「誰が空港に連れて行ってくれるの?」「僕の兄だよ(= My older brother will.)」──
英語では、前後関係から十分に意味がわかるものはしばしば省略されます。
繰り返しを避け、文を軽くシャープに保つ── これが英語の省略テクニックです。
省略(ellipsis)とは、前後関係から十分に意味がわかる要素を繰り返さずに取り除くことです。不必要な繰り返しを避けることで、文をよりシャープで自然にする英語の重要なテクニックです。
英語ネイティブにとって、すでにわかっている情報をもう一度言うのは「重たい」感覚です。省略は怠惰ではなく、コミュニケーションをスムーズにする積極的な選択です。
代用(one / do / so など)と省略は、どちらも「繰り返しを避ける」テクニック。英語の自然さの鍵を握っています。
前文の内容がすでに明らかな場合、助動詞のあとの動詞句を省略して、助動詞だけで文を終えることができます。これは省略の最も典型的なパターンです。
接続詞(when, while, if, though, unless など)のあとで、「主語 + be動詞」がわかりきっている場合は省略されることがあります。省略することで、はるかにシャープな印象を与えます。
接続詞 + (S + be動詞が省略) + 分詞 / 形容詞 / 前置詞句
to不定詞のあとの動詞句がすでに明らかな場合、to だけを残してあとを省略することができます。この to を代不定詞と呼びます。
if節の「主語 + be動詞」が省略された形は非常に頻繁に使われ、ほぼ定型表現として定着しています。入試でも頻出なので、まとめて覚えましょう。
| 省略形 | 元の形 | 意味 |
|---|---|---|
| if any | if there are any | たとえあるにしても / もしあれば |
| if ever | if S ever do | たとえあるにしても(頻度) |
| if anything | if there is anything | どちらかと言えば |
| if possible | if it is possible | 可能ならば / できれば |
| if necessary | if it is necessary | 必要ならば |
| if so | if it is so | そうだとしたら |
| if not | if it is not so | そうでないとしたら |
if any は準否定の数量形容詞 few / little(ほとんどない)とセットで使われます。「数量」に関する「たとえあるにしても」です。
if ever は準否定の頻度副詞 seldom / rarely(めったにない)とセットで使われます。「頻度・回数」に関する「たとえあるにしても」です。
省略を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. "I'd love to." の to のあとには何が省略されていますか。
Q2. "While traveling in Italy, ..." の while のあとに省略されている語句は何ですか。
Q3. if any と if ever の違いは何ですか。
Q4. "If possible" を省略しない形に戻してください。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
The lady is very quiet and doesn't speak unless ( ).
① spoken to
判断のポイント:unless のあとの「主語 + be動詞」が省略されたパターンです。
元は unless she is spoken to(話しかけられない限り)で、she is が省略されています。speak to A「Aに話しかける」の受動態 A is spoken to が基本。
「その女性はとても物静かで、話しかけられない限り口をきくことはない」
There are few mistakes, if ( ), in this long essay.
② any
判断のポイント:few(ほとんどない)とセットで使われる省略の慣用表現です。
if any(たとえあるにしても)= if there are any mistakes。few と if any は定番の組み合わせです。
「この長い作文には、たとえあるにしても、ほとんど間違いはない」
Mr. and Mrs. Thatcher seldom, if ( ), go out in the evening.
④ ever
判断のポイント:seldom(めったに~しない)は頻度を表す準否定の副詞です。頻度に関する「たとえ~するにしても」は if ever を使います。
if any は「数量」、if ever は「頻度」── この使い分けが決め手です。seldom / rarely とセットなら if ever、few / little とセットなら if any と覚えましょう。
「サッチャー夫妻は、たとえあるにしても、めったに夜は外出しない」