第2章 時制

進行形の用法
─ 「している」だけでは捉えきれない -ing の世界

"I play tennis." と "I'm playing tennis." ── この違いは単に「今しているかどうか」ではありません。
進行形には「まさにその動作の途中にいる」という臨場感が宿っています。
その感覚を掴めば、「なぜ know は進行形にできないのか」も自然にわかるようになります。

1進行形とは何か ─ 基本概念

英語では「テニスをする(ふだんの習慣)」と「今テニスをしている(まさに進行中)」を、動詞の形ではっきり区別します。 前者は現在形、後者は進行形です。

進行形は「be動詞 + 動詞の -ing形(現在分詞)」で作ります。 be動詞の部分を変えることで、現在・過去・未来を表し分けることができます。

しかし進行形の本質は、単に「今している」ということではありません。 そこには「動作の途中にいる」という、もっと深い感覚があります。

💡 ここが本質:進行形 = 「今まさに動作の途中」

進行形の核心は「動作が始まっていて、まだ終わっていない ── その途中にいる」ということです。

現在形が「広く安定した状況」を述べるのに対し、進行形は一時的で、動きのある場面を切り取ります。

だからこそ進行形には「ライブ感」があり、「いずれ終わる」という一時性のニュアンスが伴います。

2ネイティブの感覚 ─ 進行形が持つ「ライブ感」

日本語の「〜している」は、習慣にも進行中にも使えてしまう万能表現です。 しかし英語では、その2つをまったく異なる形で表現します。 この違いを理解するカギは、進行形がもつ「ライブ感」にあります。

🧠 ネイティブの感覚:-ing は「動きの瞬間を切り取るシャッター」

ネイティブにとって、-ing形は「まさにその動きの最中にいる」という臨場感を生む形です。

カメラのシャッターで動いている瞬間を切り取る ── そんなイメージです。現在形が「動画の説明文」なら、進行形は「動画のワンシーンのスクリーンショット」。

現在形:Ken plays tennis.(ケンはテニスをする人だ ── 広く安定した事実)

進行形:Ken is playing tennis.(ケンは今テニスをしているところだ ── まさにその瞬間)

このように、現在形は「いつもの状況」を、進行形は「今この瞬間」を描きます。

📝 例文で確認:現在形と進行形の対比
I live in Tokyo.
東京に住んでいます。(長期的・安定した状況)
I'm living in Tokyo at the moment.
今のところ東京に住んでいます。(一時的な滞在 ── 出張・留学など)
What do you do?
お仕事は何ですか?(職業を尋ねる ── 広く成り立つ状況)
What are you doing?
今、何をしているの?(まさに今の行動を尋ねる)

進行形で描かれる状況は比較的「短期間」です。 進行中の動作ですから、現在形で表されるような長期間安定して続くものではありません。 この「一時性」こそが進行形の大きな特徴です。

3現在進行形・過去進行形・未来進行形

進行形の「be動詞 + -ing」という形は共通で、be動詞の時制を変えることで「いつの進行中か」を表し分けます。

📏 文法ルール:進行形の時制別パターン

現在進行形:am / are / is + -ing 「(今)〜しているところだ」

過去進行形:was / were + -ing 「(あの時)〜しているところだった」

未来進行形:will be + -ing 「(その時)〜しているところだろう」

※ 疑問文・否定文の作り方は通常のbe動詞文と同じ。
※ 進行形は「be動詞文」の一種。Ken is tall. と Ken is playing tennis. は同じ構造。

現在進行形 ── 「今まさに」

📝 例文で確認
She is studying English now.
彼女は今、英語を勉強しているところだ。
I 'm planning a trip to London.
ロンドンへの旅行を計画しているところです。

過去進行形 ── 「あの瞬間、まさに」

過去進行形は、過去のある時点で動作が進行中だったことを表します。 「2時間前に見かけたとき、勉強していた」のように、過去の一瞬を切り取る感覚です。

📝 例文で確認
She was studying when I saw her two hours ago.
2時間前に見かけたとき、彼女は勉強していた。
It was raining when we left the house.
私たちが家を出たとき、雨が降っていた。

未来進行形 ── 「その時には〜しているだろう」

未来進行形は、未来のある時点で動作が進行中であろうことを表します。

📝 例文で確認
This time next year, I will be working in New York.
来年の今ごろ、私はニューヨークで働いているだろう。
When Ken comes home, his mother will be cooking dinner.
ケンが帰宅するころ、母は夕食を作っているだろう。
🔬 ワンポイント:進行形で「予定」を表す

