may well / may as well / cannot ... too / would rather ── 助動詞の慣用表現は入試で狙われる定番です。
しかし「丸暗記」では似た表現を混同しがち。それぞれの意味のイメージを掴めば、紛らわしい表現も自信を持って区別できるようになります。
may well と may as well は、たった1語 (as) の違いで意味が大きく変わる紛らわしいペアです。 まずはそれぞれの構造と意味をしっかり整理しましょう。
may well do:「〜するのももっともだ」「たぶん〜だろう」
may[might] as well do:「〜した方がいい」(消極的な提案)
may は「〜かもしれない」という可能性を表す助動詞です。そこに well(十分に)が加わると、可能性が高い方向にグッと押されます。
「十分にありうる」→「たぶん〜だろう」/ 理由があるとき →「〜するのも当然だ」
一方、may as well は「他にすることもないし、〜でもした方がいいかな」という消極的なニュアンス。積極的な提案ではなく、「まあ、それでもいいんじゃない」程度の気持ちです。
入試では、may well(もっともだ / たぶん〜だろう)と may as well(〜した方がいい)を取り違えさせる問題が頻出です。
✕ 誤解:may well = 「〜した方がいい」
○ 正:may well = 「〜するのももっともだ / たぶん〜だろう」
「well = 十分に」 → 可能性が高い、という感覚で区別しましょう。
cannot ... too は直訳すると意味が取りにくい表現ですが、 構造を理解すれば怖くありません。入試では並べ替え問題でも頻出です。
S + cannot + 動詞 + too + 形容詞 / 副詞
「いくら〜してもしすぎることはない」
cannot ... too を直訳すると「あまりにも〜すぎることはできない」。
これを自然な日本語にすると →「いくら〜してもしすぎることはない」(= どんなに〜しても十分だ)
「cannot = 不可能」+「too = 〜すぎる」→ 「すぎることは不可能」= 「いくらやっても足りない」と捉えるとスッキリします。
cannot ... enough も「いくら〜してもしすぎることはない」を表します。
I cannot thank you enough.(いくら感謝してもしきれません)
cannot ... too と cannot ... enough はほぼ同じ意味で書き換え可能です。
would rather と had better はどちらも「〜した方がいい」と訳されることがありますが、 ニュアンスはまったく異なります。この違いを知らないと、場面にそぐわない表現を使ってしまう危険があります。
would rather do:「(むしろ)〜したい」── 自分の希望・選好
would rather do ... than do ~:「~するよりも(むしろ)...したい」
would rather not do:「(むしろ)〜したくない」
had better do:「〜した方がいい」── 忠告・警告
had better not do:「〜しない方がいい」
had better は日本語では「〜した方がいい」と穏やかに聞こえますが、英語では上から目線の忠告・警告のニュアンスがあります。
特に You had better ... は「〜した方がいい(さもないと問題になるぞ)」という切迫したニュアンスを含むため、目上の人には使いません。
✕ 不適切:(先生に対して)You had better check this document.(偉そうに聞こえる)
○ 適切:(先生に対して)I think you should check this document.(控えめな提案)
控えめに忠告する場合は (I think) you should ... を使いましょう。
would rather のあとに「主語 + 動詞」を続けると、仮定法の形になります。
S would rather S' did ...「S は S' に ... してほしいのですが」(仮定法過去 = 現在の願望)
S would rather S' had done ...「S は S' に ... してほしかったのですが」(仮定法過去完了 = 過去の願望)
I would rather you didn't smoke here.(ここではタバコを吸わないでほしいのですが)
これは丁寧な依頼のニュアンスを表す表現です。仮定法(G-10)と合わせて押さえておきましょう。
ここまでに学んだ3つの表現以外にも、入試で問われる助動詞の慣用表現があります。 まとめて確認しておきましょう。
cannot help doing:「〜しないではいられない」
= cannot but do = cannot help but do(but のあとは動詞の原形)
例:I cannot help laughing.(私は笑わないではいられない)
= I cannot but laugh. = I cannot help but laugh.
| 慣用表現 | 意味 |
|---|---|
| may well do | 〜するのももっともだ / たぶん〜だろう |
| may as well do | 〜した方がいい(消極的) |
| cannot ... too | いくら〜してもしすぎることはない |
| cannot help doing | 〜しないではいられない |
| would rather do | (むしろ)〜したい |
| had better do | 〜した方がいい(忠告・警告) |
| would like to do | 〜したい(want to の丁寧表現) |
| cannot ... enough | いくら〜してもしすぎることはない |
助動詞の慣用表現を学んだら、関連するトピックも確認しましょう。
Q1. may well do の2つの意味を答えてください。
Q2. 次の日本語を英語にしてください。
「友人の選択にはいくら注意してもしすぎることはない。」
Q3. had better が目上の人に使えない理由を説明してください。
Q4. cannot help doing を、but を使って書き換えてください。
I cannot help laughing. = I cannot ( ) ( ).
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
If you have a toothache, you ( ) the dentist right now.
④ had better see
判断のポイント:had better は直後に動詞の原形を続けます。
had better を1つの助動詞のかたまりとして覚えましょう。have better ではなく had better、そして to は不要です。よって ④ had better see が正解。
「歯が痛いなら、今すぐ歯医者に行った方がいい。」
Peter would rather stay home than ( ) to the movies.
② go
判断のポイント:would rather do ... than do ~ 「~するよりも(むしろ)... したい」の構文です。
than の直後には動詞の原形が来ます。would rather do の do と、than do の do は同じ形(原形)で対応します。よって ② go が正解。
「ピーターは映画に行くよりもむしろ家にいたい。」
You ( ) go jogging after dark in this neighborhood.
② had better not
判断のポイント:had better の否定形は had better not do です。
had better を1つの助動詞のかたまりと考え、否定語 not をその直後に続けます。had not better ではないことに注意しましょう。
「この近所では暗くなってからジョギングに行かない方がいい。」