第2章 時制

未来を表す表現
─ will / be going to / 進行形 / be about to

英語には「未来形」がありません。── 驚くかもしれませんが、これは事実です。
現在形・過去形のような単一の「未来形」は存在せず、英語はwill / be going to / 現在進行形 / be about to など複数の表現で未来を語ります。
そしてそのどれもが、「現在の気持ち」から未来を描いている── この感覚を掴むことが、未来表現を使いこなす鍵です。

1英語の未来表現の全体像

日本語では「明日雨が降るだろう」「明日出発するつもりだ」のように、「だろう」「つもりだ」を動詞に付け足すだけで未来のことを表せます。 しかし英語には、現在形(play)や過去形(played)のような語形変化としての「未来形」が存在しません

では英語はどうやって未来を表すのか── 答えは、助動詞や進行形などの「現在の表現」を使って未来を語るということです。 つまり、すべての未来表現は「今の意志」「今の計画」「今の予測」から未来を描いています。

💡 ここが本質:英語に「未来時制」は存在しない ─ 現在の意志・計画・予測が未来を作る

英語の動詞には「現在形」と「過去形」の2つの時制しかありません。未来は「時制」ではなく、さまざまな表現手段で描かれます。

will:今この瞬間の意志 / 予測 →「〜するよ」「〜だろう」

be going to:前から決めていた計画 / 目に見える根拠からの予測 →「〜するつもりだ」「〜しそうだ」

現在進行形:すでに具体的に手配済みの予定 →「〜する予定だ」

be about to:まさに今にも起きようとしていること →「〜するところだ」

それぞれが描く未来の「確定度」と「話し手の気持ち」が異なります。この違いを理解することが本記事のゴールです。

表現 話し手の気持ち
will + 原形 その場の意志 / 予測 I'll help you.
be going to + 原形 前からの計画 / 根拠ある予測 I'm going to study abroad.
現在進行形 手配済みの確定した予定 I'm leaving tomorrow.
be about to + 原形 まさに今にも起きる The train is about to leave.
現在形 確定した不変の事実(時刻表等) The plane leaves at 9.

上から下へ行くほど、未来の出来事が「確定」に近づいていくイメージです。 大切なのは、どれを使うかは「文法上の正誤」ではなく「話し手がどう感じているか」で決まるということ。 それぞれの表現が持つ「感覚」を順に見ていきましょう。

2will の用法 ─ その場の意志と予測

will は未来を表すもっとも基本的な助動詞です。 しかし「will = 未来形」と覚えてしまうのは危険です。will の本質は「まだ見ぬものを思い描く」こと。 そこから「意志」と「予測」という2つの用法が生まれます。

🧠 ネイティブの感覚:will は「今この瞬間に生まれた意志」or「確信のある予測」

will のコアは「まだ見ぬ状況を心の中で思い描く」という意識です。ここから2つの使い方が生まれます。

意志の will:「よし、やろう」── 今この瞬間に心のスイッチが入る感覚。あらかじめ計画していたのではなく、その場で決めるのが will です。

予測の will:「〜だろう」── まだ確定していないことを、話し手が心の中で思い描いて予測する感覚。根拠がなくても、話し手の主観的な確信で使えます。

どちらも「今この瞬間の心の動き」がポイント。will は「未来を表す記号」ではなく、話し手の今の気持ちを映す鏡なのです。

📏 文法ルール:will + 動詞の原形

S + will + 動詞の原形

否定形:will not(won't)+ 動詞の原形

疑問文:Will + S + 動詞の原形 ...?

※ 主語の人称・数に関係なく、will のあとは常に動詞の原形
※ 短縮形 I'll / you'll / he'll / she'll / we'll / they'll が口語ではよく使われる。
📝 例文で確認:意志の will
"It's cold in here." — "I'll close the window."
「ここ寒いね」「窓を閉めるよ」(その場で決めた意志)
Don't worry. I'll carry your bag.
心配しないで。荷物を持つよ。(今この瞬間に申し出ている)
"The phone is ringing." — "I'll get it."
「電話が鳴ってるよ」「私が出るよ」(その場の即座の判断)
📝 例文で確認:予測の will
It will rain tomorrow.
明日は雨が降るだろう。(話し手の予測)
She will probably pass the exam.
彼女はおそらく試験に受かるだろう。(確信をもった予測)
That will be the delivery guy.
あれは配達員だろう。(現在の推量 ─ will は未来専用ではない)

3be going to の用法 ─ 前から決めていた予定

be going to もまた未来を表す重要な表現です。 一見 will と同じように思えますが、話し手の気持ちはまったく異なります。 be going to の核心は、「すでにその方向に向かっている(going to)」という進行中のイメージです。

🧠 ネイティブの感覚:be going to は「もうその方向に向かっている」─ 既に決まった計画

be going to は文字通り「go(向かう)+ to(〜に)」の進行形です。すでに to 以下の状況に向かっている── そこから「意図」と「根拠のある予測」が生まれます。

