英語には「未来形」がありません。── 驚くかもしれませんが、これは事実です。
現在形・過去形のような単一の「未来形」は存在せず、英語はwill / be going to / 現在進行形 / be about to など複数の表現で未来を語ります。
そしてそのどれもが、「現在の気持ち」から未来を描いている── この感覚を掴むことが、未来表現を使いこなす鍵です。
日本語では「明日雨が降るだろう」「明日出発するつもりだ」のように、「だろう」「つもりだ」を動詞に付け足すだけで未来のことを表せます。 しかし英語には、現在形(play)や過去形(played)のような語形変化としての「未来形」が存在しません。
では英語はどうやって未来を表すのか── 答えは、助動詞や進行形などの「現在の表現」を使って未来を語るということです。 つまり、すべての未来表現は「今の意志」「今の計画」「今の予測」から未来を描いています。
英語の動詞には「現在形」と「過去形」の2つの時制しかありません。未来は「時制」ではなく、さまざまな表現手段で描かれます。
will:今この瞬間の意志 / 予測 →「〜するよ」「〜だろう」
be going to:前から決めていた計画 / 目に見える根拠からの予測 →「〜するつもりだ」「〜しそうだ」
現在進行形:すでに具体的に手配済みの予定 →「〜する予定だ」
be about to:まさに今にも起きようとしていること →「〜するところだ」
それぞれが描く未来の「確定度」と「話し手の気持ち」が異なります。この違いを理解することが本記事のゴールです。
| 表現 | 話し手の気持ち | 例 |
|---|---|---|
| will + 原形 | その場の意志 / 予測 | I'll help you. |
| be going to + 原形 | 前からの計画 / 根拠ある予測 | I'm going to study abroad. |
| 現在進行形 | 手配済みの確定した予定 | I'm leaving tomorrow. |
| be about to + 原形 | まさに今にも起きる | The train is about to leave. |
| 現在形 | 確定した不変の事実(時刻表等) | The plane leaves at 9. |
上から下へ行くほど、未来の出来事が「確定」に近づいていくイメージです。 大切なのは、どれを使うかは「文法上の正誤」ではなく「話し手がどう感じているか」で決まるということ。 それぞれの表現が持つ「感覚」を順に見ていきましょう。
will は未来を表すもっとも基本的な助動詞です。 しかし「will = 未来形」と覚えてしまうのは危険です。will の本質は「まだ見ぬものを思い描く」こと。 そこから「意志」と「予測」という2つの用法が生まれます。
will のコアは「まだ見ぬ状況を心の中で思い描く」という意識です。ここから2つの使い方が生まれます。
意志の will:「よし、やろう」── 今この瞬間に心のスイッチが入る感覚。あらかじめ計画していたのではなく、その場で決めるのが will です。
予測の will:「〜だろう」── まだ確定していないことを、話し手が心の中で思い描いて予測する感覚。根拠がなくても、話し手の主観的な確信で使えます。
どちらも「今この瞬間の心の動き」がポイント。will は「未来を表す記号」ではなく、話し手の今の気持ちを映す鏡なのです。
S + will + 動詞の原形
否定形:will not(won't)+ 動詞の原形
疑問文:Will + S + 動詞の原形 ...?
be going to もまた未来を表す重要な表現です。 一見 will と同じように思えますが、話し手の気持ちはまったく異なります。 be going to の核心は、「すでにその方向に向かっている(going to)」という進行中のイメージです。
be going to は文字通り「go(向かう)+ to(〜に)」の進行形です。すでに to 以下の状況に向かっている── そこから「意図」と「根拠のある予測」が生まれます。
意図の be going to:「〜するつもりだ」── あらかじめ心づもりがあり、すでにその方向に心が向かっている。will のような「その場の判断」ではなく、前から決めていたニュアンス。
予測の be going to:「〜しそうだ」── 目に見える根拠(黒い雲、走ってくる人など)があり、to 以下の状況に向かっている。will が主観的な予測なのに対し、根拠が目の前にあるのが be going to です。
will と be going to は日本語ではどちらも「〜するつもり」と訳せてしまうため混同しやすいですが、英語では明確に区別されます。
✕ 不自然:"I've been thinking about it for months. I will study abroad."
