第14章 名詞

可算名詞と不可算名詞
─ 「形があるかどうか」で決まる英語の世界観

dog は数えられるのに water は数えられない ── なぜでしょうか。
英語の名詞には「可算」と「不可算」という区別があります。
その判断基準は「決まった形があるかどうか」。この感覚を掴めば、名詞の使い方が劇的に変わります。

1可算名詞と不可算名詞の基本

英語の名詞は、大きく可算名詞(数えられる名詞)不可算名詞(数えられない名詞)に分かれます。 日本語には「1つ、2つ」と数える習慣がないため、この区別は日本人にとって大きなハードルですが、判断の基準はシンプルです。

💡 ここが本質:「決まった形があるかどうか」

英語話者は、名詞を口にするとき「それに決まった形があるかどうか」を常に意識しています。

可算名詞:dog, desk, book など ── 明確な輪郭・形がある → 1つ、2つと数えられる

不可算名詞:water, oil, sugar など ── 決まった形がない → 数えられない

「形があれば数えられる、形がなければ数えられない」── これが英語の名詞の根本原理です。

📏 文法ルール:可算名詞と不可算名詞の使い方の違い

可算名詞:複数形(-s)にできる / a, an をつけられる / many, a few で修飾

不可算名詞:複数形にできない / a, an をつけられない / much, a little で修飾

※ a lot of / lots of / plenty of は可算・不可算どちらにも使えます。
📝 例文で確認
I have many dogs.
私はたくさんの犬を飼っている。(可算 → many + 複数形)
I have much water.
水がたくさんある。(不可算 → much + 単数形のまま)
I have a few dogs.
犬を数匹飼っている。(可算 → a few)
I have a little water.
少し水がある。(不可算 → a little)

2不可算名詞になるのはどんな名詞?

「決まった形がない」名詞が不可算になります。具体的には次のようなカテゴリに分かれます。

カテゴリ なぜ不可算?
液体 water, oil, coffee, wine 形が定まらない
細かい粒の集合 sugar, salt, rice, sand 1粒1粒は意識されない
材質・材料 paper, wood, iron, glass どんな形にもなりうる
総称・集合 furniture, luggage, machinery さまざまな物の総称で形が定まらない
抽象概念 information, advice, news 目に見えない情報の類
お金そのもの money coin や bill は数えられるが money は抽象的
⚠️ 落とし穴:日本語の感覚で数えてしまう

日本語では「情報を3つ」「アドバイスを1つ」と言いますが、英語では information も advice も不可算名詞です。

✕ 誤:I got an information about the event.

○ 正:I got a piece of information about the event.

不可算名詞を数えるには「a piece of」などの数量表現を使います。

🧠 ネイティブの感覚:furniture はなぜ不可算?

furniture(家具)にはイス・机・棚などさまざまな物が含まれます。つまり「決まった形がない」のです。同様に luggage / baggage(手荷物)も、中身はスーツケースやバッグなどさまざま。machine は数えられますが、machinery(機械類)は総称なので不可算です。

「個別の物体なら可算、その総称なら不可算」── これが英語の発想です。

3不可算名詞の「数え方」

不可算名詞は直接数えることができません。数量を述べたいときは、容器や形状・量・重さの単位でカウントします。

📝 不可算名詞の数え方
a glass of wine / water / milk
グラス1杯のワイン / 水 / ミルク
a cup of coffee / tea
カップ1杯のコーヒー / 紅茶
a piece of information / advice / furniture
1つの情報 / 助言 / 家具
a slice of bread / pizza
1枚のパン / ピザ
🔬 ワンポイント:a piece of は万能選手

a piece of は「全体から取り出された一部分」という意味で、形の制限がないため幅広く使えます。

a piece of paper(紙1枚)、a piece of chocolate(チョコレート1つ)など。迷ったら a piece of を使えば安心です。

複数の場合は単位を複数にします:two glasses of wine(ワイン2杯)

4可算・不可算で意味が変わる名詞

実は、すべての名詞が可算と不可算にきっちり分かれるわけではありません。 多くの名詞は状況に応じて使い分けられ、可算・不可算で意味が変わるものも多くあります。

📝 例文で確認:chicken
I had chicken for dinner.
夕食に鶏肉を食べた。(不可算 = 形のない「肉」)
I saw a chicken in the yard.
庭で鶏を1羽見た。(可算 = 形のある「生きた鶏」)
名詞 不可算(形がない) 可算(形がある)
room スペース、余地 部屋
glass ガラス(素材) グラス / メガネ(glasses)
work 仕事 作品(works)
time 時間 回数 / 期間 / 機会
🧠 ネイティブの感覚:onion は可算?不可算?

