if節を使わなくても仮定法は使えます。
I wish ... / If only ... / S would rather ... は、事実に反する願望を表す定番表現。
「距離をとる」という仮定法の原理がそのまま応用されます。
wish は want や hope よりも現実感が薄く、後続の節に仮定法を要求する動詞です。 いつものように、距離を置くことによって「実際はそうではない」を表します。
(1) S wish + S' + 動詞の過去形(仮定法過去)
「S'が〜すればいいのにとSは思う」── 願う時点と同時の内容
(2) S wish + S' + had + 過去分詞(仮定法過去完了)
「S'が〜すればよかったのにとSは思う」── 願う時点より前の内容
(3) S wish + S' + would / could + 動詞の原形
「S'が(これから)〜すればいいのにとSは思う」── 願う時点より後の内容
wish が wished に変わっても、後続の仮定法は時制の一致を受けません。
I wish I had a car. → I wished I had a car.(had のまま。had had にはならない)
I wish I had finished my homework. → I wished I had finished my homework.(そのまま)
wishは「こうだったらいいのに(でも実際は違う)」という、現実との距離を含んだ願いです。だからこそ仮定法と一緒に使われるのです。
一方、hopeは「実現する可能性がある願い」なので、直説法(ふつうの時制)が続きます。
I hope it will be sunny tomorrow.(晴れるといいな = 可能性あり)
I wish it were sunny today.(今日晴れだったらなあ = 実際は曇り/雨)
If only は wish と同じ意味ですが、より強い願望を表します。「〜でさえあったらなあ!」という切実なニュアンスです。
(1) If only + S + 動詞の過去形!(仮定法過去)「Sが〜するならなあ」
(2) If only + S + had + 過去分詞!(仮定法過去完了)「Sが〜していたらなあ」
(3) If only + S + would / could + 動詞の原形!「Sが〜すればいいのになあ」
S would rather + S' + 仮定法 は、「S'が〜してほしいのですが」と、相手に対して丁寧に依頼するニュアンスを表します。
(1) S would rather + S' + 動詞の過去形(仮定法過去)
「S'が〜してほしいのですがとSは思う」
(2) S would rather + S' + had + 過去分詞(仮定法過去完了)
「S'が〜してほしかったのですがとSは思う」
I would rather stay home.(私は家にいたい)── 後ろに原形が直接続く。自分の希望。
I would rather you stayed home.(あなたに家にいてほしい)── S' + 仮定法過去。相手への丁寧な依頼。
後ろに「別の主語 + 過去形」が続いたら仮定法のパターンです。
Q1. wish と hope の違いを仮定法の観点から説明してください。
Q2. I wish I ( ) a car. 空所に入る語は?
Q3. If only と wish の違いは何ですか。
Q4. I'd rather you didn't smoke here. の仮定法の種類は?
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
He wishes he ( ) somewhere more exciting.
③ lived
判断のポイント:wishes に注目。wishの後ろには仮定法が続きます。
「もっと刺激的な場所に住んでいればいいのに」は現在形 wishes と同時の内容なので、仮定法過去の ③ lived が正解です。
I wish I ( ) enough money to buy the house around this time last year.
③ had had
判断のポイント:around this time last year(去年の今頃)は過去を表す語句です。
過去の事実に反する願望なので、仮定法過去完了(had + 過去分詞)を使います。haveの過去分詞は had なので、③ had had が正解です。
「去年の今頃、その家を買うだけのお金があったらよかったのになあ」
( ) I had studied English much harder when I was young!
② If only
判断のポイント:when I was young は過去を表す語句。had studied(過去完了形)があるので、過去の事実に反する願望を表す表現が入ります。
If only + S + had + 過去分詞!(仮定法過去完了)で「Sが〜していたらなあ」。② If only が正解です。
「若いころもっと一生懸命英語を勉強していたらなあ」