I saw him cross the street. と I saw him crossing the street. ── この違い、わかりますか?
知覚動詞と使役動詞は、目的格補語に原形不定詞(do)・現在分詞(doing)・過去分詞(done)の3パターンをとります。
それぞれの意味の違いと、受動態での変化を正確に押さえましょう。
知覚動詞(see, hear, feel, watch, listen to, look at, notice など)は、SVOC の補語 C に3つの形をとります。
(1) 知覚動詞 + O + do(原形不定詞):「Oが〜するのをVする」── 動作の始めから終わりまで
(2) 知覚動詞 + O + doing(現在分詞):「Oが〜しているのをVする」── 動作の途中
(3) 知覚動詞 + O + done(過去分詞):「Oが〜されるのをVする」── O と done は受動関係
知覚動詞 + O + do と + O + doing は、どちらも O が能動的に行う動作を知覚する形ですが、ニュアンスが異なります。
do(原形不定詞)を使うと、動作の始まりから終わりまでを知覚したニュアンスになります。歌なら「最初から最後まで聞いた」という感覚です。
doing(現在分詞)を使うと、動作の途中経過を知覚したニュアンス。歌なら「歌っているところを耳にした(全部は聞いていないかもしれない)」です。
doing には -ing 形特有の「まさに今やっている最中」という躍動感が感じられます。
| do(原形不定詞) | doing(現在分詞) | |
|---|---|---|
| 知覚の範囲 | 動作の一部始終 | 動作の途中 |
| 例 | I saw him cross the street. (渡りきるのを見た) |
I saw him crossing the street. (渡っている途中を見た) |
| 受動態 | He was seen to cross ... (to 不定詞に変わる) |
He was seen crossing ... (現在分詞のまま) |
知覚動詞 + O + do / doing を受動態にすると、O が主語になります。このとき補語の形が変わる点に注意が必要です。
do(原形不定詞)→ 受動態では to do(to 不定詞)に変わる
doing(現在分詞)→ 受動態でも doing のまま
誤:He was seen cross the street.
正:He was seen to cross the street.
知覚動詞の受動態では、原形不定詞が to 不定詞に変わります。これは入試で非常によく問われるポイントです。
使役動詞 have と get は、O + done の形で「O を〜してもらう / O を〜される」という意味を表します。
have + O + done:「Oを〜してもらう」(依頼)/「Oを〜される」(被害)
get + O + done:「Oを〜してもらう」(依頼・努力して)
have + O + do(使役:Oに〜させる)と have + O + done(受動:Oを〜してもらう/される)を混同しないようにしましょう。
I had him repair my computer.(彼にコンピュータを修理させた = 能動)
I had my computer repaired.(コンピュータを修理してもらった = 受動)
O と補語の関係が能動か受動かで、do か done かが決まります。
make oneself understood と make oneself heard は、make + O + done の形をとる重要な慣用表現です。
make oneself understood:自分自身(oneself)= 理解される(understood)ようにする → 「自分の考えを理解してもらう」
make oneself heard:自分自身(oneself)= 聞かれる(heard)ようにする → 「自分の声を届かせる」
いずれも oneself と done が受動関係(oneself が understood / heard される)であることがポイントです。
Q1. I saw him cross the street. と I saw him crossing the street. のニュアンスの違いを説明してください。
Q2. 知覚動詞 + O + do の受動態では、do はどう変化しますか。
Q3. I had my purse stolen. の had は「依頼」と「被害」のどちらですか。
Q4. make oneself understood の構造を説明してください。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
I heard him ( ) a song in the bathroom.
(1) singing
判断のポイント:知覚動詞 hear の目的格補語を選びます。
him と sing は能動関係(彼が歌っている)。知覚動詞 + O + doing で「Oが〜しているのを聞く」の意味になるので、(1) singing が正解です。
「私は彼が浴室で歌を歌っているのを聞いた。」
She was seen ( ) into the theater with her boyfriend.
(2) going
判断のポイント:知覚動詞 see の受動態です。
能動態 "Someone saw her going into the theater." を受動態にした形。doing は受動態でもそのまま現在分詞が残るので、(2) going が正解です。
(1) go は原形不定詞ですが、受動態では to go にする必要があります。選択肢に to go がないので不可。
「彼女はボーイフレンドと劇場に入っていくところを見られた。」
次の英文の誤りを含む箇所を指摘し、正しく直しなさい。
I had no difficulty in making myself (1)understand in English when I (2)went to America last summer.
(1) understand → understood
判断のポイント:make oneself understood の構造を理解しているかが問われています。
myself と understand の関係は「自分自身が理解される」という受動関係です。したがって過去分詞 understood を使わなければなりません。
「この前の夏アメリカに行ったとき、私は英語で自分の考えを理解してもらうことに苦労しなかった。」