第17章 前置詞

方向・移動を表す前置詞
─ to / toward / from / into / through / across / along

to Tokyo、from Osaka、into the room ── 方向や移動を表す前置詞は英語の「動き」を描写する重要な道具です。
to と for の違い、into と out of の対比、through と across の使い分けを整理しましょう。

1to と for の違い ─ 到達 vs 方向

💡 ここが本質:to = 到達点あり / for = 方向のみ

to:到達点を指し示す。そこに着くことを含む。

for:「〜に向かって」という方向のみ。到達は含まない。

📝 例文で確認
The train went to Osaka.
その電車は大阪に行った。(to = 大阪に到着した)
The train left for Osaka.
その電車は大阪に向けて出発した。(for = 大阪に向かった。到着は含まない)
🔬 ワンポイント:toward(s) は「〜の方へ」

toward(s) は to よりも漠然とした方向を表します。到達を含みません。

He turned toward the opposite direction.(彼は反対方向に曲がった)

2from ─ 起点から離れる

from は「起点から出発する・離れていく」イメージです。分離・原料・原因・区別など多くの意味に広がります。

📝 例文で確認
Our flight leaves from Terminal 2.
私たちの便はターミナル2から出発する。(from = 起点)
Cheese is made from milk.
チーズは牛乳から作られる。(from = 原料 ─ 見た目が変化している場合)
Japanese rice is different from Thai rice.
日本米はタイ米とは違う。(from = 区別 ─ 離れている感覚)

3into / out of ─ 中へ・中から

into(= in + to)は「内部へ」、out of はその逆で「中から外へ」の動きを表します。

📝 例文で確認
A bird flew into the coffee shop.
1羽の鳥が喫茶店の中に飛び込んだ。(into = 内部への動き)
The kid crashed into the fence.
その子はフェンスにぶつかった。(into = 衝突 ─ 内部にめり込む感覚)
I didn't want to get out of bed.
ベッドから出たくなかった。(out of = 中から外へ)
🧠 ネイティブの感覚:into は「衝突」と「変化」も表す

内部にめり込む感触から「衝突」が生まれます。crash into / run into(ぶつかる・ばったり出会う)

「別の状態の中に入る」ことから「変化」も表します。grow into a fine young man(立派な若者に成長する)

4through / across / along / over

前置詞 イメージ
through 中を通り抜けて walk through the park(公園の中を通り抜ける)
across 横切って(十字を描く) swim across the river(川を泳いで渡る)
along 〜に沿って walk along the beach(海岸沿いに歩く)
over 〜を越えて jump over a wall(塀を跳び越える)
📝 例文で確認
They swam across the river.
彼らは川を泳いで渡った。(across = 横切って)
I rode my motorcycle across South America.
南アメリカ中をバイクで走った。(across = 隅から隅まで)
There's a restaurant along this street.
この通り沿いにレストランがある。(along = 線に沿って)

5in の「方向」用法

in は「方向・方角」を表すことがあります。この場合、to は使えないことに注意しましょう。

📏 文法ルール:方向・方角には in を使う

go in the right direction(正しい方向へ進む)── × go to the right direction

The sun rises in the east and sets in the west.(太陽は東から昇り、西に沈む)

⚠️ 落とし穴:go fishing in the river(× to the river)

go doing in / at / on A(Aに...しに行く)の形では、到達点の to ではなく、行為をする場所を示す in / at / on を使います。

✕ 誤:go fishing to the river(川まで釣りをしながら行く、の意味に)

○ 正:go fishing in the river(川に釣りに行く)

6つながりマップ

  • → G-17-5 手段・類似・材料を表す前置詞:by / with / in(手段)、like / as(類似)を学ぶ。
  • → G-17-3 場所を表す前置詞:at / in / on の「位置」と本記事の「移動」は対になる概念。
  • → G-17-7 主要前置詞のイメージ:to / from / into / through などの核心的イメージを確認。

📋まとめ

  • to(到達点あり)と for(方向のみ)を区別する
  • from = 起点から離れる。分離・原料・区別などに広がる
  • into = 内部へ(衝突・変化も含む)/ out of = 中から外へ
  • through(通り抜け)/ across(横切り)/ along(沿って)/ over(越えて)
  • 方向・方角には in を使う(in the east / in the right direction)

確認テスト

Q1. to と for の方向を表す用法の違いを説明してください。

▶ クリックして解答を表示to は到達点を含む(そこに着くことを意味する)。for は方向のみを表し、到達は含まない。例:The train went to Osaka.(到着した)/ The train left for Osaka.(出発した ─ 到着は不明)

Q2. into が「衝突」を表す理由をイメージで説明してください。

▶ クリックして解答を表示into は「内部へ」の動き。内部にめり込む感触が「衝突」のイメージにつながる。crash into / run into など。

Q3. through と across の違いを説明してください。

▶ クリックして解答を表示through は「中を通り抜けて」(内部を通過)、across は「横切って」(十字を描くように表面を横断)。through the tunnel / across the river。

Q4. 「川に釣りに行く」を英語で書いてください。

▶ クリックして解答を表示go fishing in the river。go doing in[at/on] A の形で、行為をする場所を示す前置詞を使う。to は不可。

9入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

17-4-1A 基礎go doing in A空所補充

I went fishing (  ) the river.

  • ① to
  • ② in
  • ③ for
  • ④ of
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② in

解説

go doing in A(Aに...しに行く)の形。川という空間の「中」で釣りをするので in が正解。to を使うと「川まで釣りをしながら行く」という不自然な意味になります。

B 発展レベル

17-4-2B 発展方向の in空所補充

They were close to home now, but David turned (  ) the opposite direction.

  • ① of
  • ② at
  • ③ in
  • ④ to
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

③ in

解説

「方向・方角」を表す場合は in を使います。go in the right direction / turn in the opposite direction。to は方角・方向には使えません。

「彼らはもう家の近くまで来ていたが、デイビッドは反対方向に曲がった。」

C 応用レベル

17-4-3C 応用for the first time in A空所補充

I went skiing for the first time (  ) fifteen years.

  • ① before
  • ② in
  • ③ during
  • ④ of
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

② in

解説

for the first time in A は「Aぶりに」という慣用表現。「15年の期間の中で初めて」が原義です。

「私は15年ぶりにスキーに行った。」

得点の差がつくポイント
  • for the first time in + 期間 は頻出イディオム
  • in は「期間の中で」の意味で使われている