第5章 不定詞

be動詞 + to不定詞
─ 予定・義務・可能・運命・意図を表す万能フレーズ

「be + to不定詞」は、たった一つの形で予定・義務・可能・運命・意図という5つもの意味を表せる表現です。
一見複雑に見えますが、to不定詞のコアイメージ「これから」から自然に導かれる使い方ばかり。
新聞記事の見出しや入試問題に頻出するので、しっかりマスターしましょう。

1「be + to不定詞」の基本イメージ

to不定詞のtoには「→(方向)」=「これから」というコアイメージがありました。「be + to不定詞」も、この「これから」のイメージから生まれた表現です。

ネイティブの感覚 ─ すべては「これから」から生まれる

「be + to不定詞」は「主語がこれから~する状態にある」というのが根本の意味です。「予定」なら「これから~することになっている」、「義務」なら「これから~すべきだ」、「運命」なら「これから~する運命だった」──どれもtoの「→これから」が自然に生み出す意味なのです。丸暗記する必要はありません。

基本の形

S + be動詞 + to do(Sはこれから~する状態にある)

この形が文脈に応じて「予定・義務・可能・運命・意図」の5つの意味を表します。

基本イメージの例
The President is to visit Japan next week.
大統領は来週、訪日の予定です。【予定】
You are to finish this by noon.
これを正午までに終えなさい。【義務・命令】

25つの用法を一気にマスター

「be + to不定詞」が表す5つの意味を順に見ていきましょう。どの用法も「これから~する」という方向性が根底にあります。

(1)予定「~する予定だ・~することになっている」

最もよく使われる用法です。フォーマルな響きがあるため、新聞記事の見出しで特に多用されます。日常会話でも使われます。

予定の例
The meeting is to be held tomorrow.
会議は明日開催される予定だ。
The new store is to be built next year.
新店舗は来年建設される予定だ。

(2)義務・命令「~すべきだ・~しなさい」

「これから~すべきだ」「~しなさい」という義務・命令の意味です。should / must に近い意味になります。

義務・命令の例
You are to be here by 7 a.m.
午前7時までにここに集合すること。
This assignment is to be submitted by Wednesday at the latest.
この課題は遅くとも水曜日には提出してください。

(3)可能「~できる」

否定文・受動態と組み合わせて「~できない」の意味で使われることが多い用法です。やや文語的な表現です。

可能の典型パターン

S + be動詞 + not + to be done(~できない)

否定文 + 受動態の不定詞のパターンが圧倒的に多い。can / could で言い換え可能。

可能の例
Not a star was to be seen in the sky.
空には星ひとつ見えなかった。(= could be seen)
She is not to be trusted.
彼女は信用できない。(= cannot be trusted)
The key was not to be found anywhere.
その鍵はどこにも見つけられなかった。

(4)運命「~する運命だった」

過去形の was / were と組み合わせて、「~する運命だった」「結局~することになった」という意味を表します。歴史的な叙述でよく見かけます。

運命の例
Four kids from Liverpool were to form a famous rock band ── the Beatles.
リバプール出身の4人の若者は、有名なロックバンドを結成することになるのだった──ビートルズだ。
He was never to return to his homeland.
彼は二度と故郷に戻ることはなかった。

(5)意図「~するつもりだ」

主にif節の中で使われ、「~するつもりなら」という意図・目的を表します。

意図の例
If you are to realize your dream, you must study much harder.
夢を実現するつもりなら、もっと必死で勉強しなければならない。
If we are to get to the show in time, we'd better leave right away.
もしショーに間に合うように行くつもりなら、すぐに出発したほうがいい。
5用法の早見表
用法意味ポイント
予定~する予定だ新聞の見出しに頻出
義務・命令~すべきだshould / must に近い
可能~できる(できない)否定文 + 受動態が多い
運命~する運命だったwas / were + to do
意図~するつもりならif節で使用

3名詞用法の補語との見分け方

「be + to不定詞」を見たとき、不定詞の名詞用法で「S = to do」の関係(補語)なのか、それとも「be to構文」なのか迷うことがあります。見分け方のコツを押さえましょう。

見分けのルール

「S is to do」を「Sは~することである」と訳して不自然な場合 → be to構文と判断する。

He is to teach English at high school.

