第4章 受動態

受動態の疑問文・否定文
─ be 動詞の文だから、操作もいつも通り

受動態の疑問文と否定文は、難しそうに見えて実はとてもシンプルです。
なぜなら受動態はただの be 動詞の文だから。be 動詞を前に出せば疑問文、not をつければ否定文。
このシンプルな原理と、疑問詞を使うパターンまでしっかり押さえましょう。

1受動態の疑問文 ─ be 動詞を前に出すだけ

受動態の疑問文の作り方は、ふつうの be 動詞の文とまったく同じです。 "Are you happy?" と同じ要領で、be 動詞を主語の前に出すだけです。

📏 文法ルール:受動態の疑問文

Be動詞 + S + 過去分詞 (+ by 動作主) ?

「Sは(動作主によって)〜されますか / 〜されましたか」

※ 平叙文:The letter was written by Tom.
※ 疑問文:Was the letter written by Tom?
※ be 動詞を主語の前に移動するだけ。過去分詞はそのまま。
📝 例文で確認
Was this picture painted by Picasso?
この絵はピカソによって描かれたのですか。
Is French spoken in Canada?
カナダではフランス語が話されていますか。
Are these products made in Japan?
これらの製品は日本で作られていますか。
⚠️ 落とし穴:be 動詞を忘れて過去分詞だけにしてしまう

受動態で最も多いミスの1つが、be 動詞の脱落です。

✕ 誤:The letter written by Tom.(be 動詞がない!)

○ 正:The letter was written by Tom.

受動態は「be 動詞 + 過去分詞」がセット。be 動詞がなければ文として成立しません。be 動詞なしの「名詞 + 過去分詞」は分詞の後置修飾(the letter written by Tom = トムによって書かれた手紙)であり、文全体の述語動詞にはなりません。

2受動態の否定文 ─ be 動詞のうしろに not

否定文もふつうの be 動詞の文と同じです。"I am not happy." と同じ要領で、be 動詞のうしろに not を置くだけです。

📏 文法ルール:受動態の否定文

S + be動詞 + not + 過去分詞 (+ by 動作主)

「Sは(動作主によって)〜されない / 〜されなかった」

※ 短縮形も使える:wasn't / weren't / isn't / aren't
📝 例文で確認
The letter was not written by Tom.
その手紙はトムによって書かれたのではない。
This room isn't used very often.
この部屋はあまり使われていない。
The students were not allowed to leave early.
生徒たちは早退を許されなかった。
💡 ここが本質:受動態の操作 = be 動詞の操作

受動態を「特別な構文」だと思うと操作が複雑に感じられますが、「ただの be 動詞の文」と捉えれば一気にシンプルになります。

疑問文 → be 動詞を前に(Is it done?)

否定文 → be 動詞に not(It is not done.)

付加疑問文 → be 動詞で作る(It was done, wasn't it?)

すべて be 動詞の文のルールどおりです。何も新しいことはありません。

3疑問詞を使った受動態の疑問文

「いつ建てられたの?」「誰によって書かれたの?」のように疑問詞を使った受動態の疑問文も、基本の手順は同じです。

📏 文法ルール:疑問詞 + 受動態の疑問文

疑問詞 + be動詞 + S + 過去分詞 ...?

ただし、疑問詞が主語の場合は:疑問詞 + be動詞 + 過去分詞 ...?(語順の変化なし)

※ 疑問文の手順:① 尋ねたい箇所を疑問詞に置き換え → ② 文頭に移動 → ③ 残りは疑問文の語順(be動詞 + S)
📝 例文で確認:疑問詞が主語でない場合
When was this temple built?
この寺はいつ建てられましたか。
Where is rice grown?
米はどこで栽培されていますか。
Who was this book written by?
この本は誰によって書かれましたか。
📝 例文で確認:疑問詞が主語の場合
What was damaged by the typhoon?
その台風で何が被害を受けましたか。
Who was invited to the party?
誰がそのパーティーに招待されましたか。
🔬 ワンポイント:「誰によって?」の聞き方に注意

「誰によって〜されたか」を尋ねるとき、by の位置に注意しましょう。

Who was this book written by?(口語的・自然)

By whom was this book written?(フォーマル・文語的)

日常会話では前者が圧倒的に多く使われます。前置詞 by は文末に残すのが自然な英語です。

4助動詞を含む受動態の疑問文・否定文

助動詞(will, can, must, may など)を含む受動態の場合は、助動詞を操作の対象にします。 be 動詞ではなく助動詞を前に出して疑問文に、助動詞のうしろに not をつけて否定文にします。

📏 文法ルール:助動詞 + 受動態の疑問文・否定文

疑問文:助動詞 + S + be + 過去分詞 ...?

