第3章 助動詞

used to と would
─ 「以前は〜だった」「よく〜したものだ」の使い分け

「以前は〜だった」「よく〜したものだ」── 過去の習慣や状態を語るとき、used towould のどちらを使うかは入試頻出のポイントです。
さらに、be used to doing(〜に慣れている)との混同も狙われやすい急所。
この記事で、3つの表現の違いをすっきり整理しましょう。

1used to do(以前は〜だった / よく〜した)

used to do は、「以前は〜だった(が今はそうではない)」「以前はよく〜した(が今はしていない)」という意味を表す助動詞的な表現です。 過去の習慣的動作にも過去の状態にも使えるのが大きな特徴です。

文法ルール:used to do

S + used to + 動詞の原形

「(以前は)よく〜したものだ」(過去の習慣的動作)

「(以前は)〜だった(が今は〜ではない)」(過去の状態)

※ 否定形:didn't use to do(did を使うので use に -d がつかない)
※ やや古い否定形:used not to do
※ 疑問文:Did S use to do ...?
ネイティブの感覚:「以前は〜だったが、今はもう違う」

used to の核心は「過去と現在の対比」です。「以前はそうだったけれど、今はもうそうではない」という含みが常にあります。

単に過去の事実を述べるだけの一般過去形(lived, played など)と異なり、used to は「今との違い」を暗に伝える表現です。

例:I lived in Tokyo.(東京に住んでいた ── 今のことは言っていない)

例:I used to live in Tokyo.(以前は東京に住んでいた ── 今は住んでいない

例文で確認
I used to live in Tokyo.
以前は東京に住んでいた。(→今は住んでいない)【過去の状態】
My sister used to play the piano every day.
姉は以前、毎日ピアノを弾いていた。(→今はもう弾いていない)【過去の習慣】
There used to be a park in front of the station.
以前は駅前に公園があった。(→今はない)【過去の状態】
I didn't use to like dogs.
昔は犬が好きではなかった。(→今は好き)
ワンポイント:used to は「1つの助動詞」と考える

used to は形の上では「動詞 use の過去形 + to不定詞」に見えますが、実用上は used to 全体で1つの助動詞ととらえるのが実戦的です。

否定文では did を使って didn't use to とし、疑問文では Did S use to ...? とします。これは have to の否定が didn't have to になるのとまったく同じ原理です。

2would (often) do(よく〜したものだ)

would (often) do も「(以前は)よく〜したものだ」という過去の習慣的動作を表します。 しかし、used to との決定的な違いがあります。

文法ルール:would (often) do

S + would (often) + 動詞の原形

「(以前は)よく〜したものだ」(過去の習慣的動作)

※ often は省略可能。入れると「繰り返し」の意味がより明確になる。
※ 過去の「動作」にしか使えない。「状態」には使えない。
例文で確認
When we were children, we would go skating every winter.
子どものころ、私たちは毎冬スケートをしに行ったものだ。
My sister would often stand by me when I was in trouble.
姉は私が困っているとき、よくそばにいてくれたものだ。

used to と would の違い

used to do would (often) do
過去の習慣的動作
(よく〜した)
使える 使える
過去の状態
(〜だった)
使える 使えない
「今との対比」 含む(今はもう違う) 必ずしも含まない
落とし穴:would は「状態」には使えない

would (often) は過去の習慣的「動作」にしか使えません。状態動詞(be, have, know, like など)と一緒に使うことはできません。

✕ 誤:He would be shy as a child.

✓ 正:He used to be shy as a child.(子どものころは内気だった)

✕ 誤:There would be a park in front of the station.

✓ 正:There used to be a park in front of the station.(以前は駅前に公園があった)

be は「存在する」「〜である」という状態動詞。would の後には使えません。

ワンポイント:would は「過去の文脈」が必要

would で過去の習慣を語るときは、通常 when I was young や in those days のように過去の時を示す表現が前後にあります。文脈なしでいきなり would を使うと、仮定法の would と紛らわしくなるためです。

一方、used to は単独で使っても「以前は〜だった」と明確に伝わります。

3be used to doing / get used to doing

used to do(以前は〜した)と見た目が似ているため混同しやすいのが、be used to doing(〜に慣れている)と get used to doing(〜に慣れる)です。 この2つは意味も構造もまったく異なるので、しっかり区別しましょう。

文法ルール:be used to doing / get used to doing

S + be used to + 名詞 / doing 「〜に慣れている」(状態)

S + get used to + 名詞 / doing 「〜に慣れる」(変化)

※ この to は前置詞の to。後ろには名詞か動名詞(doing)が続く。
※ to不定詞(to do)ではないので、動詞の原形は来ない。
例文で確認
I am used to getting up early.
私は早起きに慣れている。
She got used to living alone.
彼女は一人暮らしに慣れた。
He is used to the cold weather.
彼は寒い気候に慣れている。(to + 名詞の例)

3つの「used to」を整理する

表現 意味 to の後ろ to の性質
used to do (以前は)よく〜した / 〜だった 動詞の原形 to不定詞の to
be used to doing 〜に慣れている 名詞 / 動名詞 前置詞の to
be used to do 〜するために使われる 動詞の原形 to不定詞の to(受動態)
落とし穴:used to do と be used to doing の混同

入試で最も狙われるのが、この2つの混同です。to の後ろに原形が来るかdoingが来るかで意味がまったく変わります。

✕ 誤:I am used to get up early.(get up は原形 → be used to doing にならない)

✓ 正:I am used to getting up early.(〜に慣れている)

