第5章 不定詞

不定詞の副詞的用法
─ 目的・原因・結果・判断の根拠を「あと出し」で説明する

「なぜそうしたのか」「何のためにそうするのか」── to不定詞は動詞句の後ろに置くだけで、その理由や目的を自然に説明してくれます。
名詞以外を修飾するので「副詞的用法」と呼ばれますが、仕組みはシンプル。
動詞句を言い切ったあとに、to不定詞で説明を加える── それだけです。

1副詞的用法の核心 ─ 動詞句の「説明」をあと出しする

to不定詞を動詞句の後ろに配置すると、動詞を中心とするフレーズの内容を説明します。 名詞以外を修飾するため「副詞的用法」と呼ばれます。

ここが本質:to不定詞は常に「説明」── どんな説明になるかは文脈次第

to不定詞の副詞的用法は、典型的には目的・感情の原因・結果・判断の根拠の4つに分類されます。

しかし、to不定詞自体は常にただの「説明」です。どの意味になるかは動詞句の意味から自然に決まります

「オーストラリアに行く」→ 「英語を練習するためにね」(目的)

「両親は大喜びした」→ 「そのニュースを聞いてね」(原因)

前の動詞句が何を求めているかで、to不定詞の意味が自ずと定まるのです。

文法ルール:副詞的用法の4つの意味

1. 目的:〜するために(I went to the library to study.)

2. 感情の原因:〜して(I'm glad to hear that.)

3. 結果:〜した結果...(He grew up to be a famous singer.)

4. 判断の根拠:〜するとは(She must be rich to buy such an expensive car.)

2目的「〜するために」

最もよく使われる副詞的用法が目的です。「何のためにそうするのか」をto不定詞で説明します。

例文で確認
I went to the store to buy milk.
牛乳を買うために店に行った。
Many Japanese students go to Australia to practice English.
多くの日本人学生が英語を練習するためにオーストラリアに行く。
ワンポイント:in order to / so as to で「目的」を明確にする

to不定詞だけでも目的を表せますが、紛れなくはっきり示したいときは次の表現を使います。

in order to do / so as to do(〜するために)

I had to fill out so many forms in order to get a visa.(ビザを取るために山ほど書類を書いた)

否定形:in order not to do / so as not to do(〜しないように)

She worked carefully so as not to make any mistakes.(間違いをしないように慎重に作業した)

※ 否定の目的を表すとき、not to doだけでは使えない。必ず in order / so as をつけること。

3感情の原因「〜して」

glad, happy, sorry, surprised などの感情を表す形容詞の後ろにto不定詞を置くと、その感情の原因を説明します。

例文で確認
I'm happy to hear that.
それを聞いてうれしい。
He was surprised to find the door open.
彼はドアが開いているのに気づいて驚いた。
I'm sorry to keep you waiting.
お待たせしてすみません。
ネイティブの感覚:感情を述べてから、原因をあと出し

ネイティブはまず I'm happy と感情を言い切ります。

すると聞き手は「何がうれしいの?」と理由を知りたくなる。

そこで to hear that と原因を説明する── だから「感情の原因」の意味が生まれるのです。

仕組みは目的と同じ。前の文脈が「理由」を求めているから、to不定詞が原因の意味になるだけです。

4結果「〜した結果...」

to不定詞が動詞句の結果を表すこともあります。 「〜して、その結果...になった」という意味です。

例文で確認
He grew up to be a famous singer.
彼は成長して有名な歌手になった。
He awoke to find himself surrounded by strangers.
彼は目を覚ますと、見知らぬ人々に囲まれていた。
His grandfather lived to be ninety-two.
彼の祖父は92歳まで生きた。
文法ルール:結果を表す重要パターン

grow up to be ...(成長して...になる)

awake / wake up to find ...(目が覚めて...に気づく)

live to be ... (years old)(...歳まで生きる)

..., only to do(...したが、結局〜しただけだった)── ガッカリ感を伴う

..., never to do(...して、二度と〜しなかった)

例文で確認:only to / never to
I ran to the station, only to find that the last train had left.
駅に走っていったが、最終列車はもう出てしまっていた。
The two friends left school, never to meet again.
2人の友人は学校を出て、二度と会うことはなかった。