意図の be going to:「〜するつもりだ」── あらかじめ心づもりがあり、すでにその方向に心が向かっている。will のような「その場の判断」ではなく、前から決めていたニュアンス。

予測の be going to:「〜しそうだ」── 目に見える根拠(黒い雲、走ってくる人など)があり、to 以下の状況に向かっている。will が主観的な予測なのに対し、根拠が目の前にあるのが be going to です。

📝 例文で確認:be going to
I 'm going to study abroad next year.
来年留学するつもりです。(以前から決めていた計画)
Are you going to have a party?
パーティーをするつもりですか。(相手の計画を尋ねている)
Look at those clouds. It 's going to rain soon.
あの雲を見て。もうすぐ雨が降りそうだ。(目に見える根拠からの予測)
Hurry! We 're going to be late for class.
急げ! 授業に遅れちゃうよ。(状況から判断した予測)
⚠️ 落とし穴:will と be going to の混同(その場の意志 vs 前からの予定)

will と be going to は日本語ではどちらも「〜するつもり」と訳せてしまうため混同しやすいですが、英語では明確に区別されます。

✕ 不自然:"I've been thinking about it for months. I will study abroad."

○ 自然:"I've been thinking about it for months. I 'm going to study abroad."

何ヶ月も考えてきたのなら「その場の決定」ではなく「前からの計画」。be going to が自然です。

逆に、「寒いね」と言われて「閉めるよ」と応じる場面では、I'm going to close the window. は不自然。I'll close the window. がぴったりです。

ポイント:「今決めた」→ will /「前から決めていた」→ be going to

will と be going to:予測での違い

will be going to
意志・意図 その場で決めた意志
「よし、やろう」
前から決めていた計画
「〜するつもりだ」
予測 主観的な確信
「〜だろう」
目に見える根拠あり
「〜しそうだ」
例(意志) I'll help you.
(その場の申し出)
I'm going to help him.
(前から決めていた)
例(予測) It will rain tomorrow.
(話し手の推測)
It's going to rain.
(黒い雲が見える)

4現在進行形・be about to の未来用法

will や be going to 以外にも、英語には未来を表す手段があります。 現在進行形be about toは、どちらも未来の出来事がより「確定的」な場合に使われます。

📏 文法ルール:現在進行形で確定した近い未来 / be about to do で「まさに〜するところ」

現在進行形(am / are / is + -ing):すでに具体的な手配が済んでいる予定を表す。

「チケットを買った」「レストランを予約した」── 確定した近い未来に使う。

be about to + 動詞の原形:「まさに〜しようとしている」── 今にも起きようとしている直前の未来。

※ 現在進行形の未来用法では、通常 tomorrow / next week / tonight など未来を示す語句が伴う。
※ be about to は非常に近い未来を表すため、tomorrow などの「遠い未来」を示す語句とは一緒に使わない。
📝 例文で確認:現在進行形の未来用法
I 'm having dinner with my parents tonight.
今晩、両親と食事をする予定です。(手配済みの確定した予定)
She 's flying to Singapore this Friday.
彼女は今週金曜日にシンガポールへ飛ぶ予定です。(チケット購入済み)
We 're meeting at the station at 10.
10時に駅で会う予定です。(約束が具体的に成立済み)
📝 例文で確認:be about to
The train is about to leave.
電車がまさに出発しようとしている。
I was about to go out when the phone rang.
電話が鳴ったとき、まさに出かけようとしていた。(まだ出かけていなかった)

未来表現の「確定度」を比較する

be going to の「意図(つもり)」と進行形の「予定」の違いを押さえましょう。

📝 例文で比較:「つもり」と「予定」
I 'm going to leave for London on Monday.
月曜日にロンドンへ出発するつもりです。(心づもりはあるが、まだ手配は不明)
I 'm leaving for London on Monday.
月曜日にロンドンへ出発する予定です。(チケットも取り、旅程が確定)

日本語の「つもり」と「予定」の違いとまさに同じです。 be going to は心が向かっている段階、進行形は具体的な手配が完了している段階を表します。

🔬 ワンポイント:時・条件の副詞節では未来のことも現在形を使う

when / if / as soon as / before / after / until / unless などが導く副詞節の中では、未来のことでも現在形を使います。

If it rains tomorrow, I will cancel the picnic.(明日雨が降ったら…)

When he comes home, I'll tell him the news.(彼が帰ってきたら…)

Please call me as soon as you arrive at the hotel.(ホテルに着いたらすぐ…)

なぜ現在形なのか── 話し手は「到着」や「雨が降ること」を前提(起こるものとして)話しているからです。前提として「起こっている」とみなしているので、現在の事実を述べる現在形が使われるのです。

ただし、when節が名詞節(「いつ〜するか」)の場合は未来表現を使います。
I don't know when he will come.(彼がいつ来るわからない)