○ 自然:"I've been thinking about it for months. I 'm going to study abroad."
何ヶ月も考えてきたのなら「その場の決定」ではなく「前からの計画」。be going to が自然です。
逆に、「寒いね」と言われて「閉めるよ」と応じる場面では、I'm going to close the window. は不自然。I'll close the window. がぴったりです。
ポイント:「今決めた」→ will /「前から決めていた」→ be going to
| will | be going to | |
|---|---|---|
| 意志・意図 | その場で決めた意志 「よし、やろう」 |
前から決めていた計画 「〜するつもりだ」 |
| 予測 | 主観的な確信 「〜だろう」 |
目に見える根拠あり 「〜しそうだ」 |
| 例(意志) | I'll help you. (その場の申し出) |
I'm going to help him. (前から決めていた) |
| 例(予測) | It will rain tomorrow. (話し手の推測) |
It's going to rain. (黒い雲が見える) |
will や be going to 以外にも、英語には未来を表す手段があります。 現在進行形とbe about toは、どちらも未来の出来事がより「確定的」な場合に使われます。
現在進行形(am / are / is + -ing):すでに具体的な手配が済んでいる予定を表す。
「チケットを買った」「レストランを予約した」── 確定した近い未来に使う。
be about to + 動詞の原形:「まさに〜しようとしている」── 今にも起きようとしている直前の未来。
be going to の「意図(つもり)」と進行形の「予定」の違いを押さえましょう。
日本語の「つもり」と「予定」の違いとまさに同じです。 be going to は心が向かっている段階、進行形は具体的な手配が完了している段階を表します。
when / if / as soon as / before / after / until / unless などが導く副詞節の中では、未来のことでも現在形を使います。
If it rains tomorrow, I will cancel the picnic.(明日雨が降ったら…)
When he comes home, I'll tell him the news.(彼が帰ってきたら…)
Please call me as soon as you arrive at the hotel.(ホテルに着いたらすぐ…)
なぜ現在形なのか── 話し手は「到着」や「雨が降ること」を前提(起こるものとして)話しているからです。前提として「起こっている」とみなしているので、現在の事実を述べる現在形が使われるのです。
ただし、when節が名詞節(「いつ〜するか」)の場合は未来表現を使います。
I don't know when he will come.(彼がいつ来るかわからない)
未来表現を学んだら、関連するトピックへ進みましょう。
Q1. 英語に「未来形」が存在しないとはどういう意味ですか。
Q2. 次の場面ではどちらが自然ですか。理由も答えてください。
(電話が鳴っている場面で)「私が出るよ」
(a) I'll answer it. (b) I'm going to answer it.
Q3. "Look at those dark clouds. It's going to rain." で will ではなく be going to が使われる理由を説明してください。
Q4. "I'm leaving for London on Monday." と "I'm going to leave for London on Monday." の違いは何ですか。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
The construction will continue ( ) next summer.
② until
判断のポイント:will continue と未来を表す表現が使われており、「次の夏まで工事が続く」という意味になる文を選びます。
「〜まで(ずっと)」の意味を表す前置詞は until です。since は「〜以来」、during は「〜の間」(期間の名詞と使う)、while は接続詞で「〜する間」。
「工事は次の夏まで続くでしょう」
Please return this book to the library as soon as you ( ) reading it.
④ have finished
判断のポイント:as soon as 以下は「時を表す副詞節」なので、未来の内容でも現在時制を用います。
「読み終えたらすぐに」は、未来のある時点での完了を表すため、未来完了(will have finished)の内容ですが、副詞節内では will を使えません。代わりに現在完了の have finished を使います。
「読み終えたらすぐに、この本を図書館に返してください」
"Are you free tonight?" — "I'm sorry, but I ( ) dinner with my parents."
② I'm having
判断のポイント:tonight の予定を尋ねられ、「すみませんが…」と答えているので、すでに決まっている予定を述べている場面です。
確定した予定には現在進行形が適切です。will は「その場の意志」のニュアンスが出てしまい、「今決めた」感じになるため不自然。have は「食べる」の意味の動作動詞なので進行形で使えます。
「今晩ひまですか?」「すみません、両親と食事をする予定なんです」