「彼が日本を離れてから5年になる」── この1文を英語にする方法が5通り以上あることを知っていますか。
入試では書き換え問題・空所補充・整序英作文のいずれでも頻出のこの表現パターンを、
根っこの発想から理解して完全マスターしましょう。
「〜してから...になる」── この表現の出発点となるのが、It has been + 期間 + since + S + 過去形の構文です。 英語では「ある出来事を起点として、今に至るまでどれだけ時間が経ったか」を述べるとき、この形がもっとも基本になります。
It has been + 期間 + since + S + 過去形
「Sが〜してから(期間)になる / 〜してから(期間)が経った」
この構文を理解するカギは、since以下が「過去の一点(起点)」を、主節が「今に至るまでの期間の長さ」を表しているという点です。
時間の流れをイメージしてみましょう。「he left Japan」という過去の出来事を起点に、そこから現在まで「five years」という時間が流れている。この構文はその時間の流れを丸ごと表しているのです。
だからこそ、主節には現在完了(has been)を使い、since節には過去形を使います。起点は過去の一点なので、現在完了は使えません。
「彼が日本を離れてから5年になる」── この1つの日本語に対して、英語では5つの異なる言い方ができます。 入試では書き換え問題として頻出なので、すべてのパターンを整理しておきましょう。
| No. | 構文パターン | 主語 |
|---|---|---|
| 1 | It has been 5 years since he left Japan. | It(形式主語) |
| 2 | 5 years have passed since he left Japan. | 期間(5 years) |
| 3 | He left Japan 5 years ago. | 人(He) |
| 4 | He has been away from Japan for 5 years. | 人(He) |
| 5 | It is 5 years since he left Japan. | It(形式主語) |
5つの表現は意味はほぼ同じですが、何を主語にするか = どこに視点を置くかが違います。
パターン1・5:It を主語にして「経過した時間そのもの」を客観的に述べる。
パターン2:「5年という時間が通り過ぎた」と、時間の流れを主語にして擬人的に表現する。
パターン3:「彼が5年前に離れた」と、過去の行為そのものに焦点を当てる。
パターン4:「彼は5年間ずっと離れている」と、現在まで続く状態に焦点を当てる。
どの視点から切り取るかの違いであり、伝えている事実は同じです。
パターン4だけは他のパターンと少し性質が異なります。 since構文では「起点となる動作(left)」を使いますが、パターン4では現在完了 + forを使うため、動作動詞を状態動詞に変換する必要があります。
| 動作動詞(since構文) | 状態動詞(for構文) |
|---|---|
| he left Japan | he has been away from Japan |
| our grandfather died | our grandfather has been dead |
| she joined this company | she has been in this company |
| I lost my wallet | my wallet has been missing |
since節は「過去の起点(いつ始まったか)」を表す部分です。起点は過去の一点なので、動詞は必ず過去形を使います。
✕ 誤:It has been five years since he has left Japan.
○ 正:It has been five years since he left Japan.
since = 「〜以来」と覚えている人がつい現在完了と組み合わせてしまいますが、since節自体の中では「いつ起きたか」を特定する過去形を使います。ここは入試で最も狙われるポイントです。
パターン2の Five years have passed since ... で注意すべきは、主語が「Five years(5年間)」という複数名詞であることです。
そのため、動詞は have passed(複数形)になります。has passed ではありません。
ただし Ten years is a long time.(10年は長い時間だ)のように、期間をひとまとまりとして扱う場合は単数扱いになることもあります。文脈による判断が必要です。
「〜してから...になる」の表現と密接に関連するのが、the first time や the last time を使った表現です。 あわせて整理しておきましょう。
This / It is the first time (that) S + have/has + 過去分詞
「Sが〜するのはこれが初めてだ」
「初めてだ」→「過去に経験がない」ということなので、経験を表す完了形を使うのが正しい形です。
✕ 誤:This is the first time I visited Kyoto.
○ 正:This is the first time I have visited Kyoto.
日本語の「初めてだ」から過去形を連想しがちですが、英語では「今までの経験の有無」を完了形で表します。
the last time + S + 過去形:「前回(最後に)Sが〜したとき」
例:The last time I saw him, he was still a student.(前回彼に会ったとき、彼はまだ学生だった)
It has been a long time since + S + 過去形:「Sが〜してからずいぶん経つ」(= 久しぶり)
例:It has been a long time since I had a real vacation.(ちゃんとした休暇をとってからずいぶん経つ)
口語では Long time, no see.(お久しぶり)や It's been ages since ... などのカジュアルな表現もよく使われます。
この章で学んだすべての表現に共通する考え方は、「過去の一点を起点として、そこから現在までの時間を捉える」ということです。
It has been ... since ...(〜してから...経った)も、the first time + 現在完了(今回が初めて = 今までの経験ゼロ)も、the last time + 過去形(前回〜したとき)も、すべて「時間の起点と現在」の関係を表しています。
この「起点感覚」は、現在完了の「since + 過去形」の基本感覚そのものです。
この記事で学んだ「時間経過の表現」は、次のトピックと深くつながっています。
Q1. 「〜してから...になる」の基本構文を完成させてください。
It ( )( ) five years since he left Japan.
Q2. since節の動詞に現在完了を使えない理由を説明してください。
Q3. 次の2文がほぼ同じ意味になるように空所を埋めてください。
Our grandfather died almost ten years ago.
= Our grandfather has been ( )( ) almost ten years.
Q4. 次の英文の誤りを正してください。
This is the first time I visited London.
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
It ( ) ten years since the two companies merged.
① has been
判断のポイント:It と since に注目します。
It ... since の構文は It has been [is] + 期間 + since S + 過去形 の形をとります。空所に入るのは① has been です。
② has passed は主語が Ten years のときに使う形(Ten years have passed since ...)。主語が It のときは has been を使います。
「その2つの会社が合併してから10年になる」
Ten years ( ) since I left my home to work in this city.
③ have passed
判断のポイント:主語の Ten years と since に注目します。
主語が「期間(Ten years)」で since が続く場合は、期間 + have passed since + S + 過去形のパターンです。Ten years は複数名詞なので ③ have passed が正解。
④ is passed は受動態のように見えますが、pass は自動詞なので受動態にはできません。
この文は It has been ten years since I left my home to work in this city. と書き換え可能です。
次の2文がほぼ同じ意味になるように、空所に適語を入れなさい。
It's been almost ten years since our grandfather died.
= Our grandfather has been ( )( ) almost ten years.
dead for
判断のポイント:It has been ... since 構文から、現在完了 + for 構文への書き換え問題です。
since構文の動作動詞 died(死んだ)を、状態動詞 dead(死んでいる)に変換し、期間を表す for とともに使います。
dead は形容詞で「死んでいる(状態)」を表します。die は「死ぬ(動作)」を表す動詞です。この「動作→状態」の変換が書き換え問題の核心です。
同じ書き換え:Almost ten years have passed since our grandfather died. / Our grandfather died almost ten years ago.