5判断の根拠「〜するとは」

まず判断を述べ、その根拠をto不定詞で説明するパターンです。 「〜するとは」「〜するなんて」という意味になります。

例文で確認
She must be rich to buy such an expensive car.
そんな高い車を買うなんて、彼女はお金持ちに違いない。
He must have been crazy to try such a dangerous jump.
そんな危険なジャンプに挑むなんて、彼は正気を失っていたに違いない。
落とし穴:「判断の根拠」と「目的」の混同

同じto不定詞でも、文脈によって「目的」と「判断の根拠」のどちらにもなりえます。

She must be rich to buy such an expensive car. → 判断の根拠(買うなんて、金持ちに違いない)

She must be rich to live in this neighborhood. → 判断の根拠(この地域に住むなんて)

見分け方:前の文が「判断」を述べていれば根拠、「行動」を述べていれば目的になることが多い。

6つながりマップ

副詞的用法を押さえたら、次のトピックへ進みましょう。

  • → G-5-4 to不定詞のその他のポイント:不定詞の否定、意味上の主語、完了不定詞など、応用的なポイントを学びます。
  • → G-5-7 不定詞を用いた重要表現:too ... to do / enough to doなど、入試頻出の慣用表現を学びます。
  • → G-5-1 不定詞の名詞的用法:名詞的用法との違いは「位置」で判断。動詞句の後ろ = 副詞的用法。
  • → G-5-2 不定詞の形容詞的用法:名詞の後ろ = 形容詞的用法。副詞的用法と混同しないように注意。

📋まとめ

  • 副詞的用法 = to不定詞で動詞句の内容を「あと出し」で説明する用法
  • 目的(〜するために):I went to the store to buy milk.
  • 感情の原因(〜して):I'm happy to hear that. ── glad / sorry / surprised などの感情形容詞 + to不定詞
  • 結果(〜した結果):He grew up to be a famous singer. / ..., only to do(ガッカリ感)
  • 判断の根拠(〜するとは):She must be rich to buy such an expensive car.
  • 目的の否定形は in order not to do / so as not to do(not to doだけでは不可)

確認テスト

Q1. 副詞的用法の4つの意味を挙げてください。

▶ クリックして解答を表示目的(〜するために)、感情の原因(〜して)、結果(〜した結果)、判断の根拠(〜するとは)。

Q2. 次の英文のto不定詞は副詞的用法の4つのうちどれですか。
I'm sorry to hear the bad news.

▶ クリックして解答を表示感情の原因。sorry(残念だ)という感情の原因を、to hear the bad news(悪い知らせを聞いて)が説明している。

Q3. 「ミスをしないように」を英語で表すとき、not to make mistakes ではなく、どう書くべきですか。

▶ クリックして解答を表示in order not to make mistakes / so as not to make mistakes。否定の目的を表すとき、not to doだけでは不十分。in order / so as をつける。

Q4. only to do はどんなニュアンスを伴いますか。

▶ クリックして解答を表示「〜したが、結局...しただけだった」── 期待に反した残念な結果(ガッカリ感)を表す。

9入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

5-3-1 A 基礎 副詞的用法・目的 空所補充

You should go to Tokyo Dome (  ) a baseball game.

  • ① to see
  • ② with seeing
  • ③ see
  • ④ to seeing
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

① to see

解説

判断のポイント:「東京ドームに行く」のは「野球の試合を見るため」。目的を表すto不定詞を使います。

「君は野球の試合を見るために東京ドームに行くべきだ」

B 発展レベル

5-3-2 B 発展 副詞的用法・結果 空所補充

Caesar entered the town (  ) that the enemy had already fled.

  • ① of finding
  • ② found
  • ③ only to find
  • ④ only to be found
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

③ only to find

解説

判断のポイント:「町に入った → 結局、敵がすでに逃げていたとわかっただけだった」。結果を表す only to do(期待に反する結果)です。

④ only to be found は受動態で「見つけられただけ」となり意味が通じません。findの主語はCaesarなので能動態が正解。

C 応用レベル

5-3-3 C 応用 否定の目的 整序

次の日本語の意味になるように語句を並べ替えなさい。

「時勢に遅れないように、新聞に毎日目を通すようにしている。」

I make it a rule to read the newspapers every day (as / to fall / not / times / behind / so / the).

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

... every day so as not to fall behind the times.

解説

判断のポイント:「〜しないように」という否定の目的を表すには so as not to do を使います。

fall behind the times = 「時代に取り残される」という熟語。

not to do だけで否定の目的を表すことは一般的にできないことに注意。必ず in order not to do か so as not to do の形にする。