現在進行形は「今していること」だけでなく、近い未来の予定・計画を表すこともあります。

I'm having dinner with my parents tonight.(今晩、両親と食事をする予定だ)

We're leaving for Kyoto tomorrow.(明日、京都に向けて出発する予定だ)

すでに準備や手配が進んでいて「もう動き出している」という感覚が、進行形の「途中感」とつながっています。

🔬 ワンポイント:進行形の特殊な用法

1. 「繰り返し」への苛立ち:always / constantly と共に使い、うんざりした気持ちを表します。

He is always complaining about everything.(彼はいつも何にでも文句を言っている)

2. 「移行中」の動作:stop(止まる)、die(死ぬ)などの移行動詞を進行形にすると「〜しかけている」の意味になります。

The bus is stopping.(バスが止まりかけている)/ The plant is dying.(植物が枯れかけている)

4進行形にできない動詞(状態動詞)

進行形は「動作の途中」を表す形です。ということは、「途中」がない動詞は進行形にできない ── これが最も重要な原則です。

日本語で「知っている」「好きである」「持っている」と言うとき、「〜ている」が含まれるため、つい英語でも進行形にしたくなります。 しかし、know / like / have は行為ではなく状態を表す動詞。動きがないため、進行形にはできません。

📏 文法ルール:進行形にできない代表的な状態動詞

感情・思考・認識:like, love, hate, believe, think(思っている), know, remember, realize, want

知覚・感覚:see(見える), hear(聞こえる), smell(においがする), taste(味がする)

存在・所有・関連:be, have(持っている), own, possess, belong, exist, contain, consist, include, resemble

※ 上記は「状態」の意味で使う場合に進行形不可。同じ動詞でも「動作」の意味なら進行形OK(後述)。
🧠 ネイティブの感覚:「途中」がない動作は -ing にならない

進行形は「行為・活動の途中にいる」を描く形です。判断の基準はシンプル ──「そこに行為・活動が感じられるかどうか」

"play tennis" は体を動かす行為だから、途中がある。だから進行形OK。

"know English" は頭の中に知識がある状態。動きはない。だから進行形NG。

"love my family" はそういう気持ちがある状態。行為ではない。だから進行形NG。

日本語の「〜ている」に惑わされず、英語の動詞に「動き」が感じられるかどうかで判断しましょう。

⚠️ 落とし穴:日本語の「〜ている」に引きずられるミス

日本語訳の「〜ている」だけで進行形を使ってしまうのは、最も多いミスです。

✕ 誤:I am knowing the answer.(know = 状態動詞)

○ 正:I know the answer.(答えを知っている)

✕ 誤:This bag is belonging to me.(belong = 状態動詞)

○ 正:This bag belongs to me.(このカバンは私のものだ)

✕ 誤:She is resembling her mother.(resemble = 状態動詞)

○ 正:She resembles her mother.(彼女は母に似ている)

🔬 ワンポイント:同じ動詞でも「意味」で使い分ける

一部の動詞は、「状態」の意味では進行形NG、「動作」の意味では進行形OKという使い分けがあります。

have

・「持っている」(状態)→ 進行形NG:I have a car.

・「食べる」(動作)→ 進行形OK:He is having breakfast right now.

think

・「〜と思っている」(状態)→ 進行形NG:I think it's a good idea.

・「考えている」(思考活動)→ 進行形OK:I 'm thinking about you right now.

see

・「見える」(知覚)→ 進行形NG:I see a bird.

・「会う」(動作)→ 進行形OK:I 'm seeing the doctor tomorrow.

smell / taste

・「においがする / 味がする」(知覚)→ 進行形NG

・「においをかぐ / 味見をする」(動作)→ 進行形OK

ポイントは常に同じ ──「行為・活動が感じられるか」です。

5つながりマップ

進行形を学んだら、時制の全体像を他のトピックとつなげましょう。

  • → G-2-1 現在形の用法:進行形と対になる「現在形」の感覚を確認。「広く安定した状況」と「今この瞬間」の違いを整理できます。
  • → G-2-2 過去形の用法:過去形と過去進行形の使い分けを学ぶ。「過去の出来事を語る」と「過去の一瞬を切り取る」の違いがポイントです。
  • → G-2-6 完了進行形:have been -ing の形で「ずっと〜し続けている」を表す。進行形と完了形が合体した応用表現です。

