動詞の語法

意外な意味を持つ動詞

work(うまくいく)、address(対処する)、make/take/getの多義語まで――入試で差がつく「意外な意味」を完全攻略!

1意外な意味の自動詞

日本語で覚えた基本的な意味とは別に、自動詞として「意外な意味」を持つ動詞があります。入試では、この意外な意味こそが問われます。

コアイメージから意外な意味へ

英語の動詞には「コアイメージ」があり、そこから様々な意味が派生します。意外に見える意味も、コアから辿れば自然です。

work のコア=「機能する・働く」
→ 機械が「働く」→ 計画が「働く」→ うまくいく

count のコア=「数に入る」
→ 数に入る → カウントされるべき存在 → 重要である

pay のコア=「対価を払う」
→ 払った対価に見合う → 割に合う・利益になる

覚えるべき自動詞の意外な意味
動詞 基本の意味 意外な意味
work 働く うまくいく・効果がある
count 数える 重要である
pay 支払う 割に合う・利益になる
matter (名詞:問題) 重要である
do する 十分である・間に合う
stand 立つ 立候補する
run 走る 立候補する
例文:意外な意味の自動詞
The plan didn't work.
その計画はうまくいかなかった。
Every vote counts.
一票一票が重要だ。
It pays to be honest.
正直でいることは割に合う(得をする)。
This bag will do for the trip.
このカバンで旅行には十分だ。
stand と run ── 「立候補する」の違い

stand for ... はイギリス英語で「...に立候補する」。「立って名乗り出る」イメージです。

run for ... はアメリカ英語で「...に立候補する」。「選挙レースを走る」イメージです。

入試ではどちらも出題されるので、両方押さえておきましょう。

2意外な意味の他動詞

他動詞にも、基本義からは想像しにくい意味を持つものが多数あります。特に長文読解で「知っているはずの単語なのに訳せない」原因は、意外な他動詞の意味を知らないことにあります。

コアイメージから他動詞の意外な意味へ

address のコア=「~に向ける」
→ 手紙に「宛名を向ける」→ 問題に「注意を向ける」→ 対処する

save のコア=「残しておく」
→ お金を「残す」→ 時間・手間を「残す」→ 省く・節約する

miss のコア=「当たらない・届かない」
→ 的に「当たらない」→ 電車に「届かない」→ 乗り遅れる

覚えるべき他動詞の意外な意味
動詞 基本の意味 意外な意味
address 宛名を書く (問題に)対処する・取り組む
save 救う・貯める (手間・時間を)省く
miss 恋しく思う 乗り遅れる・見逃す
spare 予備の(形容詞) (時間・労力を)割く
follow ついていく 理解する
command 命令する (景色を)見渡せる
book (名詞:本) 予約する
leave 去る・出発する 残す
run 走る 経営する
例文:意外な意味の他動詞
We need to address this problem immediately.
私たちはこの問題にすぐに対処する必要がある。
This shortcut will save you a lot of time.
この近道を使えばかなりの時間を省けるだろう。
I missed the last train home.
家に帰る最終電車に乗り遅れた。
Can you spare me a few minutes?
数分だけ時間を割いていただけますか?
follow = 理解する に要注意

「ついていく」→ 話の流れに「ついていく」→ 理解する。長文読解で頻出です。

✗ I can't follow. を「ついていけない」と直訳して終わらない

✓ I can't follow your argument. = あなたの議論が理解できない。

3基本動詞の多義

make / take / have / get / do などの基本動詞は、非常に多くの意味を持ちます。コアイメージを押さえれば、派生する意味を体系的に理解できます。

基本動詞のコアイメージ

make のコア=「力を加えて作り出す」
→ 物を作る / お金を作る(稼ぐ)/ 状態を作る(~にする)/ 間に合わせる

take のコア=「手に取って自分のものにする」
→ 取る / 連れていく / (時間が)かかる / 受け入れる

get のコア=「ある状態に至る」
→ 手に入れる / 理解する / ~になる / ~させる

基本動詞の多義一覧
動詞 コアイメージ 主な意味
make 力を加えて作り出す 作る / 稼ぐ / ~にする / 間に合う
take 手に取る 取る / 連れていく / かかる / 受け入れる
have 自分の領域に持つ 持つ / 食べる / 経験する / ~させる
get ある状態に至る 得る / 理解する / ~になる / ~させる
do 行為を遂行する する / 十分である / 処理する / 仕上げる
例文:基本動詞の多義
He makes a lot of money.
彼はたくさんのお金を稼いでいる。
It takes courage to speak up.
声を上げるには勇気がいる。
I don't get what you mean.
あなたの言いたいことがわからない(理解できない)。
make it = 間に合う・成功する

make it は「(目標を)作り上げる」→「やり遂げる」→「間に合う・成功する」と派生した表現です。入試の会話文・長文で頻出です。

例:I'm afraid I can't make it to the meeting.(残念ながら会議に間に合いません。)

