must / have to / need to ── どれも「しなければならない」と訳されますが、ニュアンスは全く違います。
must が「話し手の主観的な圧力」なら、have to は「外からの客観的な必要性」。
さらに need と dare には「助動詞としての顔」と「一般動詞としての顔」があり、使い分けが試験で問われます。
have to は「しなければならない」「ちがいない」を表す助動詞相当の表現です。 must とほぼ同じ意味をもちますが、have to の have は一般動詞と同じように変化します。 三単現では has to、過去形では had to、未来は will have to になります。
肯定:S + have to + 動詞の原形 「...しなければならない」
否定:S + don't have to + 動詞の原形 「...する必要はない」
疑問:Do you have to + 動詞の原形 ...? 「...しなければなりませんか」
must と have to は日本語にすると同じ「しなければならない」ですが、ネイティブは使い分けています。
must:話し手自身がそう思っている主観的な判断。「自分の考えとして、やらねばならない」という圧力。
have to:外的な事情・ルール・状況から生まれる客観的な必要性。「状況がそれを要求している」という感覚。
例:You must read this book ── it's really interesting.(面白いから読むべきだ = 話し手の主観)
例:You have to read this book ── or you'll fail the course!(読まないと不合格 = 外的な必要性)
ただし、日常的にはこの区別を厳密に使い分けないネイティブも多く、試験でこの差が問われることは少ないです。
must と have to の否定形は、意味がまったく異なります。 ここは試験で最も問われるポイントの1つです。
| 形 | 意味 | |
|---|---|---|
| must not | must not + 原形 | 「してはならない」(禁止) |
| don't have to | don't have to + 原形 | 「する必要はない」(不必要) |
must の否定 must not は「禁止」ですが、have to の否定 don't have to は「不必要」です。この2つは全く違う意味になります。
✕ 誤解:must not = 「しなくてよい」
○ 正:must not = 「してはいけない」(= Don't ...!)
例:You must not park here.(ここに駐車してはいけない ── 禁止)
例:You don't have to park here.(ここに駐車する必要はない ── 別の場所でもよい)
must not は「圧力を否定する」のではなく、「しないことに圧力をかける」のだと考えましょう。
口語では have to の代わりに have got to を使うことがあります。have got は完了形で、「(過去にgetした結果、今)持っている」→ have got = have。よって have got to = have to です。
I've got to go now.(もう行かなくちゃ = I have to go now.)
You've got to be joking.(冗談だろう = You have to be joking.)
need には「助動詞としての用法」と「一般動詞としての用法」の2つがあります。 助動詞 need は否定文と疑問文に限って使われ、現代英語ではかなりフォーマルな響きをもちます。
【助動詞 need】── 否定文・疑問文のみ。後ろに動詞の原形が続く。
否定文:S need not(needn't) + 原形 「...する必要はない」
疑問文:Need S + 原形 ...? 「...する必要がありますか」
【一般動詞 need】── 肯定文・否定文・疑問文すべてで使える。後ろに to 不定詞。
肯定文:S need(s) to + 原形 「...する必要がある」
否定文:S don't need to + 原形 「...する必要はない」
疑問文:Do you need to + 原形 ...? 「...する必要がありますか」
助動詞 need を肯定文で使うことは基本的にありません。「する必要がある」と肯定で言いたいときは、一般動詞の need to do を使います。
実際のところ、助動詞 need は現代英語ではやや硬い表現です。日常会話では一般動詞 need to do で済ませるのがふつうです。ただし、試験では助動詞 need の形が問われるので、しっかり覚えておきましょう。
| 助動詞 need | 一般動詞 need | |
|---|---|---|
| 使える文 | 否定文・疑問文のみ | 肯定文・否定文・疑問文すべて |
| 後ろの形 | 動詞の原形(to なし) | to + 動詞の原形 |
| 三単現の -s | つかない | つく(needs to) |
| 否定の作り方 | need not(needn't) | don't / doesn't need to |
| 疑問文の作り方 | Need S + 原形 ...? | Do / Does S need to ...? |
| 過去形 | なし | needed to |
dare(あえて...する / 恐れずに...する)も、need と同様に「助動詞としての用法」と「一般動詞としての用法」の2つをもちます。 助動詞 dare は原則として否定文・疑問文で使われます。
【助動詞 dare】── 否定文・疑問文で使用。後ろに動詞の原形。
否定文:S dare not + 原形 「...する勇気がない」
疑問文:Dare S + 原形 ...? 「...する勇気がありますか」
【一般動詞 dare】── 後ろに to 不定詞。
否定文:S don't dare to + 原形 「...する勇気がない」
疑問文:Do you dare to + 原形 ...? 「...する勇気がありますか」
dare には、怒りや驚きを表す決まり文句があります。 これは入試でも出題される重要表現です。
「...するとはずうずうしいにもほどがある / よくも...できるね」という非難・驚きを表す表現です。
疑問符(?)の代わりに感嘆符(!)を用いることも多く、修辞疑問(答えを求めない疑問)として機能します。
助動詞 dare は現代英語ではあまり使われませんが、この How dare ...! の形は今でも日常的に使われる生きた表現です。
have to / need / dare を学んだら、関連するトピックにも目を向けましょう。
Q1. must not と don't have to の意味の違いを説明してください。
Q2. 次の2つの文の意味の違いを説明してください。
(a) You must read this book.
(b) You have to read this book.
Q3. 助動詞 need と一般動詞 need の違いを、否定文の形で示してください。
Q4. 次の空所に入る適切な語を答えてください。
How ( ) you speak to me like that!
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
In many schools in the U.S.A., you ( ) wear a uniform.
② don't have to
判断のポイント:「アメリカの多くの学校では制服を着る必要がない」という「不必要」の意味を表す表現を選びます。
① must not は「禁止」(着てはいけない)なので意味が合いません。② don't have to は「不必要」(着なくてよい)で文意が通ります。
must not(禁止)と don't have to(不必要)の区別は頻出です。
How ( ) you speak to me like that!
③ dare
判断のポイント:How ( ) S + 動詞の原形 ...! という形と、感嘆符から「非難・怒り」を表す表現だと判断します。
How dare S + 動詞の原形 ...!「よくも...できるね / ...するとは厚かましい」は助動詞 dare を使った決まり文句です。③ dare が正解。
「よくもまあ僕にそんな口がきけるね!」
次の2つの文がほぼ同じ意味になるように、空所に適語を入れなさい。
(a) In many schools in the U.S.A., you don't have to wear a uniform.
(b) In many schools in the U.S.A., you ( )( )( ) a uniform.
need not wear
判断のポイント:don't have to do(する必要はない)の同意表現を助動詞 need を使って書き換える問題です。
don't have to do = need not do = don't need to do(すべて「不必要」を表す)
空所が3つなので、助動詞 need を使った need not wear が正解です。don't need to wear だと4語になるため不適切。