第9章 関係詞

複合関係詞

複合関係詞(whoever, whatever, whicheverなど)は「〜するものは誰でも」「〜するものは何でも」という意味を表し、名詞節や副詞節を導きます。暗記に頼らず、なぜその意味になるのかをイメージで理解しましょう。

1複合関係詞の基本概念

複合関係詞の本質
複合関係詞は疑問詞 + everの形で、「〜するものは誰でも/何でも」という意味を表します。who + ever = whoeverのように、疑問詞の「不確定性」にeverの「どんなものでも」という強調が加わったイメージです。
ネイティブ感覚
ネイティブにとって複合関係詞は「選択肢を全部含む」感覚です。whoeverは「誰を選んでも」、whateverは「何を選んでも」というニュアンス。everが「どれでもOK」という寛容さを表現しています。
基本例文
Whoever comes first will get the prize.
最初に来る人は誰でも賞品がもらえる。
You can choose whatever you like.
好きなものを何でも選べます。
However hard it is, I'll try my best.
どんなに困難でも、全力を尽くします。

2名詞節を導く複合関係詞

名詞節での用法
複合関係詞意味用法
whoever〜する人は誰でも主語・目的語・補語
whatever〜するものは何でも主語・目的語・補語
whichever〜するものはどちらでも主語・目的語・補語
間違えやすいポイント
✗ Whoever he is rich doesn't matter.
✓ Whether he is rich doesn't matter.
複合関係詞の節内では主語・述語の関係が成立していることが重要。whetherとの混同に注意。
名詞節の例文
Whoever wins will represent our school.
勝つ人は誰でも我々の学校を代表することになる。
I'll support whatever decision you make.
あなたがどんな決定を下しても支持します。
Choose whichever color you prefer.
好みの色をどちらでも選んでください。

3副詞節を導く複合関係詞

副詞節での用法
副詞節を導く複合関係詞は「譲歩」の意味を表します:
複合関係詞意味譲歩の内容
whoever誰が〜しても人に関する譲歩
whatever何が〜しても物・事に関する譲歩
whereverどこで〜しても場所に関する譲歩
wheneverいつ〜しても時に関する譲歩
howeverどんなに〜しても程度に関する譲歩
譲歩のイメージ
副詞節の複合関係詞は「条件を問わない」感覚。「どんな状況でも結論は変わらない」という強い意志を表現します。howeverは特に「形容詞・副詞 + however + 主語 + 動詞」の語順に注意。
副詞節の例文
Whoever you are, you must follow the rules.
あなたが誰であろうと、規則に従わなければならない。
Wherever she goes, people recognize her.
彼女がどこへ行っても、人々は彼女を認識する。
However difficult the task may be, don't give up.
その課題がどんなに困難であっても、諦めてはいけない。

4複合関係詞の識別法

名詞節か副詞節かの判断法
①置き換えテスト:複合関係詞の部分を「something/someone」で置き換えて文が成立するなら名詞節、「in any case」で置き換えて成立するなら副詞節。
②文の構造:主節に主語・動詞・目的語などが不足していれば名詞節、完結していれば副詞節。
howeverの特殊な語順
✗ However he is smart, he failed.
✓ However smart he is, he failed.
howeverが形容詞・副詞を修飾する場合、「However + 形容詞/副詞 + S + V」の語順になる。
識別練習
Give this to whoever needs it. (名詞節)
これを必要とする人に誰にでもあげなさい。
Whoever needs it, I'll help them. (副詞節)
それを必要とするのが誰であっても、私は助けよう。
However carefully you drive, accidents can happen.
どんなに注意深く運転しても、事故は起こりうる。

5入試頻出パターン

入試での狙われどころ
①複合関係詞 vs 関係代名詞:「先行詞がない」のが複合関係詞の特徴
②複合関係詞 vs 疑問詞:複合関係詞は「〜でも」の譲歩、疑問詞は「疑問」
③語順問題:特にhoweverの語順に注意
④書き換え:「no matter + 疑問詞」との書き換えが頻出
重要な書き換えパターン
副詞節を導く複合関係詞は「no matter + 疑問詞」と書き換え可能:
• whoever = no matter who
• whatever = no matter what
• however = no matter how
※ただし名詞節の場合はこの書き換えは不可
入試頻出例文
Whatever happens, we'll stay together.
何が起こっても、私たちは一緒にいよう。
I don't know whoever told you that.
誰があなたにそう言ったのか知らない。
Whichever way you choose, it won't be easy.
どちらの道を選んでも、簡単ではないだろう。
まとめ
  • 複合関係詞は「疑問詞 + ever」で「〜でも」の意味
  • 名詞節では「〜するものは何でも」、副詞節では「〜しても」
  • howeverの語順は「However + 形容詞/副詞 + S + V」
  • 副詞節は「no matter + 疑問詞」と書き換え可能
  • 先行詞がないことで関係代名詞と区別する

確認テスト

問1
次の文の( )に入る適切な語を選びなさい。
( ) wins the game will get a trophy.
▶ クリックして解答を表示 Whoever(勝つ人は誰でも、という意味で主語の名詞節を導く)
問2
次の文を「no matter」を用いて書き換えなさい。
However hard you study, success is not guaranteed.
▶ クリックして解答を表示 No matter how hard you study, success is not guaranteed.
問3
次の文の複合関係詞は名詞節・副詞節のどちらを導いていますか。
Whatever you decide, I will support you.
▶ クリックして解答を表示 副詞節(主節「I will support you」が完結しており、「何を決めても」という譲歩の意味)
問4
次の文の語順を正しく直しなさい。
However he is young, he is very responsible.
▶ クリックして解答を表示 However young he is, he is very responsible.(howeverの後は形容詞youngが先に来る)

入試問題演習

基礎
次の文の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。

Give this book to ( ) needs it most.
① who
② whom
③ whoever
④ whomever
▶ クリックして解答・解説を表示
解答:③ whoever
「それを最も必要とする人に誰にでも」という意味。先行詞がないので関係代名詞ではなく複合関係詞whoeverを使用。複合関係詞節内で主語の役割をしているのでwhoeverが正解。
発展
次の2つの文がほぼ同じ意味になるように、空欄に適語を入れなさい。

Whatever difficulties we may face, we won't give up.
( ) ( ) ( ) difficulties we may face, we won't give up.
① No matter what
② No matter which
③ No matter how
④ No matter where
▶ クリックして解答・解説を表示
解答:① No matter what
副詞節を導くwhateverは「no matter what」と書き換え可能。「どんな困難に直面しても」という譲歩の意味を表している。difficultiesは名詞なので、howではなくwhatを使用。
応用
次の文の下線部の用法として最も適切な説明を選びなさい。

I don't understand why he did whatever he did.
① whateverは疑問代名詞として機能している
② whateverは関係代名詞として機能している
③ whateverは名詞節を導く複合関係詞として機能している
④ whateverは副詞節を導く複合関係詞として機能している
▶ クリックして解答・解説を表示
解答:③ whateverは名詞節を導く複合関係詞として機能している
「whatever he did」は動詞didの目的語となる名詞節を導いている。「彼がしたことは何でも」という意味で、複合関係詞whateverが「〜するものは何でも」の意味で名詞節を導く用法。全体では「彼がなぜそんなことをしたのか理解できない」という意味。