英語の名詞には限定詞(冠詞)がつきものです。
the, a/an, 無冠詞 ── この3つの使い分けは、英語の「モノの指し方」の根幹を成しています。
限定詞とは、名詞が具体的にどのようなものを意味しているのかを指定する語句です。the, a/an, my, this, some, every などがこれにあたります。限定詞は必ず名詞の前に置かれます(指定ルール)。
限定詞 + (形容詞 +) 名詞 の語順で使う。
例:the dog / a cute cat / my old friend
the のイメージは「(特定の)1つに決まる」です。話し手にとってだけでなく、聞き手にとっても「ああ、アレね」と1つに決まるとき the が使われます。
前の文脈で出た:I met a doctor. The guy was so kind.(前に出たから1人に決まる)
その場の状況で決まる:Close the door.(目の前のドアだから決まる)
そもそも1つしかない:The earth is round.(地球は1つしかない)
共有イメージ:I'll call the police.(「警察」という共有概念)
a / an は the の反対で、聞き手にとって「1つに決まらない」ときに使います。初めて話題に出すものや、特定のものを指していない場合に使われます。
a は「不特定の1つ」、one は「(2でも3でもなく)数としての1」を強調します。
I'd like a chocolate donut. ─ Just one, please.(a で注文し、one で「1つだけ」と念押し)
英語の自然な流れは「a で初登場させ、the で再登場させる」です。
I met a doctor on my flight. The guy was so kind.
初登場は a(聞き手にはまだ特定できない)→ 2回目からは the(聞き手も「あの人ね」と特定できる)。
名詞に限定詞をつけない使い方もあります。具体的な対象を指定せず、緩やかに全体(~というもの)を表します。
不可算名詞や複数形は無冠詞で使えますが、単数の可算名詞は限定詞なしでは使えません。
✕ 誤:I have dog.
○ 正:I have a dog. / I have dogs.
単数形は「1つ」を意識した特別な形。だからこそ「どんな1つなのか」を限定詞で指定する必要があるのです。
Q1. the の基本イメージを一言で述べてください。
Q2. I met a doctor. The guy was kind. で a → the に変わる理由は?
Q3. John plays the piano. でなぜ the がつくのですか。
Q4. なぜ I have dog. は不自然なのですか。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
( ) sun rises in the east.
③ The
sun(太陽)はこの世に1つしかないため、常に the がつきます。同様に the moon, the earth, the world なども the を伴います。
I saw ( ) cat in the garden. ( ) cat was black.
③ a ... The
1文目は猫が初登場なので a で導入。2文目では前の文で出ているため聞き手も特定できるので the で展開。「a で導入 → the で展開」の典型パターンです。
次の文が正しければ○、誤りがあれば正してください。
The rich are not always happy, but poor often struggle.
poor → the poor
「the + 形容詞」で「~な人々」を表す用法です。the rich(金持ちの人々)と同様に the poor(貧しい人々)にも the が必要です。この the は「みんなが思い浮かべる共有イメージ」を指しています。