind the clouds.
雲の向こうから光がさしている。(light = coming → 能動)
There was an expensive watch left in the locker room.
ロッカールームに高価な腕時計が置き忘れてあった。(watch = left → 受動)
ワンポイント:情報展開の視点

英語は「旧情報(すでに知っていること)→ 新情報(まだ知らないこと)」の順に情報を展開します。There が旧情報の目印として働き、S(新情報)+ 分詞句(さらなる新情報)と情報が広がっていきます。

この構造を理解すると、整序問題で語順を正しく組み立てやすくなります。

5つながりマップ

補語としての分詞を学んだら、次のトピックへ進みましょう。

  • → G-7-3 知覚動詞・使役動詞と分詞:see / hear + O + doing / done、have / get + O + done など、SVOC の発展形を詳しく学びます。
  • → G-7-1 名詞を修飾する分詞:補語と修飾の違いを比較すると、分詞の理解がさらに深まります。
  • → G-1 文型:SVC と SVOC の基本に立ち返り、補語の役割を再確認しましょう。

📋まとめ

  • SVC の分詞:主語の状態を描写。S が doing(能動)/ S が done(受動)
  • SVOC の分詞:目的語の状態を描写。O が doing(能動)/ O が done(受動)
  • keep / leave + O + 分詞で「O を〜の状態にしておく」
  • There is S doing / doneは整序問題の頻出パターン
  • get + done は「不意に・突然」のニュアンスを帯びる
  • 判断基準は常に同じ:能動なら doing、受動なら done

確認テスト

Q1. 次の空所に doing / done のどちらが入りますか。
He sat ( ) by many friends.

▶ クリックして解答を表示surrounded(done)。He と surround の関係は「彼が囲まれる」という受動関係なので、過去分詞を使う。

Q2. keep A waiting の意味と構造を説明してください。

▶ クリックして解答を表示「Aを待たせる」の意味。SVOC構造で、keep(V)+ A(O)+ waiting(C: 目的格補語)。Aが待っている(能動)という関係なので現在分詞 waiting を使う。

Q3. remain seated の seated はなぜ過去分詞ですか。

▶ クリックして解答を表示seat は「〜を座らせる」という他動詞。主語は「座らされる」側なので受動関係になり、過去分詞 seated を使う。be seated =「座っている」は頻出表現。

Q4. There is S doing の S にはどんな名詞が来ますか。

▶ クリックして解答を表示the などで特定されていない名詞が来る。There is構文は「〜がある/いる」と新情報を導入する表現なので、不特定の名詞(a / some / no / any など)が自然。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

7-2-1 A 基礎 keep + O + 分詞 空所補充

The driver kept the engine ( ) while we waited.

  • (1) run
  • (2) to run
  • (3) running
  • (4) ran
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(3) running

解説

判断のポイント:keep + O + C(分詞)の構造。the engine と run の関係を考えます。

「エンジンが動いている」は能動関係なので、現在分詞 running が正解です。keep O doing で「Oを〜の状態にしておく」の意味になります。

「私たちが待っている間、運転手はエンジンをかけたままにしていた。」

B 発展レベル

7-2-2 B 発展 主格補語 空所補充

Please remain ( ) for a couple of minutes.

  • (1) in seat
  • (2) seating
  • (3) seated
  • (4) to seat
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(3) seated

解説

判断のポイント:remain + C の構造。隠れた主語 You と seat の関係を考えます。

seat は「〜を座らせる」という他動詞。「あなたが座らされる」という受動関係なので、過去分詞 seated が正解です。remain seated で「座ったままでいる」の意味。

「数分間、座ったままでお願いします。」

C 応用レベル

7-2-3 C 応用 There is S doing 整序問題

雲の向こうから光がさしている。

( behind / light / coming / is / there / from ) the clouds.

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

There is light coming from behind the clouds.

解説

判断のポイント:There is S doing の構造を見抜けるかがカギです。

light(光)が coming(来ている)のは能動関係。There is light coming ... で「光が〜してきている」の意味になります。

from behind A で「Aの後ろから」。前置詞 from の後に前置詞 behind が来ているのがポイントです。

得点の差がつくポイント
  • There is S doing の構造を知らないと、語順を正しく組み立てられない
  • from behind という前置詞の連続に戸惑わないこと