「もし私があなたなら」を Were I you, ... と書ける──
仮定法では if を省略して倒置にすることがあります。
さらに、副詞句・主語・不定詞が if 節の代わりをする表現も多数。
入試で差がつく「隠れた仮定法」を見抜く力を身につけましょう。
仮定法の if 節では、were / had / should が含まれている場合に限り、if を省略して主語と助動詞を入れ替える(倒置する)ことができます。フォーマルな文章や入試で頻出のパターンです。
仮定法過去(be動詞のみ)
If S were ... → Were S ...
仮定法過去完了
If S had done ... → Had S done ...
If S were to do ...
→ Were S to do ...
If S should do ...
→ Should S do ...
G-10-6 で学んだ if it had not been for A(もし〜がなかったら)も、倒置で Had it not been for A とすることができます。同様に、if it were not for A → Were it not for A です。
倒置形の条件節は主節の前に置かれるのが一般的ですが、主節の後に置かれることもあります。読解で見落としやすいので注意しましょう。
A better bridge would have been built had they offered their help.
(= ... if they had offered their help. 彼らが援助を申し出ていたら、よりよい橋が建設されていただろう。)
You might have won that prize had you been a little more patient.
(= ... if you had been a little more patient. もう少し辛抱強かったら、その賞を取れたかもしれないのに。)
倒置は疑問文と同じ語順です。疑問文の語順は文に感情的な抑揚やインパクトを与える形です。仮定法の倒置も同様に、通常の if を使った文よりも「文に勢いがある」印象になり、フォーマルな言い換えとして好まれます。
日本語でも「もし彼に聞いていれば」と「聞いていればこそ」では後者の方が力強い印象を受けますね。英語の倒置も同じ効果を持っています。
if 節を使わずに、副詞句(with A / without A / otherwise)が仮定の意味を担う表現があります。動詞の形(would do / would have done)と文意から仮定法の文だと判断し、仮定の意味がどこに含まれているかを見抜くことが大切です。
With A, S + would / could / might + 動詞の原形 ...(仮定法過去)
With A, S + would / could / might + have + 過去分詞 ...(仮定法過去完了)
「もしAがあれば / あったら」── without A(もしAがなければ)と逆の意味です。
S + V(直説法); otherwise S' + would / could / might + 動詞の原形 ...
S + V(直説法); otherwise S' + would / could / might + have + 過去分詞 ...
前述の事実を受けて、「もしそうでなければ / そうでなかったならば」と反対の仮定をする表現。セミコロン(;)、コンマ、ピリオドの後に置かれます。
otherwise は前述の事実の「反対」を仮定しています。上の例で言えば:
・「手紙を書いた」→ otherwise =「もし書かなかったら」(= If I had not written to my parents)
・「タクシーで行った」→ otherwise =「もしタクシーで行かなかったら」(= If we had not gone by taxi)
otherwise の後の動詞の形(would have done)から仮定法過去完了と判断できます。
if 節だけでなく、主語そのものや不定詞句、分詞構文が仮定の条件を表す場合があります。主節に would / could / might が使われていることが仮定法を見抜く手がかりです。
主語に「もし〜があれば」「もし〜がいたら」という仮定の意味が含まれることがあります。
不定詞句が「もし〜すれば」「もし〜したら」という仮定の条件を表す場合があります。
分詞構文が条件節の意味を含むこともあります。
if 節がない仮定法を見抜くポイントは、主節の動詞の形です。would / could / might + 動詞の原形(仮定法過去)、would / could / might + have + 過去分詞(仮定法過去完了)が使われていたら、文のどこかに仮定の意味が隠れていないか探しましょう。
仮定法でありながら、条件を表す表現が一切なく、話者の意識の中でのみ「もし〜すれば」「〜していたら」という気持ちが働いている場合があります。文脈から仮定法のニュアンスを読み取る必要がある、最も難しいパターンです。
この例では could have borrowed が仮定法過去完了の主節の形ですが、if 節に相当する表現はどこにもありません。話者の頭の中に「もし私に頼んでいたら」という仮定が暗黙のうちに含まれているのです。
英語では、前後の会話や状況の文脈が明らかに仮定の条件を示している場合、if 節や条件を表す表現を省略して仮定法の主節だけを述べることがあります。「言わなくてもわかるよね」という感覚です。
could have done は「(あの時そうしていれば)〜できたのに」、would have done は「(そうしていたら)〜しただろうに」というニュアンスで、後悔や残念な気持ちを表します。
could have done には次の2つの意味があります。文脈で判断しましょう。
① 仮定法:「〜できたのに(実際にはしなかった)」
You could have borrowed mine.(借りることができたのに → 実際には借りなかった)
② 推量:「〜した可能性がある」
I am disappointed with the result because we could have won the game.(勝てた可能性もあったので、結果に失望している)
Q1. If I were in your place を if を省略した倒置形に書き換えてください。
Q2. We went by taxi; otherwise, we would have been late. の otherwise は何を仮定している?
Q3. To see us walking together, they would take you for my sister. の不定詞は何を意味する?
Q4. if の省略で倒置にできるのは、仮定法過去の場合どんな動詞のとき?
( ) in her position, I would decline the offer.
④ Were I
判断のポイント:主節の動詞 would decline に注目。仮定法過去の文です。
「もし彼女の立場なら」= If I were in her position の if を省略した倒置形 → Were I in her position。④ Were I が正解。
③ If were I は if と倒置が両方あるので誤り。if を使うなら If I were、省略するなら Were I。
We went by taxi; ( ), we would have been late.
① otherwise
判断のポイント:セミコロン以降の動詞 would have been に注目。仮定法過去完了の形です。
前半「タクシーで行った」は事実。後半は仮定法過去完了なので、前述の事実に反する仮定が必要 → ① otherwise「もしそうでなかったならば」が正解。
「私たちはタクシーで行った。そうしなければ(= タクシーで行かなかったら)、遅れていただろう。」
(a) To see us walking together, they would take you for my sister.
(b) If ( ) us walking together, they would take you for my sister.
③ they saw
判断のポイント:(a)の不定詞 To see に仮定の意味が含まれています。主節の動詞が would take(仮定法過去)なので、if 節も仮定法過去の形にします。
仮定法過去の if 節 = If + S + 過去形 → ③ they saw が正解。
「私たちが一緒に歩いているところを見れば、彼らはあなたを私の姉(妹)と間違うだろう。」