on the table、in Japan、with us ── 前置詞は名詞の前に置かれ、「その名詞の何が問題なのか」を指定します。
日本語の助詞(て・に・を・は)と似ているようで実は違う、英語独自のしくみを理解しましょう。
前置詞のイメージを掴めば、英語の表現力は飛躍的に広がります。
英語では、名詞だけでは「その名詞の何が問題なのか」が伝わりません。 たとえば「the table」だけでは、テーブルの上なのか、下なのか、横なのかわかりません。 そこで登場するのが前置詞です。
前置詞 + 名詞(句)のカタマリを前置詞句と呼びます。
前置詞は名詞の前に置かれ、「テーブル」ではなく「テーブルの上」のように、名詞が文中で果たす役割を指定します。
前置詞の後ろの名詞は「前置詞の目的語」と呼ばれ、代名詞の場合は目的格(me, him, her, us, them)を使います。
前置詞 + 名詞(句)= 前置詞句
代名詞が目的語になる場合は、必ず目的格を使う。
前置詞句は文中でどのような働きをするのでしょうか。 英語の大原則である「後ろに置けば説明になる」というルールがここでも活きています。
| 前置詞句の働き | 説明する対象 | 例 |
|---|---|---|
| 場所の修飾 | 文全体 | in Japan / at the station |
| 時の修飾 | 文全体 | at night / in the morning |
| 動詞の修飾 | 動詞 | going towards ~ / look at ~ |
| 名詞の修飾 | 名詞 | the students in my class |
実践レベルの英語では、前置詞句がハイフン(-)でつながり、形容詞のように名詞の前に置かれて「指定」として働くケースもあります。
behind-the-scenes negotiation(舞台裏の交渉)
under-the-table dealings(裏取引)
単なる「交渉」ではなく「舞台裏の交渉」と、その種類を指定しています。
前置詞の後ろには名詞だけでなく、さまざまな要素が置けます。 「意味さえ通ればどんな要素でもかまわない」と考えましょう。前置詞の後ろに来るものは、すべて名詞的なニュアンスを帯びます。
| 目的語の種類 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| 名詞 | on the table | テーブルの上に |
| 代名詞 | with us | 私たちと一緒に |
| 形容詞 | from bad to worse | 悪い状態からさらに悪い状態へ |
| 副詞 | until quite recently | かなり最近まで |
| 前置詞句 | from under the sofa | ソファの下から |
| 動名詞 | by calling me a liar | 私をうそつきと呼ぶことで |
| 疑問詞節 | on how you make decisions | どのように決断するかに |
| that節 | in that they use fire | 火を使うという点において |
前置詞の後ろに to不定詞を置くことは原則としてできません。動詞の意味を入れたい場合は動名詞を使います。
✕ 誤:She is good at to play tennis.
○ 正:She is good at playing tennis.
ただし look forward to doing の to は前置詞であり、不定詞の to ではないので、後ろには動名詞が来ます。
日本語には「て・に・を・は」などの助詞があり、前置詞と同じような働きをしているように見えます。 しかし、日本語からの類推で前置詞を理解しようとすると、大きなミスにつながります。
英語は語順のことばです。主語の位置に置かれるだけで主語として機能します。
There are a lot of Americans in Japan. という文は、「日本に」ではなく、in Japan(日本の中)というカタマリが文全体を後ろから説明していると考えるべきです。
翻訳の過程で「に」が出てくるだけであり、in = 「に」ではないのです。前置詞句のカタマリを、説明したい語句の後ろに並べる意識が重要です。
前置詞は名詞と結びつくだけでなく、動詞と結びついて句動詞(phrasal verbs)を作ります。 会話では、難しい動詞1語よりも、平易な動詞による句動詞が好まれます。
| タイプ | 構造 | 例 |
|---|---|---|
| 全体で自動詞 | 自動詞 + 副詞 | show up(現れる)/ break down(壊れる) |
| 全体で他動詞1 | 自動詞 + 前置詞 | run into(ばったり出会う)/ look for(探す) |
| 全体で他動詞2 (分離可能型) |
他動詞 + 副詞 | put on(着る)/ put off(延期する)/ find out(見つけ出す) |
分離可能型(他動詞 + 副詞)では、目的語が代名詞の場合、必ず分離して間に入れます。
○ put it on / × put on it
○ put the sweater on = put on the sweater(名詞ならどちらもOK)
副詞が目的語の状態を説明しているため、分離が基本です。put the sweater on = 「the sweater が on(身についている)となるように put する」。
句動詞の意味は「暗記」ではなく、イメージの合成で理解できるものが多くあります。
look for:look(目をやる)+ for(求めて)→「探す」
put off:本来の日程から off(離れたところに)put(置く)→「延期する」
find out:find(見つける)+ out(外に出てくる)→「見つけ出す」
run into:run + into(中にめり込む = 衝突)→「ばったり出会う」
前置詞の基礎を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. 前置詞の基本的な働きを一言で説明してください。
Q2. 前置詞の後ろに代名詞を置く場合、どの格を使いますか。
Q3. 次の英文の誤りを正してください。
She is good at to play tennis.
Q4. 分離可能型の句動詞で、目的語が代名詞の場合のルールを説明してください。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
I'm looking forward to ( ) you again.
② seeing
判断のポイント:look forward to の to は前置詞であり、不定詞の to ではありません。
前置詞の後ろには名詞・動名詞が来るので、② seeing(動名詞)が正解です。① see(原形)や ④ to see(不定詞)は前置詞の目的語にはなれません。
「またあなたに会えることを楽しみにしています。」
次の語句を並べ替えて、英文を完成させなさい。
「彼女はそのニュースを偶然知った。」
She ( found / about / out / the news ) by chance.
She found out about the news by chance.
判断のポイント:find out は「見つけ出す・知る」という句動詞です。
find out about A で「Aについて知る」という意味になります。found out about the news の語順が正解です。
Humans are different from other animals ( ) that they use fire.
③ in
判断のポイント:in that ... は「...という点において」という意味の慣用表現です。
前置詞 in の後ろに that節が来る形で、「火を使うという点において、人間は他の動物と異なる」という意味になります。前置詞の後ろに節(that節)が来る珍しいパターンの1つです。