第10章 仮定法

as if + 仮定法 / It is time + 仮定法
─ 「まるで〜のように」「そろそろ〜する時だ」

as if / as though は「まるで〜であるかのように」と反事実を強調する表現。
It is time + 仮定法過去は「そろそろ〜する時間だ(まだしていない)」の意味。
どちらも仮定法の「現実との距離」の応用です。

1as if / as though + 仮定法

as if(= as though)は「まるで〜であるかのように」という意味で、仮定法と一緒に使うと反事実であることを強調します。

🧠 ネイティブの感覚:as if = 「もし〜であったら、そうするように」

as if は「もし〜であったら(if)、そうするように(as)」が元の意味です。仮定法が使われると「実際は違うのに、そうであるかのように」と反事実を伝えます。

ただし、話者が「本当にそうだ」と思っている場合は直説法も使われます。仮定法と直説法でニュアンスが変わる点がポイントです。

📏 文法ルール:as if + 仮定法

(1) as if + S + 動詞の過去形(仮定法過去)
「まるでSは〜であるかのように」── 主節の動詞と同時の内容

(2) as if + S + had + 過去分詞(仮定法過去完了)
「まるでSは〜であったかのように」── 主節の動詞より前の内容

※ as though も as if と同じ意味で使われる。
※ 主節の動詞が過去形に変わっても、as if 内の仮定法は時制の一致を受けない
📝 例文で確認
My brother talks as if he knew everything.
兄はまるで何でも知っているかのように話す。(実際は知らない → 仮定法過去)
He looked as if he had seen a ghost.
彼はまるで幽霊を見たかのような顔をしていた。(looked より前 → 仮定法過去完了)
He acted as if nothing had occurred.
彼は何事もなかったかのように振る舞った。
⚠️ 落とし穴:主節が過去形でも as if 内の仮定法は変わらない

主節の動詞が talks → talked に変わっても、as if 内の仮定法は時制の一致を受けません。

He talks as if he were my old friend. → He talked as if he were my old friend.(were のまま)

He talks as if nothing had occurred. → He talked as if nothing had occurred.(had occurred のまま)

🔬 ワンポイント:as if + 直説法 と as if + 仮定法の違い

仮定法:He looks as if he were ill.「病気のように見える」── 話者は病気ではないと思っている。

直説法:He looks as if he is ill.「病気のように見える」── 話者は本当に病気だと思っている。

現代英語では as if の後に直説法を用いることも増えていますが、入試では仮定法を選べるようにしておきましょう。

2It is time + 仮定法過去

It is time + S + 仮定法過去 は「Sはもう〜してもよい時期だ(まだしていない)」という意味の定式化された表現です。

📏 文法ルール:It is time + 仮定法過去

It is time + S + 動詞の過去形(仮定法過去)

「Sは〜してもよい時期[時間]だ」(まだしていないことを暗示)

※ It is high time ...「当然〜してもよい時期だ」── 強調
※ It is about time ...「そろそろ〜してもよい時期だ」── やや控え目
🧠 ネイティブの感覚:「する時間だけど、まだしていない」

It's time we said good-bye. で仮定法が使われるのは、「お別れをする時間だけど、まだしていない」という気持ちがあるからです。「すべきだけどまだしていない」= 現実との距離があるから仮定法を使うのです。

📝 例文で確認
It's time we said good-bye.
お別れの時間です。(まだお別れしていない)
It is time she began to think about her future.
彼女はもう自分の将来について考えてもいいころだ。
It is about time you went to bed.
そろそろ寝てもいい時間だよ。

3つながりマップ

  • → G-10-6 if it were not for / if it had not been for:「もし〜がなければ」を表す仮定法の定番表現を学びます。
  • → G-10-4 wish / If only + 仮定法:as if と同様、if節を使わない仮定法表現です。比較して理解を深めましょう。
  • → G-10-1 仮定法過去:as if / It is time の後に続く仮定法過去の基本形を再確認しましょう。

📋まとめ

  • as if + 仮定法過去:「まるで〜であるかのように」── 主節と同時の反事実
  • as if + 仮定法過去完了:「まるで〜であったかのように」── 主節より前の反事実
  • as if 内の仮定法は時制の一致を受けない(主節が過去形でも変わらない)
  • as if + 仮定法 = 「実際は違う」/ as if + 直説法 = 「本当にそうだと思っている」
  • It is time + 仮定法過去:「〜してもよい時期だ」(まだしていない → 現実との距離)
  • It is high time(当然〜すべき)/ It is about time(そろそろ〜すべき)

確認テスト

Q1. as if + 仮定法過去と as if + 仮定法過去完了の違いは?

▶ クリックして解答を表示仮定法過去は主節の動詞と同時の内容(「今まるで〜のように」)、仮定法過去完了は主節の動詞より前の内容(「まるで〜だったかのように」)。

Q2. It is time + 仮定法過去で、なぜ仮定法が使われるのですか。

▶ クリックして解答を表示「〜する時間だけど、まだしていない」という現実との距離があるから。「すべきだけどまだしていない」=現実との距離があるため仮定法を使う。

Q3. He talked as if he (  ) my old friend. 空所に入る語は?

▶ クリックして解答を表示were。主節が過去形 talked に変わっても、as if内の仮定法は時制の一致を受けない。「彼はまるで旧友であるかのように話した」

Q4. It is high time と It is about time のニュアンスの違いは?

▶ クリックして解答を表示high time は「当然〜してもよい時期だ」(強調)、about time は「そろそろ〜してもよい時期だ」(やや控え目)。

6入試問題演習

A 基礎レベル

10-5-1 A 基礎 It is time + 仮定法 空所補充

It is time she (  ) to think about her future.

  • ① begin
  • ② begins
  • ③ is beginning
  • ④ began
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

④ began

解説

判断のポイント:It is time + S + 動詞の過去形(仮定法過去)の定式化した表現です。

「彼女はもう自分の将来について考えてもいいころだ」。④ began が正解。

B 発展レベル

10-5-2 B 発展 as if + 仮定法 空所補充

Although we met today for the first time, I feel as if you (  ) my old friend.

  • ① have been
  • ② seem
  • ③ were
  • ④ would be
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

③ were

解説

判断のポイント:as if の後に仮定法が続きます。「昔からの友人であるかのように感じる」は、feel と同時の内容なので仮定法過去を使います。

be動詞の仮定法過去は were なので、③ were が正解です。

「今日初めて会ったのに、あなたが昔からの友人であるかのような気がします」

C 応用レベル

10-5-3 C 応用 as if + 仮定法過去完了 整序英作文

次の日本語に合うように、( ) 内の語句を並べ替えなさい。

「彼は何事もなかったかのように振る舞った。」

He ( had / if / acted / nothing / occurred / as ).

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

He acted as if nothing had occurred.

解説

判断のポイント:「何事もなかったかのように」は acted(振る舞った)より前の内容なので、as if + 仮定法過去完了(had + 過去分詞)を使います。

as if nothing had occurred で「何事もなかったかのように」。

得点の差がつくポイント
  • as if の後に仮定法過去完了が来るパターンを知っているか
  • acted(過去形)より前の内容だから had occurred になることを判断できるか