第18章 接続詞
等位接続詞
─ and / but / or / so / for と相関接続詞
接続詞は英語の「道路標識」のようなもの。論理の筋道を正しく示し、相手を目的地まで導くための重要パーツです。
まずは等位接続詞──語と語、句と句、文と文を対等な関係で結ぶ接続詞から学びましょう。
and の「流れ」、but の「打ち消し」、or の「選択」── それぞれのコアイメージを掴むことが使いこなしの鍵です。
1等位接続詞とは ── 2つの接続リズム
英語の接続詞には大きく分けて等位接続詞と従位接続詞の2種類があります。
| 種類 |
働き |
代表例 |
| 等位接続詞 |
語と語、句と句、文と文を対等な関係で並べる |
and, but, or, so, for, yet, nor |
| 従位接続詞 |
主節に対して補助的な情報(時・理由・条件など)を付け加える |
when, because, if, although ... |
🧠 ネイティブの感覚:等位接続 = 「同じ重さ」で並べる
等位接続詞は、つなぐ2つの要素を同じ重さ(対等)で並べます。一方、従位接続詞は片方を「主」、もう片方を「従」として接続します。
この「対等 vs 主従」のリズムの違いが、英語の文構造を理解するうえで非常に重要です。
📝 等位接続と従位接続の比較
It started to rain hard and we got wet.
土砂降りになり、私たちは濡れた。(等位接続 → 2文が同等の重み)
Because it started to rain hard, we got wet.
土砂降りになったので、私たちは濡れた。(従位接続 → 主節 we got wet に力点)
2and / so ── 「流れ」と「因果」
and のコアイメージ:「流れ」
and の基本的な意味は「そして」ですが、そこには「流れ」の感覚が宿っています。
まずAに目をやり、次にBへ──この「流れ」が and の本質です。
📝 and の多彩な使い方
Jane and Nancy are best friends.
ジェーンとナンシーは親友だ。(並列)
I made a sandwich and ate it quickly.
サンドイッチを作って、サッと食べた。(時間的な流れ)
It started to rain hard and we got wet.
土砂降りになり、私たちは濡れてしまった。(因果関係をゆるやかに表現)
📏 文法ルール:命令文 + and / or
命令文, and S + V ...「...しなさい、そうすれば~」
命令文, or S + V ...「...しなさい、そうしなければ~」
※ and は「流れ」のイメージ。命令の内容が実現されれば自然にその結果へ「流れる」。
※ or は「選択」のイメージ。命令か、さもなければ別の(悪い)結果か、の二択。
📝 命令文 + and / or
Hurry up, and we'll catch the last train.
急ぎましょう。そうすれば最終電車に乗れます。
We'd better hurry, or we'll miss the train.
急いだほうがいい。そうしないと電車に乗り遅れるよ。
so のコアイメージ:「だから」(明確な因果)
so は明確な矢印で因果関係を表します。and が「ゆるやかな流れ」で因果を示すのに対し、so は原因→結果を強く結びつけます。
📝 so の用法
I didn't use sun cream, so I got burned.
日焼け止めを使わなかったので、日焼けしてしまった。
3but / yet ── 「打ち消し」と「逆接」
but のコアイメージ:「打ち消す」
but は先行する内容を打ち消す力を持つ接続詞です。
「好き」→ but →「大嫌い」のように、前の流れをバッと打ち消して逆の内容へ向かいます。
📝 but の用法
I like my new teacher but hate his jokes.
新任の先生は好きだけど、彼のジョークはごめんだ。
She never studies but always easily passes the tests!
彼女はまったく勉強しないが、テストではいつも簡単に合格する!
yet ── フォーマルな逆接
yet も but と同様に逆接の等位接続詞です。but よりもフォーマルな響きがあり、「しかしそれにもかかわらず」というニュアンスを持ちます。
⚠️ 落とし穴:yet の品詞に注意
yet には副詞の用法もあり、「まだ(~ない)」という意味で使われます。文脈で見分けましょう。
接続詞:He is old, yet he is still active.(彼は年をとっているが、まだ活発だ)
副詞:I have not called him yet.(彼にはまだ電話していない)
nor ── 否定の追加
norは「~もまた(~し)ない」と否定を追加する接続詞です。nor のあとは倒置(疑問文の語順)になる点に注意しましょう。
📝 nor の用法
I don't want to go, nor do I want to stay.
行きたくもないし、留まりたくもない。(nor の後ろは倒置)
4or ── 「選択」のイメージ
or のコアイメージは「AかBかの選択」です。この「選択」が場面によって「あるいは」「さもなければ」「おおよそ」といった意味に広がります。
📝 or の多彩な使い方
You can pay in cash, or you can use a credit card.
現金で支払うことも、あるいはクレジットカードを使うこともできます。(選択)
Which color do you want, red or blue?
どちらの色がいいですか、赤それとも青?(二者択一)
Thirty or forty people attended the presentation.
