受動態の基本は「be + 過去分詞」。しかし、もとの文が SVOO や SVOC のとき、あるいは群動詞のときは、少し注意が必要です。
また、受動態で使う前置詞は by だけではありません。
この記事では、入試で差がつく受動態の応用パターンを一気にマスターしましょう。
SVOO の文(「人に物をあげる」型)には目的語が2つあります。 受動態にするとき、どちらの目的語を主語にするかで2通りの受動態が作れます。
能動態:She gave me a present.
パターン1(人を主語にする):I was given a present by her.
パターン2(物を主語にする):A present was given to me by her.
give / send / teach / tell などは「人が主語」の受動態も「物が主語」の受動態も自然に作れます。
しかし buy / make / find など「利益」のニュアンスが強い動詞では、「物が主語」+ for のほうが自然です。
A paper airplane was made for me by my father.(自然)
I was made a paper airplane by my father.(不自然)
SVOC の文では、目的語(O)を主語にして受動態を作ります。補語(C)は過去分詞のうしろにそのまま残ります。
能動態:We call the dog "Momo."(SVOC)
受動態:The dog is called "Momo."(S + be + 過去分詞 + C)
SVOC の能動態では「O = C」の関係が成り立っていました(He = captain, gate = closed)。
受動態にしても、この「主語 = 補語」の関係はそのまま保たれます。The dog is called "Momo." なら、the dog = "Momo" です。
受動態は形が変わっても、「主語がどういう状態/立場にあるか」を説明している点は同じなのです。
群動詞とは、「動詞 + 前置詞 / 副詞」でひとまとまりの意味を持つ表現です(look after, take care of, laugh at など)。 群動詞を受動態にするときは、ひとかたまりの動詞として扱います。
群動詞は「ひとつの他動詞」とみなして受動態にする
能動態:A stranger spoke to the girl.
受動態:The girl was spoken to by a stranger.
群動詞の受動態で最も多いミスが、前置詞の脱落です。
✕ 誤:He was laughed by everyone.(at が抜けている!)
○ 正:He was laughed at by everyone.
laugh at で「〜を笑う」という1つの動詞です。at を落としたら「笑う」の意味が成立しません。前置詞はセットで残すと覚えましょう。
特に注意:spoken to by, taken care of by のように前置詞 + by が連続する形は入試頻出です。
受動態の前置詞は by だけではありません。 前置詞はそのイメージに応じて選ばれるのであって、機械的に by がつくわけではないのです。
be known to 〜:〜に知られている(to → 「〜に向けて」)
be known for 〜:〜で有名だ(for → 「理由」)
be interested in 〜:〜に興味がある(in → 「〜の中に」のめり込む)
be surprised at 〜:〜に驚く(at → 「時点・瞬間」)
be covered with 〜:〜で覆われている(with → 「共に」一緒にある)
be filled with 〜:〜でいっぱいだ(with → 「共に」一緒にある)
be satisfied with 〜:〜に満足している(with → 「共に」寄り添って)
be disappointed with [at / in] 〜:〜に失望する
受動態の前置詞を「丸暗記」する必要はありません。前置詞にはそれぞれ基本のイメージがあり、そのイメージに従って自然に選ばれています。
at = 「点」→ surprised at はその結果を「聞いた瞬間に」驚く感覚
with = 「共に」→ covered with snow は雪「と一緒に」ある状態
in = 「中に」→ interested in は関心の「中に」入り込んでいる感覚
to = 「方向」→ known to everybody は人々「に向けて」知られている
前置詞のイメージを掴んでいれば、初めて見る組み合わせでも推測できます。
英語では「驚く」「喜ぶ」「退屈する」などの感情は受動態で表すのが基本です。
surprise は「驚かせる」、excite は「興奮させる」という他動詞。受動態にすると「驚かされる→驚く」「興奮させられる→興奮する」となります。
be surprised at / be pleased with / be excited about / be bored with / be disappointed in ── すべて「外からの原因によって感情が引き起こされた」という英語の発想が根底にあります。
注意すべき受動態を学んだら、次のトピックへ進みましょう。
Q1. "She gave me a present." を「人が主語」の受動態にしてください。
Q2. "We call the dog Momo." を受動態にしてください。
Q3. "Everybody laughed at him." を受動態にしてください。前置詞に注意。
Q4. be known ( ) と前置詞を組み合わせて、「〜に知られている」「〜で有名だ」をそれぞれ答えてください。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
He ( ) captain of the team by his classmates.
② was chosen
判断のポイント:by his classmates があるので受動態。主語 He と動詞 choose の関係は「彼が選ばれる」。
SVOC(His classmates chose him captain)の受動態で、② was chosen が正解。captain は補語で、過去分詞のうしろにそのまま残ります。
「彼はクラスメートによってチームのキャプテンに選ばれた」
On her way home from school, the little girl was ( ) a stranger.
① spoken to by
判断のポイント:群動詞 speak to(〜に話しかける)の受動態です。
speak to をひとかたまりとして受動態にするので、spoken to が先に来て、そのあとに動作主の by a stranger が続きます。
「学校からの帰宅途中、その幼い少女は見知らぬ人に話しかけられた」
④ spoken by to は語順が逆で誤り。to は speak to のセットなので by より先に来ます。
次の日本語に合うように、( )内の語句を並べ替えてください。
「だれも人前で笑いものにされるのは好まない。」
Nobody ( be / fun / in / likes / made / of / to ) public.
Nobody likes to be made fun of in public.
判断のポイント:群動詞 make fun of(〜を笑いものにする)の受動態を、to 不定詞の中で使う問題です。
likes to do(〜することを好む)の do の部分に受動態の不定詞 be made fun of を入れます。
make fun of はひとかたまりなので、受動態にしても made fun of と切り離しません。in public(人前で)は副詞句として文末に置きます。