I bought an onion.(タマネギを1つ買った)── コロコロとした形があるので可算。

There is too much onion in this soup.(このスープはタマネギが多すぎる)── 刻まれて形がないので不可算。

「同じ名詞でも、形があるかないかで可算・不可算が切り替わる」── これが英語の繊細さです。

5つながりマップ

可算・不可算の区別を学んだら、次のトピックへ進みましょう。

  • → G-14-2 単数と複数:可算名詞の複数形の作り方、常に複数形の名詞、集合名詞を学ぶ。
  • → G-14-3 限定詞(冠詞)の基本:a/an, the, 無冠詞のルール。可算・不可算で使える限定詞が変わります。
  • → G-14-4 単独で使う限定詞:some, any, no, every など。可算・不可算どちらに使えるかが重要です。

📋まとめ

  • 英語の名詞は可算名詞(数えられる)と不可算名詞(数えられない)に分かれる
  • 判断基準は「決まった形があるかどうか」
  • 不可算名詞には液体・材質・総称・抽象概念などがある(water, furniture, information など)
  • 不可算名詞を数えるにはa piece of / a glass of などの単位を使う
  • 多くの名詞は可算・不可算の両方で使える(chicken, room, glass, work, time など)

確認テスト

Q1. 可算名詞と不可算名詞を分ける基準を一言で言うと何ですか。

▶ クリックして解答を表示「決まった形があるかどうか」。形があれば可算、なければ不可算。

Q2. furniture(家具)が不可算名詞である理由を説明してください。

▶ クリックして解答を表示furniture にはイス・机・棚などさまざまな物が含まれ、決まった形がない総称だから。個別の物(chair, desk)は可算。

Q3. 「情報を2つもらった」を英語にしてください。

▶ クリックして解答を表示I got two pieces of information. ※ information は不可算名詞なので a piece of を使って数える。two informations は不可。

Q4. room が不可算で使われるのはどんな意味のときですか。

▶ クリックして解答を表示「スペース・余地」の意味のとき。形のないスペースなので不可算。一方「部屋」は区切って形を与えた空間なので可算。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

14-1-1 A 基礎 不可算名詞 空所補充

I need (  ) about the new project.

  • ① an information
  • ② informations
  • ③ some information
  • ④ some informations
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

③ some information

解説

判断のポイント:information は不可算名詞です。

不可算名詞には a/an をつけたり複数形にしたりできません。①②④はすべて不可算名詞の扱いに反しています。some は不可算名詞にも使えるため、③が正解です。

「新しいプロジェクトについていくらか情報が必要です」

B 発展レベル

14-1-2 B 発展 可算・不可算の区別 空所補充

We went to Kyoto by (  ).

  • ① a bus
  • ② the bus
  • ③ bus
  • ④ buses
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

③ bus

解説

判断のポイント:by + 交通手段では名詞は無冠詞・単数形で使います。

by bus は「バスという交通手段で」を表し、具体的な車両を指しているわけではないため不可算扱いです。by car, by train, by phone なども同様です。

「私たちはバスで京都に行った」

C 応用レベル

14-1-3 C 応用 可算・不可算の意味変化 正誤判定

次の文の下線部に誤りがあれば正してください。

I didn't have a room for more clothes in my suitcase.

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

a room → room(a を取る)

解説

判断のポイント:この文の room は「部屋」ではなく「スペース・余地」の意味です。

「スペース」は目に見えない概念で形がないため不可算名詞です。a をつけると「1つの部屋」の意味になってしまい文脈に合いません。

「スーツケースにはもう服を入れるスペースがなかった」

得点の差がつくポイント
  • room = 部屋(可算)/ スペース(不可算)の使い分けは入試頻出
  • 同様に work(仕事 = 不可算 / 作品 = 可算), glass(ガラス = 不可算 / グラス = 可算)なども要注意