✓ 正:I used to get up early.(以前は早起きしていた → 今はしていない)

判別のコツ:be動詞があれば be used to doing(前置詞の to)、be動詞がなければ used to do(助動詞 used to)。

ここが本質:受動態の be used to do にも注意

3つ目の be used to do は use(〜を使う)の受動態に目的を表す to不定詞が続いた形です。

This medicine is used to cure a cold.「この薬は風邪を治すために使われる

文脈から「〜に慣れている」なのか「〜するために使われる」なのかを判断しましょう。主語が「人」なら be used to doing(慣れている)、主語が「物」なら be used to do(使われる)と考えるのが基本です。

4つながりマップ

used to と would の理解をさらに深めるために、関連するトピックを確認しましょう。

  • → G-3-4 will / would の用法:would は will の過去形。過去の習慣以外にも、丁寧表現・仮定法などで幅広く使われます。would の全体像を掴みましょう。
  • → G-2-2 過去形の用法:used to do は過去形の一種です。一般の過去形との使い分け(「今との対比」の有無)を整理しておくと理解が深まります。
  • → G-3-10 助動詞 + have done:would have done は「〜しただろうに」(仮定法過去完了の主節)。would の用法を広げていきましょう。
  • → G-3-8 have to / need / dare:have to do と同様に、used to do も「助動詞 + 原形」のパターンで整理するのが実戦的です。

📋まとめ

  • used to do =「以前は〜だった / よく〜した」── 過去の状態にも動作にも使える
  • would (often) do =「よく〜したものだ」── 過去の動作にしか使えない(状態動詞は不可)
  • used to は「今との対比」(今はもう違う)を含み、would は必ずしも含まない
  • be used to doing =「〜に慣れている」── to は前置詞(後ろは名詞 / doing)
  • get used to doing =「〜に慣れる」── be が get に変わると「変化」の意味になる
  • 判別のコツ:be動詞あり → be used to doingbe動詞なし → used to do

確認テスト

Q1. used to do と would (often) do の最大の違いは何ですか。

▶ クリックして解答を表示used to は過去の「状態」にも「動作」にも使えるが、would は過去の「動作」にしか使えない。would の後に状態動詞(be, have, know など)は来ない。

Q2. 次の英文の誤りを正してください。
There would be a big tree in the garden.

▶ クリックして解答を表示would → used to。be は「存在する」という状態動詞なので would は使えない。There used to be a big tree in the garden.(以前は庭に大きな木があった)が正しい。

Q3. 次の2文の意味の違いを説明してください。
(a) I used to drive to work.
(b) I am used to driving to work.

▶ クリックして解答を表示(a) 以前は車で通勤していた(→今はしていない)。used to do = 過去の習慣。(b) 車で通勤することに慣れている。be used to doing = 現在の状態(慣れ)。to の性質が異なり、(a) は to不定詞、(b) は前置詞。

Q4. be used to doing の to は前置詞と不定詞のどちらですか。その理由も答えてください。

▶ クリックして解答を表示前置詞の to。理由は、to の後ろに名詞や動名詞(doing)が来るから。to不定詞であれば動詞の原形が来るはずだが、be used to のあとには doing / 名詞が続く。

7入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

3-9-1 A 基礎 used to do 空所補充

My sister (  ) in Chicago, but she moved to Los Angeles last year.

  • ① is used to living
  • ② used to live
  • ③ used to living
  • ④ was used to live
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② used to live

解説

判断のポイント:「以前はシカゴに住んでいたが、去年ロサンゼルスに引っ越した」という文脈から、過去の状態を表す used to do が適切です。

① is used to living は「住むことに慣れている」、③ used to living は文法的に不完全、④ was used to live は「住むために使われた」(受動態)で文意が成り立ちません。

「私の姉(妹)は以前シカゴに住んでいたが、去年ロサンゼルスに引っ越した」

B 発展レベル

3-9-2 B 発展 would 空所補充

When we were children, we (  ) go skating every winter.

  • ① liked
  • ② would
  • ③ might
  • ④ wanted
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② would

解説

判断のポイント:When we were children(過去の文脈)と every winter(繰り返し)があるので、「過去の習慣的動作」を表す would が適切です。

空所の後に動詞の原形 go が続くので、直後に原形をとれる ② would だけが文法的に成立します。① liked, ④ wanted の後に原形 go は続きません。③ might は現在や未来の推量を表すので文意に合いません。

「子どものころ、私たちは毎冬スケートをしに行ったものだ」

C 応用レベル

3-9-3 C 応用 be used to doing 空所補充

In fact, since French fashions were so popular, American dressmakers (  ) their names to French ones.

  • ① used to changing
  • ② used to change
  • ③ are used to changing
  • ④ were used to change
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② used to change

解説

判断のポイント:文脈は「フランスのファッションがとても人気があったので、アメリカの洋裁師たちは自らの名前をフランス風に変えたものだ」という過去の習慣です。

used to do(助動詞 used to + 原形)で「以前はよく〜したものだ」とするのが正解です。① used to changing は used to の後に原形ではなく doing が来ているので、助動詞 used to の用法としては誤りです。③ は時制が合わず、④ は「変えるために使われた」(受動態)で文意が不自然です。

「実際、フランスのファッションはとても人気があったので、アメリカの洋裁師たちは自らの名前をフランス風に変えたものだ」

得点の差がつくポイント
  • ① used to changing を選ぶと「be がない be used to doing」になってしまう誤り
  • used to do(助動詞)と be used to doing(前置詞 to + doing)の区別が鍵