✕ 彼は高校で英語を教えることである(不自然)

○ 彼は高校で英語を教えることになっている(予定 / 義務)

一方、My hobby is to read books.(私の趣味は本を読むことだ)は「S = to do」が自然に成り立つので、名詞用法の補語です。

判断のヒント

主語が「人」の場合は be to構文になることが多く、主語が「抽象名詞(dream, goal, hobby など)」の場合は名詞用法の補語になりやすい傾向があります。ただし文脈で判断することが大切です。

4if節での「be + to不定詞」

「be + to不定詞」がif節の中で使われると、「意図」の用法として「~するつもりなら」という意味になります。このパターンは入試で頻出です。

if節でのパターン

If S + be to do ..., S + must / should / had better ...

「~するつもりなら、…しなければならない」の構文。主節に must / should / had better などが来ることが多い。

if節での使用例
If you are to pass the exam, you had better start studying now.
試験に受かるつもりなら、今すぐ勉強を始めたほうがいい。
If peace is to be achieved, both sides must make compromises.
平和を実現するつもりなら、双方が妥協しなければならない。
be to構文 と be going to の違い

「be to do」と「be going to do」はどちらも「予定」を表せますが、ニュアンスが異なります。

be to do → フォーマル。公的な予定・決定事項。新聞記事向き。

be going to do → カジュアル。個人的な予定・計画。日常会話向き。

The President is to visit Japan.(公式報道)
I am going to visit my grandmother.(個人の予定)

🔗つながりマップ

  • G-5-1 不定詞の名詞的用法 ── 補語としてのto不定詞(be to構文との見分け方の基盤)
  • G-5-3 不定詞の副詞的用法 ── 「目的」の用法と「意図」のbe to構文の関係
  • G-5-5 原形不定詞 ── toなしの不定詞との対比で理解が深まる
  • G-8 助動詞 ── should / must / can との意味の重なり

まとめ

  • 「be + to不定詞」は「これから~する状態にある」が根本の意味。
  • 文脈に応じて予定・義務・可能・運命・意図の5つの意味を表す。
  • 可能の用法は否定文 + 受動態(not to be done)のパターンが多い。
  • 運命の用法は was / were + to do の形で使う。
  • 意図の用法は if節の中で使われ、主節に must / should が来やすい。
  • 「Sは~することである」と訳して不自然なら be to構文と判断する。

確認クイズ

Q1.「be + to不定詞」の5つの用法をすべて挙げなさい。

▶ クリックして答えを見る 予定・義務(命令)・可能・運命・意図

Q2. Not a star was to be seen in the sky. の「be + to不定詞」はどの用法か。

▶ クリックして答えを見る 可能の用法。「星ひとつ見えなかった(= could be seen)」の意味。否定文 + 受動態の不定詞というパターンに注目。

Q3. If you are to realize your dream, you must study harder. の「are to realize」はどの用法か。

▶ クリックして答えを見る 意図の用法。if節の中で「~するつもりなら」の意味。主節に must が来ているのもヒント。

Q4.「He is to teach English.」を「彼は英語を教えることである」と訳すのは正しいか。

▶ クリックして答えを見る 正しくない。「~することである」と訳して不自然な場合はbe to構文と判断する。「彼は英語を教えることになっている(予定 / 義務)」と訳すのが正しい。

入試問題にチャレンジ

問1 A 基礎 be to構文・予定

The president of the company announced today that a new store is (  ) next year.

  • 1. building
  • 2. built
  • 3. to be building
  • 4. to be built
▶ クリックして解答・解説を見る
解答

4. to be built

解説

「来年」という未来の予定を表す文脈から、「be + to不定詞」の予定用法を選ぶ。「新店舗が建てられる」という受動関係があるため、受動態の不定詞 to be built が正解。

問2 B 発展 be to構文・意図

If you (  ) your dream, you must study much harder.

  • 1. are realized
  • 2. are realizing
  • 3. are to realize
  • 4. would be realize
▶ クリックして解答・解説を見る
解答

3. are to realize

解説

if節で「夢を実現するつもりなら」という意図を表す be to構文。主節に must があることもヒント。1は受動態で意味が逆、2は進行形で文意に合わず、4は文法的に誤り。

問3 C 応用 be to構文・可能 / 語順整序

次の日本文に合うように、( )内の語を並べ替えなさい。

「その鍵はどこにも見つけられなかった。」

The key ( to / not / was / found / be ) anywhere.

▶ クリックして解答・解説を見る
解答

The key was not to be found anywhere.

解説

「見つけられなかった」は「be + to不定詞」の可能用法(否定形)。「S + was not + to be done」の語順を作る。「was not to be found」で「見つけることができなかった(= could not be found)」の意味になる。可能のbe to構文は、否定文 + 受動態のパターンが典型であることを覚えておこう。

採点ポイント
  • was not to be found の語順を正しく作れているか
  • be to構文(可能)= could の書き換えを理解しているか