30人か40人がプレゼンに参加した。(おおよそ)
🔬 ワンポイント:for は「補足的な理由」
for は等位接続詞の一つで、前の内容に対して「というのは...だから」と補足的に理由を述べます。
because(従位接続詞)ほど強い因果関係ではなく、あとから理由を付け足す感覚です。
He must be ill, for he looks pale.(彼は病気に違いない。というのも顔色が悪いから)
※ for は文と文の間に置かれ、語と語・句と句を結ぶことはできません。
5相関接続詞 ── both...and / either...or / neither...nor など
等位接続詞を使った相関的な表現では、AとBに文法的に対等な表現(語・句・節)を置くのがルールです。
📏 文法ルール:相関接続詞の一覧
both A and B:AとBの両方 / AもBも
either A or B:AかBのどちらか(一方)
neither A nor B:AもBも(どちらも)...ない
not A but B:AではなくB
not only A but (also) B:AだけでなくBも
※ AとBには文法的に対等な表現を置く(名詞と名詞、動詞と動詞、節と節など)。
※ not only A but also B は B = also のほうに焦点がある。
📝 相関接続詞の例文
Both Takeshi and Ken agreed with my plan.
タケシもケンも両方とも私の計画に賛成した。
Either Takeshi or Midori will attend the meeting.
タケシかミドリのどちらかが会議に出る。
Mike likes neither coffee nor tea.
マイクはコーヒーも紅茶も好きではない。
People communicate not only with languages but also with facial expressions.
人間は言葉だけでなく、表情によっても意思を伝達する。
⚠️ 落とし穴:AとBの「対等性」に注意
相関接続詞の A と B には、文法的に同じ形を置くのが原則です。
✕ 誤:She not only speaks English but also French.
○ 正:She speaks not only English but also French.
A = English(名詞)、B = French(名詞)で対等になります。
6つながりマップ
等位接続詞の基本を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
- → G-18-2 名詞節を導くthat:that節が文の主語・目的語・補語になる仕組みを学ぶ。「同格のthat」も重要です。
- → G-18-4 「時」を表す接続詞:when / while / before / after など、従位接続詞の代表格を学びます。
- → G-18-5 「理由」を表す接続詞:because / since / as の使い分け。等位接続詞 so との違いも確認できます。
📋まとめ
- 等位接続詞は語・句・文を対等な関係で結ぶ接続詞(and / but / or / so / for / yet / nor)
- and のコアは「流れ」── 並列・時間の流れ・ゆるやかな因果を表す
- but のコアは「打ち消し」── 先行する内容を覆す逆接の接続詞
- or のコアは「選択」── 二択の提示、「さもなければ」にも発展
- 命令文 + and「そうすれば」/ 命令文 + or「そうしなければ」は頻出パターン
- 相関接続詞(both...and / either...or / neither...nor / not only...but also)ではAとBに文法的に対等な表現を置く
確認テスト
Q1. 等位接続詞と従位接続詞の違いを簡潔に説明してください。
▶ クリックして解答を表示等位接続詞は語・句・文を対等な関係で並べる(and, but, or など)。従位接続詞は主節に対して補助的な情報を加え、主従関係を作る(when, because, if など)。
Q2. 「命令文, and ...」と「命令文, or ...」の意味の違いを述べてください。
▶ クリックして解答を表示「命令文, and ...」は「~しなさい、そうすれば…」(and の「流れ」で良い結果へ向かう)。「命令文, or ...」は「~しなさい、そうしなければ…」(or の「選択」で悪い結果と二択になる)。
Q3. not only A but also B を使う際の注意点は何ですか。
▶ クリックして解答を表示AとBには文法的に対等な表現(語と語、句と句、節と節など)を置く必要がある。also は省略されることもある。only の代わりに just / simply / merely が使われることもある。
Q4. 等位接続詞 nor のあとの語順はどうなりますか。
▶ クリックして解答を表示nor のあとに文が続く場合は倒置形(疑問文と同じ語順)になる。例:I don't want to go, nor do I want to stay.
9入試問題演習
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
A 基礎レベル
Make haste, ( ) you will miss the last train.
▶ クリックして解答・解説を表示
解説
判断のポイント:命令文 Make haste に続く空所。後続の「最終電車に乗り遅れる」は悪い結果です。
「命令文, or S + V ...」で「~しなさい、そうしなければ…」という意味になります。「急ぎなさい、そうしないと最終電車に乗り遅れますよ」
※ ① and なら「そうすれば乗り遅れる」となり文意が通りません。
B 発展レベル
We will ( ) go to the movies or go to a baseball game Friday night.
- ① either
- ② neither
- ③ both
- ④ not
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解説
判断のポイント:空所のあとに or があることに注目します。
either A or B で「AかBのどちらか」。空所に either を入れると「金曜の夜、映画か野球の試合のどちらかに行く」となり文意が成立します。
② neither は nor とペア、③ both は and とペアなので、or とは組み合わせられません。
C 応用レベル
太郎は雨だから家に帰ったのではなく、疲れていたから家に戻ったのです。
Taro returned home (not because / it / but / he / was rainy / was tired / because).
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解答
not because it was rainy but because he was tired
解説
判断のポイント:「~だからではなく、…だから」は not A but B のパターンです。
A と B には文法的に対等な表現を置くので、A = because it was rainy、B = because he was tired となります。
得点の差がつくポイント
- not A but B のA・Bに「because節」を対等に並べることを見抜けるか
- not の位置を because の直前に置けるかがカギ