第1章 文型と語順

無生物主語構文

英語では「物・事」が主語になる無生物主語構文が頻出。日本語訳のコツと主要パターン。

1無生物主語構文の本質

無生物主語構文とは
英語では「物・事・抽象的概念」を主語にして表現することが多い。日本語では「人」を主語にするが、英語では「原因・手段・時間・場所」などを主語にして、より客観的に表現する。
ネイティブの感覚
ネイティブは「何が何をもたらしたか」という因果関係を重視する。人の感情や行動も、外的要因によって引き起こされると捉え、その要因を主語にする発想が自然。
基本例文
The news surprised me.
そのニュースに私は驚いた。
The rain prevented us from going out.
雨のせいで私たちは外出できなかった。
His words made me angry.
彼の言葉に私は腹が立った。

2感情・心理動詞パターン

無生物主語 + 感情動詞 + 人
surprise, please, disappoint, satisfy, worry, frighten, interest など
「物・事が人を〜させる」→「人は物・事に〜する」と訳す
よくある間違い
The movie was interested me.(×)
The movie interested me.(○)
「映画は面白かった」と言いたい時、主語が無生物ならinterest、主語が人ならbe interested in
感情動詞の例文
The result disappointed him.
彼はその結果にがっかりした。
The accident worried his parents.
両親はその事故を心配した。
Her smile pleased everyone.
みんな彼女の笑顔に喜んだ。

3使役・強制パターン

無生物主語 + 使役動詞 + 人 + 動詞
make, force, drive, lead, cause など
「物・事が人を〜させる」→「人は物・事によって〜する」と訳す
使役の発想
英語では人の行動も外的な力によって「させられる」と捉える。日本語の「自発的行動」も、英語では「外的要因による結果」として表現することが多い。
使役動詞の例文
The noise made me wake up.
その音で私は目が覚めた。
His illness forced him to quit his job.
病気のため彼は仕事を辞めざるを得なかった。
The map led us to the treasure.
その地図で私たちは宝物を見つけた。
The accident caused him to lose his memory.
その事故で彼は記憶を失った。

4可能・困難パターン

無生物主語 + enable/prevent/keep
enable A to do:「物・事がAに〜することを可能にする」
prevent A from doing:「物・事がAが〜することを妨げる」
keep A from doing:「物・事がAが〜することを妨げる」
入試のポイント
preventkeepは「from」を忘れやすいので注意。enableは「to」を使う。前置詞の使い分けが頻出。
可能・困難の例文
The scholarship enabled him to study abroad.
奨学金のおかげで彼は留学することができた。
The heavy traffic prevented us from arriving on time.
ひどい交通渋滞で私たちは時間通りに到着できなかった。
The thick fog kept the plane from taking off.
濃い霧のため飛行機は離陸できなかった。

5時間・場所・条件パターン

時間・場所・条件を主語にする表現
時間 + saw/found/brought:「〜の時に」
場所 + saw/witnessed:「〜で」
条件 + will/would:「〜すれば」
日本語訳の注意点
無生物主語をそのまま主語にして訳すと不自然になることが多い。「〜で」「〜のため」「〜によって」など適切な助詞を使って自然な日本語にする。
時間・場所・条件の例文
The morning found him still working.
朝になっても彼はまだ働いていた。
The park witnessed their first meeting.
その公園で彼らは初めて出会った。
A little more effort will bring you success.
もう少し努力すれば成功するでしょう。
Five minutes will take you to the station.
5分で駅に着きます。

関連項目との繋がり

  • 使役動詞:make/have/let/getの使い分けと無生物主語
  • 受動態:無生物主語構文を受動態で表現する場合
  • 分詞構文:無生物主語+分詞の表現
  • 仮主語it:It surprised me that...との書き換え
まとめ

確認テスト

問1: 次の英文を自然な日本語に訳しなさい。
"The music made everyone dance."
▶ クリックして解答を表示 その音楽でみんな踊り出した。(音楽によってみんなが踊らされた、という使役の意味)
問2: 空欄に適切な前置詞を入れなさい。
"The rain prevented us ( ) going out."
▶ クリックして解答を表示 from(prevent A from doingで「Aが〜することを妨げる」)
問3: 次の日本語を無生物主語構文で英訳しなさい。
「その知らせに彼女は喜んだ。」
▶ クリックして解答を表示 The news pleased her.(無生物主語「the news」+感情動詞「pleased」)
問4: 「interested」と「interesting」の使い分けについて説明しなさい。
▶ クリックして解答を表示 interested:人が主語(I am interested in music)、interesting:物・事が主語(The movie is interesting)または物・事を修飾(an interesting story)

入試問題演習

A. 基礎レベル
次の英文の空欄に最も適切なものを選びなさい。
"The accident ( ) him from playing soccer for six months."
1. made 2. prevented 3. caused 4. enabled
▶ クリックして解答・解説を表示
解答:2. prevented
「その事故で彼は6ヶ月間サッカーができなくなった」という意味。prevent A from doingで「Aが〜することを妨げる」。from以下に動名詞が続くのがポイント。
B. 発展レベル
次の日本語に最も近い英文を選びなさい。
「その奨学金のおかげで彼は大学に進学することができた。」
1. The scholarship made him go to university.
2. The scholarship enabled him to go to university.
3. The scholarship caused him to go to university.
4. The scholarship forced him to go to university.
▶ クリックして解答・解説を表示
解答:2. The scholarship enabled him to go to university.
「〜のおかげで〜できた」はenable A to doで表現。makeやcauseは使役、forceは強制の意味で、「おかげで」というプラスのニュアンスには適さない。
C. 応用レベル
次の英文を最も自然な日本語に訳し、無生物主語構文の特徴について説明しなさい。
"The morning found the streets covered with snow."
1. 朝は通りが雪で覆われているのを発見した。
2. 朝になると通りは雪で覆われていた。
3. 朝、通りが雪で覆われているのが分かった。
4. 朝の時間が通りの雪を発見した。
▶ クリックして解答・解説を表示
解答:2. 朝になると通りは雪で覆われていた。
解説:「The morning found...」は時間を主語にした無生物主語構文の典型例。findは「見つける」ではなく「〜の状態にある」という意味。英語では時間を擬人化して主語にし、客観的に状況を描写する。日本語では「朝になると」のように時間を表す表現に変換するのが自然。