5つながりマップ

未来表現を学んだら、関連するトピックへ進みましょう。

  • → G-2-1 現在形:現在形は「今」だけでなく「確定した未来(時刻表・カレンダー)」も表す。The plane leaves at 9. のような未来用法の理解に直結します。
  • → G-3-4 助動詞 will:will の「意志」「予測」に加え、「習性(〜するものだ)」や「拒絶(won't)」など、未来以外の用法も学びます。will は「未来専用」ではありません。
  • → G-2-7 時・条件の副詞節と時制:if / when などの副詞節で現在形を使うルールを詳しく扱います。入試頻出の重要テーマです。

📋まとめ

  • 英語には「現在形」「過去形」はあるが、語形変化としての「未来形」は存在しない
  • will = 今この瞬間の意志(「よし、やろう」)or 主観的な予測(「〜だろう」)
  • be going to = 前から決めていた計画(「〜するつもり」)or 目に見える根拠からの予測(「〜しそうだ」)
  • 現在進行形 = 具体的な手配が済んだ確定した予定(「〜する予定だ」)
  • be about to = まさに今にも起きようとしている直前の未来(「〜するところだ」)
  • 時・条件の副詞節(if / when / as soon as など)では、未来のことでも現在形を使う
  • 覚え方の核心:すべての未来表現は「今の気持ち」から未来を描いている

確認テスト

Q1. 英語に「未来形」が存在しないとはどういう意味ですか。

▶ クリックして解答を表示英語の動詞には play → played のような「未来形」の語形変化がなく、will / be going to / 進行形などの表現手段で未来を語る、ということ。すべて「現在の気持ち」から未来を描いている。

Q2. 次の場面ではどちらが自然ですか。理由も答えてください。
(電話が鳴っている場面で)「私が出るよ」
(a) I'll answer it. (b) I'm going to answer it.

▶ クリックして解答を表示(a) I'll answer it. が自然。電話が鳴ったのを聞いてその場で決めた行動なので、「今この瞬間の意志」を表す will がふさわしい。be going to は「前から決めていた」ニュアンスになるため不自然。

Q3. "Look at those dark clouds. It's going to rain." で will ではなく be going to が使われる理由を説明してください。

▶ クリックして解答を表示目の前に「黒い雲」という目に見える根拠がある。be going to は「すでにその状況に向かっている」感覚なので、目に見える原因をもとに予測する場合にふさわしい。will は根拠なしの主観的予測。

Q4. "I'm leaving for London on Monday." と "I'm going to leave for London on Monday." の違いは何ですか。

▶ クリックして解答を表示進行形(I'm leaving)は「チケットも取り、旅程が確定している」状態。be going to(I'm going to leave)は「心づもり・意図はあるが、具体的手配は不明」の段階。日本語の「予定」と「つもり」の違いに対応する。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

2-4-1 A 基礎 未来表現 空所補充

The construction will continue (  ) next summer.

  • ① since
  • ② until
  • ③ during
  • ④ while
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② until

解説

判断のポイント:will continue と未来を表す表現が使われており、「次の夏まで工事が続く」という意味になる文を選びます。

「〜まで(ずっと)」の意味を表す前置詞は until です。since は「〜以来」、during は「〜の間」(期間の名詞と使う)、while は接続詞で「〜する間」。

「工事は次の夏まで続くでしょう」

B 発展レベル

2-4-2 B 発展 時・条件の副詞節 空所補充

Please return this book to the library as soon as you (  ) reading it.

  • ① will finish
  • ② are going to finish
  • ③ will have finished
  • ④ have finished
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

④ have finished

解説

判断のポイント:as soon as 以下は「時を表す副詞節」なので、未来の内容でも現在時制を用います。

「読み終えたらすぐに」は、未来のある時点での完了を表すため、未来完了(will have finished)の内容ですが、副詞節内では will を使えません。代わりに現在完了の have finished を使います。

「読み終えたらすぐに、この本を図書館に返してください」

得点の差がつくポイント
  • ① will finish や ③ will have finished を選ぶ人が多いが、時の副詞節では will は使えない
  • 「読み終える」は完了の意味なので、単純現在形の finish ではなく現在完了の have finished が適切

C 応用レベル

2-4-3 C 応用 未来表現の区別 空所補充

"Are you free tonight?" — "I'm sorry, but I (  ) dinner with my parents."

  • ① I'll have
  • ② I'm having
  • ③ I've had
  • ④ I'd had
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② I'm having

解説

判断のポイント:tonight の予定を尋ねられ、「すみませんが…」と答えているので、すでに決まっている予定を述べている場面です。

確定した予定には現在進行形が適切です。will は「その場の意志」のニュアンスが出てしまい、「今決めた」感じになるため不自然。have は「食べる」の意味の動作動詞なので進行形で使えます。

「今晩ひまですか?」「すみません、両親と食事をする予定なんです」

得点の差がつくポイント
  • ① I'll have を選ぶと「今決めた」ニュアンスになり、「前から決まっていた」状況に合わない
  • 進行形の未来用法は「すでに手配済みの予定」を表すことを理解しているかがポイント