📋まとめ

  • 進行形の本質 = 「動作が始まっていて、まだ終わっていない ── その途中にいる」
  • 現在形が「広く安定した状況」を述べるのに対し、進行形は一時的で動きのある場面を切り取る
  • 現在進行形(am/are/is + -ing)→ 今まさに進行中 / 近い未来の予定
  • 過去進行形(was/were + -ing)→ 過去のある時点で進行中だった
  • 未来進行形(will be + -ing)→ 未来のある時点で進行中だろう
  • 状態動詞(know, like, belong, own など)は「途中」がないため進行形にできない
  • 同じ動詞でも「状態 → 進行形NG」「動作 → 進行形OK」の使い分けがある(have, think, see など)

確認テスト

Q1. 進行形の本質を一言で表すと何ですか。

▶ クリックして解答を表示「動作が始まっていて、まだ終わっていない ── その途中にいる」こと。現在形が「広く安定した状況」を述べるのに対し、進行形は一時的で動きのある場面を切り取る。

Q2. "What do you do?" と "What are you doing?" の意味の違いを説明してください。

▶ クリックして解答を表示"What do you do?" は現在形で「広く成り立つ状況」を尋ねる → 職業を聞く表現。"What are you doing?" は進行形で「今この瞬間」を尋ねる → 今何をしているのかを聞く表現。

Q3. know や belong が進行形にできない理由を、進行形の本質から説明してください。

▶ クリックして解答を表示進行形は「行為・活動の途中にいる」を表す形。know(知識がある状態)や belong(所属している状態)には「動き」がなく「途中」がない。だから進行形にできない。判断基準は「そこに行為・活動が感じられるか」。

Q4. have が進行形にできる場合とできない場合を、例文を挙げて説明してください。

▶ クリックして解答を表示「持っている」(状態)→ 進行形NG:I have a car.(行為がない)。「食べる」(動作)→ 進行形OK:He is having breakfast.(食べるという行為がある)。同じ動詞でも、意味によって「行為が感じられるか」が変わるため、使い分けが必要。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

2-3-1 A 基礎 現在進行形 空所補充

"What are you doing now?" ─ "I (  ) on my homework."

  • ① work
  • ② am working
  • ③ was working
  • ④ have worked
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② am working

解説

判断のポイント:now(今)が示す現在の時点で、work という動作が進行中であることを表す場面。

質問が "What are you doing now?" と現在進行形で尋ねているので、答えも現在進行形で返します。② am working が正解。

「今、宿題に取り組んでいるところです」

B 発展レベル

2-3-2 B 発展 状態動詞 空所補充

Do you mean that the whole building (  ) to you?

  • ① is belonged
  • ② is belonging
  • ③ belongs
  • ④ belong
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

③ belongs

解説

判断のポイント:belong to A(Aに属している)は状態動詞なので、進行形にできません。

② is belonging は進行形なのでNG。① is belonged は受動態ですが、belong は自動詞なので受動態も不可。④ belong は主語 the whole building(三人称単数)に合いません。③ belongs が正解。

「建物全体があなたの所有物だということですか」

得点の差がつくポイント
  • 「〜に属している」という日本語に引きずられて ② is belonging を選ばないこと
  • belong は状態動詞であり、かつ自動詞であることを押さえておく

C 応用レベル

2-3-3 C 応用 未来進行形 現在進行形の予定用法 空所補充

When Ken comes home from school this afternoon, his mother (  ) cooking roast chicken.

  • ① will be
  • ② would be
  • ③ has been
  • ④ had been
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

① will be

解説

判断のポイント:this afternoon(今日の午後)が示す未来の時点で、cook という動作が進行中であることを表す場面。

「今日の午後ケンが学校から帰るとき、母はローストチキンを作っているだろう」── 未来のある時点で進行中の動作を述べるので、未来進行形(will be + -ing)を使います。空所のあとに cooking(-ing形)があるため、① will be を入れて will be cooking とするのが正解。

なお、When節(時を表す副詞節)の中では未来のことでも現在形 comes を使う点にも注意。

得点の差がつくポイント
  • ③ has been cooking(現在完了進行形)や ④ had been cooking(過去完了進行形)と混同しないこと
  • when節内の時制(現在形 comes)と主節の時制(未来 will be)の対応関係を理解しているかが鍵