英語では主語が三人称単数なら動詞に -s がつく ── この基本は中学で学びました。
しかし入試では、主語が相関表現や部分表現のとき、動詞をどちらに合わせるかが問われます。
「both A and B は複数」「either A or B は B に一致」── ルールを体系的に整理しましょう。
英語では、述語動詞の形を主語の「人称」と「数(単数・複数)」に合わせる必要があります。これを主語と動詞の一致(Subject-Verb Agreement)と呼びます。
基本はシンプル。主語が単数なら動詞も単数形、主語が複数なら動詞も複数形。
問題は、主語が長くなったり複雑になったりしたときに「本当の主語は何か」を見失いやすいことです。
入試では、主語と動詞の間に修飾語句が入り込んで距離が離れているケースが頻出します。
主語と動詞の間に修飾語句が入ると、直前の名詞に動詞を合わせてしまうミスが起きます。
✕ 誤:The decrease in job opportunities in recent years have been a serious blow.
○ 正:The decrease in job opportunities in recent years has been a serious blow.
主語は the decrease(単数)。in job opportunities in recent years は修飾語句にすぎません。
相関的な表現(A and B, either A or B など)が主語になるとき、動詞の一致ルールは表現ごとに異なります。入試で最も問われるテーマです。
both A and B → 複数扱い(A も B も両方 → 常に複数)
either A or B → B に一致(どちらか一方 → 動詞に近い方に合わせる)
neither A nor B → B に一致(どちらも〜ない → 動詞に近い方に合わせる)
not only A but (also) B → B に一致(A だけでなく B も → B に合わせる)
A as well as B → A に一致(B だけでなく A も → A に合わせる)
either A or B や neither A nor B では、なぜ B に動詞を一致させるのでしょうか。
これは英語の「近接の原理」と呼ばれるもの。動詞のすぐ近くにある名詞に形を合わせるのが自然だからです。
A as well as B で A に合わせるのも同じ原理。as well as B は挿入的な要素で、文の核は A + 動詞です。
| 相関表現 | 一致の対象 | 覚え方 |
|---|---|---|
| both A and B | 複数扱い | 「両方」→ 常に複数 |
| either A or B | B に一致 | 近い方(B)に合わせる |
| neither A nor B | B に一致 | 近い方(B)に合わせる |
| not only A but also B | B に一致 | 近い方(B)に合わせる |
| A as well as B | A に一致 | メイン(A)に合わせる |
most of A / some of A / half of A / 分数 + of A などの部分・割合表現が主語になるとき、動詞はA に一致させます。
most of A / some of A / half of A / none of A / the rest of A / 分数 + of A
→ 述語動詞はA に一致させる
There構文では、be動詞のあとのA が真の主語です。be動詞は A に一致させます。
入試で極めて頻出の対比です。見た目は似ていますが、単数・複数の扱いが正反対になります。
the number of A(Aの数)→ 単数扱い(主語は number = 1つの数)
a number of A(たくさんのA)→ 複数扱い(= many A と同じ。主語は A)
冠詞が the か a かで、意味も一致ルールもまったく異なります。
○ the number of students is(「学生の数は」→ 単数)
○ a number of students are(「多くの学生が」→ 複数)
the なら「数」が主語(単数)、a なら「Aそのもの」が主語(複数)と覚えましょう。
形が複数に見えても、意味上は1つのまとまりとして単数扱いする表現があります。
(1) 国家・団体・雑誌の名称:the United States, the United Nations, the Times
(2) 時間・距離・金額・重量:Fifty minutes is enough. / Ten miles is a long distance.
(3) 学問・ゲーム・病気の名称:economics, mathematics, physics, billiards, measles
逆に、the + 形容詞で「〜な人々」を表す場合は複数扱いになります。
関係代名詞節内の動詞は先行詞に一致させます。
The number of people who were injured was greater than expected.
who 節内の動詞は先行詞 people(複数)に合わせて were。一方、主節の動詞は The number(単数)に合わせて was。
1つの文の中で、異なる一致ルールが同時に働くことがあるのです。
主語と動詞の一致を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. either A or B が主語のとき、動詞はどちらに一致させますか。その理由も説明してください。
Q2. the number of A と a number of A の違いを説明してください。
Q3. 次の空所に適語を入れてください。
The United Nations ( ) established in 1945.
Q4. 次の英文の誤りを正してください。
Mr. Tanaka, as well as you, were transferred to the Sales Department.
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
Both he and I ( ) to go to China.
② are
判断のポイント:both A and B が主語の場合、「AもBも両方」の意味で常に複数扱いです。
both he and I は複数扱いなので、② are が正解。are to go は「be動詞 + to do」で「予定」の意味を表します。
「彼も私も中国に行く予定だ」
A number of people ( ) invited to the party.
② were
判断のポイント:a number of A は「たくさんのA」の意味で、A(= people)に動詞を一致させます。
a number of people は複数扱いなので、② were が正解。invited は過去分詞で、受動態(were invited)を構成します。
the number of A なら「Aの数」で単数扱い(was)になるので注意。
「たくさんの人がそのパーティーに招待された」
次の英文の下線部のうち、誤りを含むものを1つ選びなさい。
The number of ①people who ②was injured ③was greater than they ④had expected.
② was → were
判断のポイント:この文には2つの一致ルールが同時に働いています。
② was は関係代名詞 who の節内の動詞。who の先行詞は people(複数)なので、were が正しい。
③ was は主節の動詞。主語は The number of people ...(the number = 単数)なので、was は正しい。
「負傷者の数は彼らの予測を上回っていた」