「以前は〜だった」「よく〜したものだ」── 過去の習慣や状態を語るとき、used to と would のどちらを使うかは入試頻出のポイントです。
さらに、be used to doing(〜に慣れている)との混同も狙われやすい急所。
この記事で、3つの表現の違いをすっきり整理しましょう。
used to do は、「以前は〜だった(が今はそうではない)」「以前はよく〜した(が今はしていない)」という意味を表す助動詞的な表現です。 過去の習慣的動作にも過去の状態にも使えるのが大きな特徴です。
S + used to + 動詞の原形
「(以前は)よく〜したものだ」(過去の習慣的動作)
「(以前は)〜だった(が今は〜ではない)」(過去の状態)
used to の核心は「過去と現在の対比」です。「以前はそうだったけれど、今はもうそうではない」という含みが常にあります。
単に過去の事実を述べるだけの一般過去形(lived, played など)と異なり、used to は「今との違い」を暗に伝える表現です。
例:I lived in Tokyo.(東京に住んでいた ── 今のことは言っていない)
例:I used to live in Tokyo.(以前は東京に住んでいた ── 今は住んでいない)
used to は形の上では「動詞 use の過去形 + to不定詞」に見えますが、実用上は used to 全体で1つの助動詞ととらえるのが実戦的です。
否定文では did を使って didn't use to とし、疑問文では Did S use to ...? とします。これは have to の否定が didn't have to になるのとまったく同じ原理です。
would (often) do も「(以前は)よく〜したものだ」という過去の習慣的動作を表します。 しかし、used to との決定的な違いがあります。
S + would (often) + 動詞の原形
「(以前は)よく〜したものだ」(過去の習慣的動作)
| used to do | would (often) do | |
|---|---|---|
| 過去の習慣的動作 (よく〜した) |
使える | 使える |
| 過去の状態 (〜だった) |
使える | 使えない |
| 「今との対比」 | 含む(今はもう違う) | 必ずしも含まない |
would (often) は過去の習慣的「動作」にしか使えません。状態動詞(be, have, know, like など)と一緒に使うことはできません。
✕ 誤:He would be shy as a child.
✓ 正:He used to be shy as a child.(子どものころは内気だった)
✕ 誤:There would be a park in front of the station.
✓ 正:There used to be a park in front of the station.(以前は駅前に公園があった)
be は「存在する」「〜である」という状態動詞。would の後には使えません。
would で過去の習慣を語るときは、通常 when I was young や in those days のように過去の時を示す表現が前後にあります。文脈なしでいきなり would を使うと、仮定法の would と紛らわしくなるためです。
一方、used to は単独で使っても「以前は〜だった」と明確に伝わります。
used to do(以前は〜した)と見た目が似ているため混同しやすいのが、be used to doing(〜に慣れている)と get used to doing(〜に慣れる)です。 この2つは意味も構造もまったく異なるので、しっかり区別しましょう。
S + be used to + 名詞 / doing 「〜に慣れている」(状態)
S + get used to + 名詞 / doing 「〜に慣れる」(変化)
| 表現 | 意味 | to の後ろ | to の性質 |
|---|---|---|---|
| used to do | (以前は)よく〜した / 〜だった | 動詞の原形 | to不定詞の to |
| be used to doing | 〜に慣れている | 名詞 / 動名詞 | 前置詞の to |
| be used to do | 〜するために使われる | 動詞の原形 | to不定詞の to(受動態) |
入試で最も狙われるのが、この2つの混同です。to の後ろに原形が来るかdoingが来るかで意味がまったく変わります。
✕ 誤:I am used to get up early.(get up は原形 → be used to doing にならない)
✓ 正:I am used to getting up early.(〜に慣れている)
✓ 正:I used to get up early.(以前は早起きしていた → 今はしていない)
判別のコツ:be動詞があれば be used to doing(前置詞の to)、be動詞がなければ used to do(助動詞 used to)。
3つ目の be used to do は use(〜を使う)の受動態に目的を表す to不定詞が続いた形です。
This medicine is used to cure a cold.「この薬は風邪を治すために使われる」
文脈から「〜に慣れている」なのか「〜するために使われる」なのかを判断しましょう。主語が「人」なら be used to doing(慣れている)、主語が「物」なら be used to do(使われる)と考えるのが基本です。
used to と would の理解をさらに深めるために、関連するトピックを確認しましょう。
Q1. used to do と would (often) do の最大の違いは何ですか。
Q2. 次の英文の誤りを正してください。
There would be a big tree in the garden.
Q3. 次の2文の意味の違いを説明してください。
(a) I used to drive to work.
(b) I am used to driving to work.
Q4. be used to doing の to は前置詞と不定詞のどちらですか。その理由も答えてください。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
My sister ( ) in Chicago, but she moved to Los Angeles last year.
② used to live
判断のポイント:「以前はシカゴに住んでいたが、去年ロサンゼルスに引っ越した」という文脈から、過去の状態を表す used to do が適切です。
① is used to living は「住むことに慣れている」、③ used to living は文法的に不完全、④ was used to live は「住むために使われた」(受動態)で文意が成り立ちません。
「私の姉(妹)は以前シカゴに住んでいたが、去年ロサンゼルスに引っ越した」
When we were children, we ( ) go skating every winter.
② would
判断のポイント:When we were children(過去の文脈)と every winter(繰り返し)があるので、「過去の習慣的動作」を表す would が適切です。
空所の後に動詞の原形 go が続くので、直後に原形をとれる ② would だけが文法的に成立します。① liked, ④ wanted の後に原形 go は続きません。③ might は現在や未来の推量を表すので文意に合いません。
「子どものころ、私たちは毎冬スケートをしに行ったものだ」
In fact, since French fashions were so popular, American dressmakers ( ) their names to French ones.
② used to change
判断のポイント:文脈は「フランスのファッションがとても人気があったので、アメリカの洋裁師たちは自らの名前をフランス風に変えたものだ」という過去の習慣です。
used to do(助動詞 used to + 原形)で「以前はよく〜したものだ」とするのが正解です。① used to changing は used to の後に原形ではなく doing が来ているので、助動詞 used to の用法としては誤りです。③ は時制が合わず、④ は「変えるために使われた」(受動態)で文意が不自然です。
「実際、フランスのファッションはとても人気があったので、アメリカの洋裁師たちは自らの名前をフランス風に変えたものだ」