4入試で狙われる意外な意味

入試頻出!まとめて覚えるリスト

以下の動詞の「意外な意味」は入試で繰り返し出題されています。意味を見て動詞が即答できるまで練習しましょう。

work = うまくいく
count = 重要である
pay = 割に合う
matter = 重要である
address = 対処する
save = 省く
miss = 乗り遅れる
follow = 理解する
run = 経営する / 立候補する
make it = 間に合う・成功する

文脈で意味を判断する力が必須

同じ動詞でも文脈によって全く異なる意味になります。入試では「基本の意味」で訳すと文意が通らない箇所を探し、意外な意味を当てはめる力が試されます。

✗ He runs every morning. を「経営する」と訳してしまう

✓ 文脈から「走る」と判断。He runs a small company. なら「経営する」

文脈による意味の違い
The hotel commands a fine view of the lake.
そのホテルは湖の美しい景色を見渡せる。
I booked a table for two at the restaurant.
レストランに2人分のテーブルを予約した。
Please leave your name and number.
お名前と電話番号を残してください。

まとめ

  • work / count / pay / matter など基本自動詞に「意外な意味」がある
  • address / save / miss / follow / run など基本他動詞にも意外な意味がある
  • make / take / get などの基本動詞はコアイメージから多義を体系的に理解する
  • 入試では文脈から「意外な意味」を正しく読み取る力が問われる
  • 動詞のコアイメージを押さえれば、暗記量を大幅に減らせる

確認テスト

問1. 次の英文の意味として最も適切なものを選びなさい。
"It pays to study hard."
▶ クリックして解答を表示 「一生懸命勉強することは割に合う(報われる)。」payは「割に合う・利益になる」の意味。It pays to do ... で「~することは割に合う」という構文。
問2. 下線部の意味を答えなさい。
"We must address the issue of climate change."
▶ クリックして解答を表示 「対処する・取り組む」。address は「宛名を書く」が基本義だが、問題に注意を「向ける」→「対処する」と派生。
問3. 次の英文を和訳しなさい。
"I can't follow your reasoning."
▶ クリックして解答を表示 「あなたの論理展開が理解できない。」followは「ついていく」→ 話の筋に「ついていく」→「理解する」。
問4. 次の英文の意味として最も適切なものを選びなさい。
"She runs a successful business."
▶ クリックして解答を表示 「彼女は成功したビジネスを経営している。」runは「走る」が基本義だが、他動詞で「経営する」の意味を持つ。

入試問題演習

A 基礎
次の英文の下線部の意味として最も適切なものを選びなさい。
"Every second counts in an emergency."
① 数える
② 計算する
③ 重要である
④ 含む
▶ クリックして解答・解説を表示
正解:③ 重要である
countのコアは「数に入る」。数に入る=重要な存在である、と派生する。文意は「緊急時には一秒一秒が重要だ」。主語がEvery secondで自動詞として使われている点にも注目。
B 発展
次の英文の空所に入る最も適切な動詞を選びなさい。
"This will (  ) you a lot of trouble."
① keep
② save
③ take
④ give
▶ クリックして解答・解説を表示
正解:② save
saveは「救う」だけでなく「(手間・時間を)省く」の意味がある。save 人 物 で「人の物を省く」。文意は「これであなたは多くの手間が省ける」。SVOO構文で使われている点も押さえておこう。
C 応用
次の英文を和訳しなさい。
"The government must address poverty, and it will take time, but every effort counts."
▶ クリックして解答・解説を表示
模範解答:「政府は貧困に対処しなければならない。それには時間がかかるだろうが、あらゆる努力が重要である。」
address = 対処する、take = かかる(it takes time)、count = 重要である、の3つの「意外な意味」が1文に凝縮された良問。基本の意味で訳すと文意が通らないことに気づけるかがカギ。