否定文:S + 助動詞 + not + be + 過去分詞 ...

※ 助動詞があるときは、助動詞が文の「操縦席」。be 動詞は原形 be のまま動かさない。
📝 例文で確認
Can this problem be solved easily?
この問題は簡単に解決できますか。
The meeting will not be held tomorrow.
会議は明日は開催されないでしょう。
This information must not be shared with anyone.
この情報は誰とも共有してはならない。
⚠️ 落とし穴:助動詞のあとに be を忘れる

助動詞があるとき、be を省略してしまうミスに注意です。

✕ 誤:The meeting will not held tomorrow.

○ 正:The meeting will not be held tomorrow.

助動詞 + 受動態 = 「助動詞 + be + 過去分詞」。be を忘れると受動態になりません。

5つながりマップ

受動態の疑問文・否定文を学んだら、次のトピックへ進みましょう。

  • → G-4-1 受動態の基本:受動態の基本の形と能動態からの書き換えを確認したい場合はこちらへ。
  • → G-4-3 注意すべき受動態:SVOO・SVOCの受動態や群動詞の受動態など、複雑なパターンに進みます。
  • → G-3 助動詞:助動詞 + 受動態をしっかり理解するには、助動詞の意味と使い方の復習が有効です。
  • → G-15 疑問文:疑問詞の使い方や疑問文の語順の基本を確認したいときはこちらへ。

📋まとめ

  • 受動態の疑問文 = be動詞を主語の前に出す(Was it written?)
  • 受動態の否定文 = be動詞のうしろに not を置く(It was not written.)
  • 疑問詞を使う場合:「疑問詞 + be動詞 + S + 過去分詞」。疑問詞が主語のときは語順変化なし
  • 助動詞を含む場合:助動詞を操作の対象にする。be は原形のまま

確認テスト

Q1. "This temple was built in 1500." を疑問文にしてください。

▶ クリックして解答を表示Was this temple built in 1500? ── be 動詞 was を主語 this temple の前に出すだけ。

Q2. "English is spoken in Australia." を否定文にしてください。

▶ クリックして解答を表示English is not spoken in Australia. ── be 動詞 is のうしろに not を入れるだけ。

Q3. 「この本は誰によって書かれましたか」を英語にしてください。

▶ クリックして解答を表示Who was this book written by? ── 「誰によって」を尋ねる疑問文。by は文末に残す。

Q4. "The meeting will not be held tomorrow." の下線部 be を省略したらどうなりますか。

▶ クリックして解答を表示受動態にならず、文として不正確になる。助動詞 + 受動態では「助動詞 + be + 過去分詞」のセットが必要。be の省略は不可。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

4-2-1 A 基礎 受動態の疑問文 空所補充

How often (  ) the flowers (  ) in this garden?

  • ① do ... water
  • ② are ... watered
  • ③ is ... watering
  • ④ does ... water
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② are ... watered

解説

判断のポイント:主語 the flowers と動詞 water(水をやる)の関係は「花が水をやられる」という受動の関係。

受動態の疑問文なので「be 動詞 + S + 過去分詞」の語順が必要です。the flowers は複数形なので are を使い、② are ... watered が正解。

「この庭の花にはどのくらいの頻度で水がやられていますか」

B 標準レベル

4-2-2 B 標準 助動詞+受動態 空所補充

The presidential election (  ) in November next year.

  • ① is going to hold
  • ② will be held
  • ③ will hold
  • ④ is held
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② will be held

解説

判断のポイント:主語 the presidential election(大統領選挙)と動詞 hold(開催する)の関係は「選挙が開催される」という受動の関係。

next year は未来を示すので、未来の受動態「will + be + 過去分詞」が必要。② will be held が正解。

① は能動態で「選挙が開催する」となり意味不明。③ も同様に能動態。

C 発展レベル

4-2-3 C 発展 疑問詞+受動態 語順整序

次の日本語に合うように、( )内の語句を並べ替えてください。

「その台風で何が被害を受けましたか。」

( by / damaged / the typhoon / was / what ) ?

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

What was damaged by the typhoon?

解説

判断のポイント:「何が」を尋ねる疑問文で、疑問詞 what が主語になっています。

疑問詞が主語の場合、be 動詞と主語の語順入れ替えは起こりません。「疑問詞(=主語) + be動詞 + 過去分詞」の語順になります。

What was damaged by the typhoon? がそのまま「主語 + 述語」の語順です。

得点の差がつくポイント
  • 疑問詞が主語のときは「疑問詞 + be動詞 + 過去分詞」と、語順を入れ替えない
  • 疑問詞が主語でないとき(例:When was it built?)との違いを理解しておく