第5章 不定詞

原形不定詞
─ toなしで動詞の原形を使う「知覚動詞」と「使役動詞」

不定詞には「to + 動詞の原形」の形だけでなく、toを伴わない原形不定詞があります。
使われる場面は限られていますが、知覚動詞と使役動詞との組み合わせは超頻出。
受動態にすると to が現れるという変換パターンも、入試の定番です。

1原形不定詞とは ─ toなしの不定詞

SVOC(第5文型)の補語Cの位置に動詞の原形が来る場合があります。 この動詞の原形を原形不定詞と呼びます。toを伴わない点が通常のto不定詞と異なります。

ここが本質:原形不定詞を使うのは知覚動詞と使役動詞

原形不定詞が使われる場面は主に2つです。

1. 知覚動詞(see / hear / feel / watch / notice など)+ O + 原形不定詞

2. 使役動詞(make / have / let)+ O + 原形不定詞

目的語Oと原形不定詞の間には「Oが〜する」という能動の関係が成り立ちます。

2知覚動詞 + O + 原形不定詞

知覚動詞(五感で知覚する動詞)は、「Oが〜するのを見る/聞く/感じる」を表すとき、O + 原形不定詞 の形をとります。

文法ルール:知覚動詞 + O + 原形不定詞

see O do(Oが〜するのを見る)

hear O do(Oが〜するのを聞く)

feel O do(Oが〜するのを感じる)

watch O do(Oが〜するのをじっと見る)

notice O do(Oが〜するのに気づく)

※ 「一部始終を見た/聞いた」というニュアンス。動作の進行中を強調する場合は O + -ing を使う。
例文で確認
I saw him cross the street.
彼が通りを渡るのを見た。(渡りきるのを一部始終見た)
Last night I heard my sister talk with you on the phone.
昨夜、姉があなたと電話で話すのが聞こえた。
I felt the ground shake.
地面が揺れるのを感じた。

3使役動詞 + O + 原形不定詞

使役動詞(make / have / let)は、「Oに〜させる」を表すとき、O + 原形不定詞 の形をとります。

文法ルール:使役動詞 + O + 原形不定詞

make O do(Oに(無理やり)〜させる)── 強制のニュアンス

have O do(Oに〜してもらう / させる)── 依頼・手配のニュアンス

let O do(Oが〜するのを許す / させてあげる)── 許可のニュアンス

※ make = 強制、have = 依頼・手配、let = 許可── ニュアンスの違いを意識しよう。
例文で確認
They made me read a newspaper every day.
彼らは毎日、私に新聞を読ませた。(強制)
I'll have him call you back.
彼に折り返し電話させます。(手配)
Let me know if you need anything.
何か必要なことがあれば知らせてください。(許可)
落とし穴:helpは原形不定詞もto不定詞もとれる

helpは使役動詞ではありませんが、特別に原形不定詞もto不定詞もとることができます。

○:She helped me carry the box.(原形不定詞)

○:She helped me to carry the box.(to不定詞)

どちらも正しく、意味に大きな違いはありません。特にアメリカ英語では原形不定詞が好まれます。

4受動態にするとtoが現れる

知覚動詞・使役動詞のSVOCを受動態にすると、原形不定詞がto不定詞に変わります。 これは入試で非常によく問われるポイントです。

ワンポイント:受動態では原形不定詞 → to不定詞に変わる

能動態:They made me read a newspaper.(原形不定詞)

受動態:I was made to read a newspaper.(to不定詞に変化!)

能動態:I saw him cross the street.(原形不定詞)

受動態:He was seen to cross the street.(to不定詞に変化!)

文法ルール:受動態で to が現れるパターン

be made to do(〜させられる)← make O do の受動態

be seen to do(〜するのを見られる)← see O do の受動態

be heard to do(〜するのを聞かれる)← hear O do の受動態

※ let の受動態は be allowed to do で表すのが一般的。
※ have の受動態はこの形では使わない。

All S have to do is (do) ─ 原形不定詞の特殊用法

All S have to do is do(Sは〜しさえすればよい)という表現では、be動詞の後ろに原形不定詞が来ます。

例文で確認
All you have to do is put the letter in an envelope and mail it.
手紙を封筒に入れて投函してくれさえすればよい。

5つながりマップ

  • → G-5-6 be動詞 + to不定詞:toを伴う不定詞がbe動詞と結びつく用法。原形不定詞とは対照的です。
  • → G-4 態(受動態):受動態でtoが現れるパターンは、態の理解があってこそ使いこなせます。
  • → G-5-4 to不定詞のその他のポイント:SVO to do パターン(tell A to do など)との違いを確認しましょう。

📋まとめ

  • 原形不定詞 = toなしの動詞の原形。知覚動詞・使役動詞で使う
  • 知覚動詞(see / hear / feel + O + 原形):「Oが〜するのを見る/聞く/感じる」
  • 使役動詞(make / have / let + O + 原形):make = 強制、have = 依頼・手配、let = 許可
  • helpは例外:原形不定詞もto不定詞もOK
  • 受動態では to が現れる:be made to do / be seen to do
  • All S have to do is do:「Sは〜しさえすればよい」── be動詞の後ろに原形不定詞

確認テスト

Q1. 原形不定詞が使われる2つの場面を挙げてください。

▶ クリックして解答を表示1. 知覚動詞(see / hear / feel など)+ O + 原形不定詞。 2. 使役動詞(make / have / let)+ O + 原形不定詞。

Q2. make / have / let のニュアンスの違いは何ですか。

▶ クリックして解答を表示make = 強制(無理やり〜させる)、have = 依頼・手配(〜してもらう)、let = 許可(〜させてあげる)。

Q3. They made me wait. を受動態にしてください。

▶ クリックして解答を表示I was made to wait. ── 受動態にすると原形不定詞がto不定詞に変わる。

Q4. helpの後ろには原形不定詞とto不定詞のどちらが来ますか。

▶ クリックして解答を表示どちらも可。helpは例外的に原形不定詞もto不定詞も目的語補語としてとれる。

8入試問題演習

A 基礎レベル

5-5-1 A 基礎 知覚動詞 空所補充

Last night I heard my sister (  ) with you on the phone.

  • ① talk
  • ② talks
  • ③ to talk
  • ④ be talking
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

① talk

解説

知覚動詞heardの後ろなので、原形不定詞talkを使います。hear O do「Oが〜するのを聞く」の形。

「昨夜、姉があなたと電話で話すのが聞こえた」

B 発展レベル

5-5-2 B 発展 使役動詞の受動態 空所補充

(a) They made me read a newspaper every day.
(b) I (  )(  )(  ) read a newspaper every day.

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

was made to

解説

make O do(使役動詞)の受動態は be made to do。能動態では原形不定詞readだったものが、受動態ではto readに変わります。

「私は毎日、新聞を読まされた」

C 応用レベル

5-5-3 C 応用 All S have to do is do 整序

次の日本語の意味になるように語句を並べ替えなさい。

「手紙を封筒に入れて投函してくれさえすればよいのだ。」

All (have / to / you / put / is / do / the) letter in an envelope and mail it.

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

All you have to do is put the letter in an envelope and mail it.

解説

All S have to do is do(Sは〜しさえすればよい)の構文。isの後ろに原形不定詞putが来る点に注意。

= You have only to put the letter ... / You only have to put the letter ... とも言いかえられます。

得点の差がつくポイント
  • All S have to do is の後ろに原形不定詞が来ることを知っているか
  • is to put(to不定詞)の形も許容されるが、原形不定詞がより一般的